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2009年12月27日

平成21 年2月20 日大阪市底質対策等技術検討会

大阪市底質対策等技術検討会会議要旨


1 日 時 平成21 年2月20 日(金) 午後1時30 分〜午後2時50 分
2 場 所 環境局第11〜13 会議室(WTCコスモタワービル36 階)

3 出席者
(委 員)
大阪大学名誉教授 村岡 浩爾
大阪人間科学大学人間科学部教授 福永 勲
摂南大学薬学部准教授 上野 仁
京都大学原子炉実験所准教授 藤川 陽子
(事務局)
大阪市環境局・港湾局・建設局
(オブザーバ)
大阪府都市整備部河川室、大阪府環境農林水産部環境管理室、
大阪府環境農林水産総合研究所、大阪市立環境科学研究所水環境担当

4 議 題
(1) 委員長の選出
(2) 報告案件
 ? 平成19 年度ダイオキシン類環境調査結果について
 ? 大阪港湾区域(木津川運河等)における底質浄化対策について
 ? 大阪市管理河川(道頓堀川等)における底質浄化対策について

5 議事要旨
(1) 委員長の選出について
 要綱の規定に基づき、委員の互選により村岡委員が委員長として選出された。また、村岡委員長の指名により、福永委員が委員長の職務代行を行うこととなった。

(2) 平成19 年度ダイオキシン類環境調査結果について
 事務局(環境局)から、大阪市域における平成15〜19 年度までの5年間の水質・底質に係るダイオキシン類濃度測定結果及び水質に係る代表的な汚濁指標であるBOD やCOD の汚濁状況について報告を行った。

(3) 大阪港湾区域(木津川運河等)における底質浄化対策について
 事務局(港湾局)から、平成18 年度から着手している大阪港湾区域(木津川運河等)における底質浄化対策に伴う環境対策の概要(浚渫場所周辺における事前・日常的な水質環境監視や処分地(夢洲)及びその周辺おける水質環境調査結果など)の報告を行うとともに、平成19 年度に着手した港区尻無川(水門上流)堤防工事における環境対策の概要(工事場所周辺における事前・日常的な水質環境監視や固化処理による封じ込め効果を確認するための水質調査の実施結果など)について報告を行った。

(4) 大阪市管理河川(道頓堀川等)における底質浄化対策について
 事務局(建設局)から、道頓堀川水辺整備事業のうち、湊町右岸工区における遊歩道の設置に係る工事概要、浚渫土の処理、工事中の環境監視結果などについて報告を行った。

【結果】
(2)〜(4)について、事務局からの報告内容について、各委員からご理解をいただいたが、底質ダイオキシン類溶出量の測定値の評価に関して、「底質ダイオキシン類に関する分析手法を含めた統一的な取り扱いの確立に向け、今後、府市等関係機関が連携すること」などが要望として出された。

6 会議資料:
(1)資料1 :平成19 年度ダイオキシン類環境調査結果について
(2)資料2 :大阪港湾区域(木津川運河等)における底質浄化対策及び港区尻無川(水門上流)堤防工事における環境対策について
(3)資料3 :大阪市管理河川(道頓堀川)における底質浄化対策について
(4)参考資料:大阪市底質対策等技術検討会開催要綱



7 問い合わせ先
大阪市環境局環境保全部土壌水質担当
Tel:06-6615-7984、FAX:06-6615-7949、E-mail:ja0040@city.osaka.lg.jp

大阪市底質対策等技術検討会会議録

発言者(事務局及びオブザーバ)
・環境局環境保全部長 西山健一郎
・環境局環境保全部土壌水質担当課長 大石 一裕
・環境局環境保全部土壌水質担当課長代理 前田 和男
・環境局環境保全部環境情報担当課長代理 黒木 隆司
・環境局環境保全部担当係長 宮本 敏之(司会者)
・港湾局計画整備部環境保全担当課長代理 有門 貴
・建設局下水道河川部河川担当課長代理 三村 経雄
・大阪市立環境科学研究所水環境担当研究主任 先山 孝則

議事内容:次のとおり

西山環境保全部長
 
 さて、大阪市では、これまで「大阪市底質対策技術検討会」におきまして、市内の河川並びに海域における底質汚染などに関しまして、その汚染要因や浄化対策につきまして検討するとともに、市域内における土壌汚染、また、地下水汚染に係ります調査・対策に関しましては、別途「大阪市土壌汚染対策専門委員会」を設置させていただき、学識者の先生方より検討をいただいたところでございます。

 今般、大阪市では、これらの2つの委員会をより総合的に運用いたしまして、大阪市域内の公共用水域に係ります有害な底質、また、市域内の土壌汚染・地下水汚染など、水環境分野と地盤環境の分野の対策を一体的に推進いたしますため、平成20 年7月に底質の委員会に土壌の委員会を整理・統合させていただいたところでございます。
 本日は、これまで「底質対策技術検討会」でご検討いただきました大阪港湾区域並びに本市の管理河川におけます底質浄化対策の進捗の状況、また、環境監視の結果などにつきまして、ご検討いただきたいと考えてございます。
 本市といたしましては、今後とも、良好な都市環境を確保するとともに、水環境、また、地盤環境をはじめ、各種の環境施策をより一層、推進していく所存でございますので、委員の先生方におかれましては、引き続き、お力添えを賜りますようお願い申しあげまして、簡単ではございますが、あいさつとさせていただきます。



 大阪市では、これまで「大阪市底質対策技術検討会」におきまして、底質汚染問題について、また、「大阪市土壌汚染対策専門委員会」では、土壌汚染や地下水汚染問題について、それぞれ検討を行ってまいりましたが、今後の環境施策を円滑に推進していくために、この2つの委員会を統合いたしまして、参考資料に示しますとおり、要綱改訂を行ってきたところです。
 本検討会の委員につきましては、村岡先生、福永先生には再任させていただきますとともに、新たに上野先生、藤川先生には委員にご就任いただき、検討を進めていくこととなりました。

村岡委員長
 委員の先生方から、ご賛同を得ましたので、この検討会の委員長を務めさせていただきます。
 この検討会は、先ほど西山部長からも、ご説明ありましたように、これまでの2つの委員会を統合した新たな委員会となっています。これまで扱ってきました内容は、底質汚染、土壌汚染、地下水汚染であります。これらの内容については、相互に関係する場合もあり、独立して考えなければならない場合もあります。
 この3つの汚染は、対策という面から扱っていく拠り所となる法律は3つとも別であります。ということで、これを行政サイドから扱われるにしても、環境局、港湾局、建設局と3つに分かれているわけです。

今回、統合的に検討するということになりまして、ある意味では、行政の縦割りを除いた総合的な検討ができる場であるということで、好ましい形になってきたのではないかと思います。
 委員の先生方にも、それぞれご専門があるわけですが、この際、ご自分の専門以外に関連することが多いでしょうから、そういったところから広く総合的にご議論いただくことが望ましいと思いますので、その点、ご協力の方よろしくお願いいたします。
それでは、早速、議事に入りますが、本日の議題は、報告案件だけ3つあるようでございます。

 まず、第1の議案ですけれども、「平成19 年度 ダイオキシン類環境調査結果」についてでございます。

事務局(環境局前田課長代理)
 お手元の資料1に基づきまして、「平成19 年度ダイオキシン類調査結果」について、ご説明させていただきます。平成19 年度のダイオキシン類の水質・底質調査地点及び環境基準の適合状況を表しております。大阪市の地図上に、水質・底質のダイオキシン類の調査地点と環境基準の適合・不適合を示しております。各地点ごとに円がありますが、円の上半分が赤い場合は水質の環境基準不適合を、下半分が赤い場合は、底質の環境基準が不適合を、全体が赤い場合は、水質・底質両方とも環境基準不適合であることを表しております。
 平成19 年度、水質につきましては、古川の徳栄橋、神崎川の小松橋、東横堀川の本町橋の3箇所で環境基準不適合となっております。

事務局(環境局前田課長代理)
 また、底質につきましては、古川の徳栄橋、六軒家川の春日出橋、住吉川の住之江大橋下流1,100mの地点で環境基準不適合となっております。

 こちらの表−1でございますが、水質のダイオキシン類濃度の経年変化を示しております。経年変化としましては、平成15 年度から19年度までのデータで示しております。
 環境基準を超える又は高めのデータが出ている地点につきましては、調査回数を多く設定するというように、年度・地点により、調査回数が異なっております。複数回、測定を行う地点につきましては、データを範囲で示しております。

 青色の網掛けをしており、下線を引いておりますのは、環境基準値1pg-TEQ/L を超えたところです。道頓堀川の大黒橋、古川の徳栄橋、東横堀川の本町橋、寝屋川の今津橋、京橋、神崎川の小松橋において、環境基準不適合となる傾向にあります。

 資料の3枚目をご覧いただきたいのですが、こちらの方は、底質のダイオキシン類濃度の経年変化を示したものでございます。水質と同様に、平成15 年度から19 年度までのデータでお示ししております。
 水質と同様、網をかけて下線を引いておりますところが、環境基準値150pg-TEQ/g を超えたところであります。道頓堀川の大黒橋、古川の徳栄橋の他、木津川、神崎川の河口部において、環境基準が不適合となる傾向が続いております。

 ダイオキシン類の汚染要因でありますが、大阪府、大阪市で設置しております「河川及び港湾の底質浄化対策検討委員会」において検討されておりまして、大阪府及び大阪市の河川及び港湾におけるダイオキシン類の汚染は、主にPCB 製剤、並びに農薬、燃焼由来の要因が複合したものであり、個々の発生源の影響を特定することは困難であると結論づけられております。
 底質浄化対策についてですが、まず、本市管理河川についてご説明させていただきますと、道頓堀川、東横堀川につきましては、既存の測定結果におきまして、すでに底質ダイオキシン類の環境基準の超過が判明しておりますので、大阪市建設局が詳細調査を行い、ダイオキシン類による底質汚染を確認しております。底質浄化対策につきましては、平成19 年度に同局が両河川の一部の区間で浚渫による浄化対策を実施しております。

 港湾区域につきましては、同じく既存の測定結果におきまして、既に底質ダイオキシン類の環境基準の超過が判明しておりますので、大阪市港湾局が平成15 年度から17 年度にかけまして、正蓮寺川、尻無川、木津川、木津川運河等の大阪港湾区域の河川、港湾重複7区域におきまして、底質ダイオキシン類の汚染範囲等の調査を行っております。

事務局
(環境局前田課長代理)
 底質浄化対策につきましては、平成18 年度から、木津川運河の一部区域、大正内港の一部区域で、同局が浚渫による浄化対策に着手しているところでございます。

 さらに、大阪市以外の管理河川につきましては、神崎川、古川におきまして検討がなされているところでありますが、神崎川につきましては、大阪府におきまして、本川で平成18 年度以降、浚渫と覆砂による底質対策が行われているところでございます。

 また、神崎川上流の水路で高濃度の底質ダイオキシン類が検出されているということで、大阪府の方で汚染底質の除去及び底質除去後の環境モニタリングが実施されております。

 特に、古川につきましては、大阪府と大阪市が連携いたしまして、ダイオキシン類による底質汚染原因究明のための追跡調査を行い、上流に環境基準を超える底質があることが判明いたしました。その後、古川の河川管理者である大阪府の方で、詳細調査が行われ、上流域の水路に高濃度の底質があることが判明いたしました。そのため、大阪府では優先順位を上げて、古川の浄化対策に取り組むこととし、平成20 年度中にも、一部の区間で浚渫による浄化対策に着手されるものと聞いております。

最後に、水質の汚濁状況についてですが、資料3枚目のペーパーをめくっていただきまして、裏面をご覧ください。

 こちらは、平成19 年度の大阪市内の水質調査地点と河川のBOD 及び海域のCOD の汚濁状況を示しております。先ほどのダイオキシン類の調査結果と同様、大阪市の地図に水質の調査地点とBOD,COD の測定結果を示しています。
 円の横に数字がございますが、上段が年平均値、下段が環境基準の評価を行うための75%値であります。円の大きさが、地点により異なっておりますが、大きさは年平均値の数値に比例しておりまして、円内にメッシュがあるところは、環境基準を超過していることを示しています。

 平成19 年度の調査結果では、寝屋川の今津橋、古川の徳栄橋、平野川の安泰橋等寝屋川水系の6地点で環境基準を超過しております。
 最後の資料の4枚目でございますが、河川BOD 及び海域COD の環境基準の評価を行うための75%値につきまして、平成15 年度から19年度までの経年変化を示しております。表中の1から38 番までが河川域でありBOD の測定値を示しています。39 から50 番までが海域ということでCOD の測定値となっています。

 神崎川、大和川におきましても、環境基準の不適合はみられますけでれども、改善傾向にあることがうかがわれます。これに対しまして、寝屋川、平野川等の寝屋川水域の各地点では、引き続き、環境基準不適合の状況が続いていることがうかがわれます。

 寝屋川、平野川等の河川の水質につきましては、上流域の影響を受けやすいことから、流域の自治体や河川管理者等との連携した取組が重要であると考えまして、生活排水対策や底質対策等につきまして、大阪府や寝屋川流域の市等で構成いたします「寝屋川流域協議会」等の関係機関と連携を図っていく所存であります。
以上で、ご説明を終わらせていただきます。

村岡委員長
 ただいまのご説明に関しまして、何かご質問やご意見等はありますでしょうか?

福永委員
 全体の評価として、特に、この数字をどうみるかということですが、底質においては変動幅が大きく、サンプリングのばらつきが考えられるのですが、サンプルのばらつきの範囲内で、特に例年と異なるような異常な値は見られなかったと評価していいでしょうか?

事務局(環境局前田課長代理)
 先生のおっしゃるとおり、例年の変動の範囲内で収まっているものと考えております。地点によりましては、環境基準近傍のところもありますので、環境基準を超えたり、下回ったりということもございますが、概ね、例年の変動の範囲内で、データが推移しているものと考えております。

村岡委員長
他に、何かありますでしょうか?

藤川委員
 底質ダイオキシンと水質ダイオキシンの濃度を比較していたのですが、16、18、20 番の3地点ですが、底質の濃度と水質の濃度の比率が著しく他の地点と異なりまして、底質濃度が低いにもかかわらず、水質中の濃度が高く出ていますが、これは何か理由があるのでしょうか?
 もしかすると、水質と底質の採取ポイントが異なっているのでしょうか?

事務局(環境局黒木課長代理)
 サンプリング地点において、底質が実際に採れない地点については、場所を移動して採取している関係がございます。16 番の本町橋でございますが、底質は平野橋で、20 番の小松橋では、底質は江口橋でサンプリングしております。
 ということで、水質とは調査地点が異なっております。

藤川委員
 18 番については、どうでしょうか?

事務局(環境局黒木課長代理)
 18 番につきましては、水質も底質も今津橋でサンプリングしております。

藤川委員
 普通、底質の場合は、ダイオキシンを濃縮すると思うのですが、通常の河川の状況であれば、底質からの微量の脱着か巻き上げで水質に反映されると思いますので、例えば他の地点は、底質と水質の比率ですが、水が1なら底質が200 くらいになっていますが、この3地点中2地点は同じ場所で採られているのに、水質濃度と底質濃度の状況が異なるということは、どこか異なるところに汚染源があるのか又は底質の採取状況に問題があるのか、又は分析上、何かがあるのかなと思います。
 これについては、安全がどうこうというよりは、やはり、そういう傾向があるのであれば把握しておかれた方が、今後の対策のためにもいいのではないかと思います。

村岡委員長
 今の問題は、要するに同じ地点における水質と底質の濃度の関係で、それが関連する現象として起こっているのか或いは、そうではないのかということですよね。
 水の場合は、おそらく一過性で流れていってしまうと思いますので、必ずしも、そこの底質が溶出してきて、ダイオキシンの水質が悪くなるということは、ちょっと考えにくいケースもあると思います。
 しかしながら、これだけ地点で差があるということは、何か他に原因があるのではないかということだと思うので、その点に注目されておく必要があるのではないかと思われます。
 もう1つは、何年も汚染が長引いている地点があるわけですが、そうしますと、こういったことについては、当然、その汚染源がどこかという汚染源の特定についても、これまで調査されてきたはずだと思いますが、…
 その汚染源を特定する作業の結果としては、原因不明ということですか?

事務局(環境局大石課長)
 大阪市としましては、原因不明と考えております。

村岡委員長
 水質についてもですか?

事務局(環境局大石課長)
 そうです。

村岡委員長
 BODについてもですか?

事務局(環境局大石課長)
 BODにつきましては、本日、大阪府さんも来られているわけですが、大阪府さんと連携協力しながら、いろいろ調査もしておりますし、また、対策についても、上流域の自治体の方にも、ご要望させていただいております。
 市内河川は、長期的には改善傾向にあると思っておりますが、まだ、6箇所ほど寝屋川流域で環境基準を超えているところがございますので、今後とも、連携を密にしながら、対策に努めてまいりたいと考えております。

村岡委員長
 水質の方は、流れていってしまいますのでともかく、底質の問題が長引いているということは、そこの底質を除去する以外に、対策はないと断言していいのですか?

事務局(環境局大石課長)
 私どもとしましては、特に寝屋川のところで、水質なり底質が市域内で環境基準を超えているということで、先ほど前田の方から説明しましたように、大阪府さんと連携しながら追跡調査を実施してきて、結果として、ご案内のとおり門真の第8水路で、高濃度のダイオキシン類を含む底質が溜まっていることがわかってまいりました。
 それで、門真第八水路につきましては、門真市の方で、今年度、詳細調査をやられて、対策をどうしていくかを決められるというふうに聞いております。
 古川本川の方では、大阪府河川室さんの方で、今年度、一部浚渫されると聞いております。
 我々としては、その結果を期待しているところですが、今後ともモニタリング等を適宜行いまして、対策の効果を把握してまいりたいと考えております。

村岡委員長
他にございませんか?

福永委員
 藤川先生の意見に対する私なりの考えなのですが、16、17、18 番の数値が低いのは、川でwet な底質が採れずに砂質的な底質が採れた場合は、数値としては小さなものとなるのではないか?だから、サンプリング場所の橋のたもとに泥がたまらず、砂混じりのサンプリングでは、このような結果になるのではないかと私は思っております。

村岡委員長
 ただいまの福永先生の意見につきまして、何かございますか?他にご意見がないようですので、市の方でも、これらの貴重なご意見を参考にして、今後の検討の中に採り入れていただきたいと思います。

それでは、次の議題に移ります。
 次も報告事項ですが、「大阪港湾区域(木津川運河等)における底質浄化対策」について、ご説明をお願いします。

事務局(港湾局有門課長代理)
 資料2を用いまして、大阪港湾区域におけます底質浄化対策及び港区尻無川堤防工事におけます環境対策につきまして、ご説明させていただきます。

事務局(港湾局有門課長代理)
 資料2の表紙をめくっていただきますと地図がございますが、今回説明させていただきます右下の方の赤い丸印2つが、平成18 年度から行っております大阪港湾区域の底質ダイオキシン類浄化対策の工事箇所でございます。その右上の方に青い丸印がありますが、これが19 年度から20 年度にかけて対策を行いました尻無川の工事箇所でございます。
 図面をめくっていただきますと、1頁から12 頁までが、大阪港湾区域における底質ダイオキシン類浄化対策に伴う環境対策についてということで、平成18 年度から行っているものでございます。
 また、この対策は、平成18 年3月に策定いたしました「大阪港湾区域におけます底質ダイオキシン類浄化対策方針」に基づいて実施しておりますもので、対策方針自体を参考資料として10 頁から12 頁に添付しております。
 平成18 年度の浄化対策の概要ですが、実施場所は、木津川運河の一部区域及び大正内港の一部区域です。

 対策土量は、それぞれ100m3、50m3 となっております。   ????
 対象としました底質は、1000pg-TEQ/g から3000pg-TEQ/g の範囲で、いわゆる中濃度レベルでございます。浚渫除去しました底質を近傍の管理型処分地であります夢洲1区まで運搬しまして、そこで袋詰脱水処理を行いまして、同じく夢洲1区に処分したというものです。
 環境対策でございますが、大阪府・市の河川及び港湾の底質ダイオキシン類対策検討委員会の「河川・港湾工事に係る環境対策マニュアル(案)」等に準拠いたしまして、次の3項目の対策を行っております。

1.浚渫場所における防止枠及び防止膜による汚濁防止対策

2.工事施工へのフィードバック等を実施するため、浚渫場所周辺における事前調査及び日常的な水質環境監視の実施

3.浚渫土砂処分地であります夢洲における水質環境調査の実施でございます。浚渫場所に関わります水質環境監視調査でございますが、調査地点としましては、工事箇所の上流側、下流側それぞれに放流箇所に近い順に補助監視点、基準監視点を、一番遠いところにバックグランド点を設置してございます。

 調査地点は、次頁の図2に示すとおりです。それぞれの調査地点を設定し、浚渫工事の実施にあたりましては、水質環境監視調査を実施いたしました。
 調査内容は、4頁の表2に示すとおりでありまして、日々の工事の監視に用います濁度は、基本監視点におきまして、深度方向に水深50cm から1m間隔の各層で測定いたしました。最下層は底面から1mの深さのところでございます。ダイオキシン類や生活環境項目などの採水測定は、それぞれの基本監視点で水深約2割程度の深さで行いました。
 また、バックグランド点の濁りの測定も、同じく水深の2割程度の深さで行いました。

事務局(港湾局有門課長代理)
 工事前に、現地で実施いたしました事前調査結果を基に、濁度等の日々の工事の環境監視基準を設定いたしました。その内容が、4頁にございます表2に示すとおりでございます。
 濁度等の環境監視基準の設定は、事前調査データが少なかったこと等、精度的なことを勘案いたしまして、事前の水質調査結果のダイオキシン類濃度と濁度の平均値を利用いたしまして、比例的に監視基準を設定したということでございます。
 工事中の水質環境監視調査結果につきましては、5頁の表3のとおりでございます。表3-1 は、木津川運河の濁度の監視結果で週平均値を記載しております。
 次の頁の表3-2 が、大正内港の濁度の監視結果で、同じく週平均値を記載しております。その下の表3-3 がダイオキシン類等の採水分析結果です。採水は、水深の約2割程度の深さで行っております。

 結果といたしましては、異常なにごりや油膜の発生もなく、全ての地点で、水質環境監視基準(週平均値)において適合している状況でございました。ただ、濁度につきましては、補助監視点で超過した地点もございますが、同時期の基準監視点では適合しておりますので、問題はないものと考えております。

 資料の7頁でございます。浚渫した底質は、夢洲1区で袋詰脱水した後、夢洲1区の管理型処分場において処分いたしました。処分先の夢洲及びその周辺の水質環境調査を行っておりますが、脱水した排出水については水質調査を実施し、ダイオキシン類に係る排水監視基準に適合していることを確認したうえで、夢洲1区のとなりにあります夢洲3区へ放流いたしました。
 写真等につきましては、12頁以降に掲載しております。夢洲3区への放流水の調査結果につきま
しては、表4のとおり基準に適合しております。
 この排出水は、夢洲3区からその南側にございます2区を経由いたしまして、2区の余水吐から海域に放流してございます。その際の水質調査結果は、7頁の表5のとおり排水基準に適合している状況でございます。

 以上が、平成18 年度に行いました内容でございまして、平成19年度は夢洲1区側における作業を行ってございまして、平成20 年度は、現在、浄化対策工事を実施しておりまして、同様の環境対策を行っているところでございます。実際の実施場所は2箇所ありまして、18 年度と同様に、木津川運河に引き続き大正内港においても実施しておりますが、大正内港につきましては、18 年度の地点とは異なる場所で行っております。
 対象としておりますダイオキシン類の濃度は、150〜1000 pg-TEQ/gといういわゆる低濃度及び1000〜3000pg-TEQ/g までのいわゆる中濃度を対象としております。
 以上が、大阪港湾区域における底質浄化対策の実施結果でございます。

事務局(港湾局有門課長代理)
 資料の13 頁でございますが、尻無川右岸の堤防工事における環境対策について説明させていただきます。この工事は、堤防におけます耐震補強工事を行っているものですが、本工事区域内に、ダイオキシン類及びPCB の環境基準を超過した底質が確認されましたことから、工事に際しての環境対策を行ったものです。
 平成19 年度から20 年度にかけて実施いたしました。次の頁ですが、対策土量としましては、約1700m3 でございます。ダイオキシン類の濃度は、160〜970pg-TEQ/g ということで、いわゆる低濃度といわれるものです。

 PCB につきましては17〜37mg/kg ということでございます。対策方法といたしましては、底質を現地でセメントを加えることに
より固化処理を行い、原位置で矢板内に封じ込めを行うというものでございます。

 環境対策につきましては、先ほど説明いたしました水質の浄化対策のものとほぼ同様でございます。調査内容につきましては、15 頁の表1のとおりでございます。
 また、水質環境監視調査地点等につきましても、16 頁にございます図2のとおりでございます。
現地で事前に行いました環境調査結果を用いまして、濁度とダイオキシン類濃度との相関から17 頁の表2に示しております濁度等の水質環境監視基準を設定してございます。相関図を下につけているところです。
 工事中の水質環境監視結果につきましては、18 頁の表3に示すとおりでございます。表3-1 は、濁度の監視結果でございます。本文にも記載させていただいておりますが、5月から6月の梅雨の時期には河川上流からの濁水の流入による影響から濃度が高くなる傾向が見られ、一部の個別測定値が超過いたしましたが、週平均値を超過することはありませんでした。
 また、採水分析結果といたしましては、SS が1回基準値を超過してございますが、工事施工箇所からみて、流れの上流側でございまして、下流側におきましては基準値以下でございましたので、工事以外の影響によるものと考えてございます。また、DO につきましても、1回基準値を下回っておりますが、一般的に夏場に低くなる傾向がございますので、一時的に数値が低下したのではないかと考えております。
 同日において、工事施行箇所の上流側、下流側ともに基準値を下回っていることから、工事の影響ではないものと考えております。
 また、表3-2 は採水分析結果を示しておりまして、採水箇所は水深の約2割程度の深さで行っております。20 頁ですが、この工事の場合、原位置で底質にセメントを加えて固化処理を行うということでございますので、この固化処理効果の確認というものを実施しております。事前に配合試験を行いました。
 その結果が表4でございます。この結果を基に、固化剤でありますセメントをどれだけ加えるかという混入量を決定いたしました。

事務局(港湾局有門課長代理)
 また、実際に、現地で固化処理を行いました底質につきましても、溶出試験を行っております。その結果が表5及び表6でございます。
 表5は、六価クロムについて、表4の結果を受け、決めました添加量を底質に加えまして、大丈夫かどうかをみるために行ったものであります。実際の現地における固化物の溶出試験結果は、表5及び表6のとおり基準値以下の内容となってございます。
 合わせまして、当委員会の前身でございます委員会におけるご指摘を踏まえまして、溶出試験につきましては、水銀、六価クロムについても行っているところでございます。
 表7につきましては、事後の水質調査の概要を記載しておりますが、工事完了が1月ということもございまして、採水は2月に実施しておりますので、現在、分析中でございます。3月中旬には結果が判明するものと思われます。
 最後に、尻無川右岸の堤防工事に関する写真を最後の頁に掲載しております。以上が、港湾局からの報告でございます。

村岡委員長
 先ほど同様に、何かご質問等はありませんでしょうか?

村岡委員長
 17 頁の相関図ですが、いつ頃、どの場所のデータでしょうか?

事務局(港湾局有門課長代理)
 実際の対策工事は、春から行っているわけですが、事前調査につきましては、前の年の秋(9月〜10 月頃)のデータでございます。

村岡委員長
 現実に、濁度との相関において、監視するということも必要になってくるでしょうから、相関をとるものについては、今後もデータを蓄積される方がいいのでは…と思います。
 他に何かございませんか?よろしいでしょうか?ありがとうございました。それでは、この件についても、ご理解いただいたということで、次の3つめですが、大阪市管理河川(道頓堀川)における底質浄化対策について、ご説明いただきたいと思います。

事務局(建設局三村課長代理)
 資料3の大阪市管理河川(道頓堀川)における底質浄化対策についてでございますが、工事名としましては、「道頓堀川水辺整備その他工事(湊町右岸工区)」に関わります浄化対策ということでございます。本件につきましては、本会議の前回に開かれました平成19 年9月に、ご報告させていただいた状況を審議していただいたという工事でございます。

 1頁は、工事概要ですが、道頓堀川の水辺整備ということで、ミナミを東西に流れます道頓堀川に遊歩道を設置していくという事業でございます。1-1 の構造ですが、位置的には下の図にありますように四ツ橋筋のすぐ西側の北沿いです。住所でいいますと、西区南堀江というところでございます。
 延長としましては約130mほどあり、遊歩道を建設するのですが、河川の中に新しい護岸を作って、河川の中を埋め立てる形式となっております。
 遊歩道の幅は、大体9〜13mとなっておりまして、河川内に鋼矢板又は鋼管矢板を打設してまいります。
今回の対象となります土量は、約4000m3 となっております。これにつきましては、ヘドロ層を除去した後に、底質の入れ替えを行っていきます。

 下に、図-1 として地図が出ております。1頁めくっていただきまして、2頁でございます。若干小さくて見づらくて申し訳ありませんが、左側が施行する前の現況図でございまして、護岸即ち大きなコンクリートの壁でございますが、その前に鋼矢板の護岸があります。右側の方は計画となっておりますが、大きな護岸であるコンクリート上部を撤去いたしまして、川の中に鋼矢板
を立てますが、幅は狭いところでは9mから13mほどございます。
 次の3頁のところには、非常に見づらいですが、平面図が載っておりますが、図のように矢板、鋼矢板を打っている状況でございます。

 次の4頁に出ておりますのが、前回の平成19 年9月のときに、ご報告させていただきましたこの工事現場における底質の状況でございます。

?の概略調査ということで、含有量と溶出量それぞれ2地点で測定した結果を示しております。含有量につきましては、220、230pg-TEQ/gということで環境基準を超えています。また、溶出量につきましても、いわゆる海洋汚染防止法の基準をオーバーしております。この概略調査といいますのは、工事現場内の概ね真ん中に位置する2地点を選んで、その表層の土をとりましたが、次の?の詳細調査では、平面的に8地点を選びまして、それぞれについて鉛直方向についても、ヘドロ層50cm おきに砂層のところまで、溶出及び含有量について、再度詳細に調査いたしました。

 その結果でございますが、ダイオキシン類の含有につきましては、概略調査とさほど変わらない数字であり、最高で470 という数字が出ております。

事務局(建設局三村課長代理)
 それから、ダイオキシン類の溶出ですが、概略調査の時には、44や21 pg-TEQ/L でございましたが、全て10 未満となっている状況でございます。
 その他に、一部の箇所では溶出ですが、総水銀や鉛について、若干基準を超えるものが出ております。6頁ですが、図が小さくて恐縮ですが、真ん中に赤い点が2つございます。これは、一番最初に行いました概略調査の地点でございます。
それから、黒い点が8地点ありますが、これが概略調査の土を採った箇所でございます。

 我々といたしましては、概略調査の時に出てまいりました溶出量が、通常時の数値よりも若干大きいということもございまして、前回の会議の時に、おはかりさせていただきましたが、一番最初の概略調査の地図周辺の4スミを囲むように、再度調査をしたということで、7頁に平面的な位置が出ております。
 概略調査の赤い点のまわり4スミを、再度調査させていただくということと、念のために、その他に3点の合計11 地点、検体数としては16 検体となると思いますが、鉛直方向にも調査させていただきました。その結果が8頁にございます。

 8頁には、ダイオキシンの含有あるいは溶出について記載しておりますが、含有量といたしましては、前回または前々回に調査いたしましたような数値でございまして、今回の場合には最高で330 pg-TEQ/gというような数字が出ております。溶出量につきましては、海洋汚染防止法基準、これは埋立が可能かどうかの基準ですが、10 未満の数字ばかりでございまして、最高で6.5 というような数字となっております。

 これによりまして、北港に埋立処分する土は約2,800m3、溶出量を再チェックした形で、鉛、水銀というものが混ざっているということで、海洋投棄できないという土量はセメント原料として、セメント工場に運搬しましたのが、1,200m3 というような形で確定させていただきました。
 9頁でございますが、工事中の環境監視ということで、前回の会議の時に、事前の水質調査の結果を報告させていただいております。10頁には水質環境基準ということで、その下側に出てまいりますが、pH,BOD,SS,DO、濁度が記載されております。この中で、濁度でございますが、濁度の週平均値は10.0 度、個別測定値は22.3 度で、事前の水質調査結果から設定されております。週平均値の10.0 度でございますが、事前の水質調査結果の段階でダイオキシン類の水質が3.6pg-TEQ/L ということでございまして、この10.0 度という数値につきましては、事前の水質調査結果に関して、現状より悪化させないという形の監視基準としております。

 11 頁については、監視状況の結果を掲載しております。11 頁は、濁度の測定結果でございます。これは、週平均値の数字
を載せさせていただいておりまして、その下に個々の数字の最大・最小値を記載しております。

事務局(建設局三村課長代理)
 個々の数値及び週平均値につきましても、環境監視基準値を上回るところはございませんでした。pH,BOD,SS,DO等の生活環境項目の測定でございますが、DO とBOD につきましては、一部の期間で監視基準を上回るあるいは下回るようなところが出てまいりまして、その期間につきましては、DO の場合は、矢板の打設や鋼管矢板の打設という時期でありまして、若干、矢板の打設速度を遅らせるというかゆっくりさせるというようなことで対応しました。
 BOD の場合は、埋め立ての時、土を締切内に入れる時の状況でございますが、この時につきましても、若干、土砂の掘削あるいは投入に係るスピードを落とさせていただいたということでございます。
 今回の工事につきましては、以上のような結果となっています。


村岡委員長
 ご質問やご意見がありましたら、お願いします。

上野委員
 ダイオキシン類の溶出量ですが、2回目の測定時点でも、若干、まだ数値が高いような気がするのですが、浚渫土中の特徴としては何かあるのでしょうか?あるいは溶出液が、若干濁っているとかはあるのでしょうか?

オブザーバ
(大阪市立環境科学研究所先山主任)
 私は、本データを事前に見せていただきましたので、その印象からご説明させていただきます。先生がおっしゃるように、底質の2回目の測定データにつきましても、若干高いかなという気がしますが、まず、1回目の方が非常に高いということで、溶出量が多くなるような状況にあった泥なのかどうかということをみる指標がないかというご相談で、事前に見せていただきました。
 しかし、その時点では、そのことを判断するようなデータの採取がなされていないということで、すでに、この時の泥が存在しない段階では、その判断はできませんでした。
 2回目のデータにつきましては、平均の粒子径などは若干、データとしてとられていましたので、それを見せていただきまた。そうすると、この底質は、ダイオキシンも高いですけれども、かなりヘドロ化しているということで、平均粒子径が0.05mm を下回るようなものもたくさんありまして、非常に微粒子の底質が多いという状況がうかがえると思います。
 ですから、ろ過操作等のバラツキというものが、結構、大きく効いてくるのではないかという判断を私はいたしました。

村岡委員長
 このろ過操作というのは、現在のところ、どのような基準でやっておられるのですか?

オブザーバ
(大阪市立環境科学研究所先山主任)
 ろ過操作につきましては、海洋汚染防止法で、ご存知のように孔径という表現がなされているわけですが、前回の委員会でも若干、説明させていただいたのですが、私が調べたところによりますと、市販品ではガラス繊維ろ紙で、仕様上、そのような表現がなされているものは存在しません。
 現実には、様々なメーカーにより表現方法が異なるということで、その孔径に値するそれぞれの表現が、どの程度かとい
うことは、メーカーによってばらついております。
 それを使用するときに、孔径と置き換えて読むのか、それよりも孔径の方が小さいということで、1μmよりも小さなものを使用するかということで、かなりろ過操作にバラツキが出る可能性があります。
 しかし、公式には孔径という表現がされておりますので、孔径をどのように分析する側が解釈するかということで、結果に大きな違いが出ているのではないかと思います。具体的には、孔径と同じような意味で使われているメーカーさんのものでしたら、粒子保持能という表現があり、ろ過の初期段階でその粒子径以上のものが98%以上止められるという表現をされているところもあります。
 もう一方では、保留粒子径ということで、「1μmのものを止めようとしますと、さらにその半分くらいの0.4〜0.6μmのものを使わないとダメですよ。」ということがカタログ上では示されていますので、その辺、混同して使用している可能性があるのかなと思います。
 ですので、どのようなものを使うかということは、いずれ公式の委員会の場で承認を得て、標準的な操作の仕方というのを用いないと、なかなか説明がつかないデータが出てくる可能性があると考えられます。

村岡委員長
 何か関連して、ご意見ありませんでしょうか?

福永委員
 後で、この件に関して、お願いしようかなと思っていたのですが、前回の委員会でも、かなり問題になって、結局ばらついたデータが出てきて、議論に困るというようなことが多いと思うのですけれども、環境科学研究所さんの方で、大阪府さんとも調整していただきながら、誰が行っても同じ答えが出るというふうなフロー、いわば、今法令的には定められているんですけれども、必ずしも十分ではないので、人によって異なった答えが出るということですから、この委員会にデータとして出すという時には必ずこの方法で行えば、間違いない安定した数値が出るというフローを考えていただければ、この委員会としてはありがたいのではないかと思いますので、お願いしたいと思います。

事務局(環境局大石課長)
 福永先生のご指摘の点ですが、先般、環境省の方から底質の調査方法に関わりまして、アンケート調査がまいりました。その時に、私どもの回答の中に、分析に用いるろ紙の規格をはっきりと明記してほしいということをお返ししております。いずれにいたしましても、前回以降、村岡先生にもご指摘をいただきながら、府市で、きちんと統一的な取り扱いを決めるようにというご指摘もありましたので、今後、大阪府の底質委員会の事務局とも調整をしながら、また、本市環境科学研究所、大阪府環境農林水産総合研究所とも、ご相談しながら、統一的な取り扱いができるかどうかも含めまして検討を進めてまいりたいと考えております。

村岡委員長
 その点につきましては、ぜひスタンダードな測定値をもとに議論ができるように進めてほしいと思います。

藤川委員
 濁度とダイオキシンの関係を0.1pg-TEQ/L だというのが、先ほどの回帰分析の結果ですけれども、今回の方では、濁度との関係を3.6pg-TEQ/L というふうにおっしゃっていただいたのですが、濁度1が0.1 なのか0.36 なのかというので、そういうデータは蓄積していただくのは、妥当だと思うのですが、ただ、この時の濁度10 で3.6pg-TEQ/L とおっしゃった時のろ過方法は、どのようなものだったのかを教えていただきたいのが第1点です。

 もう1つは、ダイオキシン類については溶出量と含有量を両方測ると思いますが、普通、ダイオキシン類は溶出量は低いでしょうから、例えば、この溶出量と含有量の比が含有量5に対して溶出量が1というデータが出た時点で、直ちに環境科学研究所さんから、現場の方にご相談いただくなり、再分析に回すなりの対応をしていただくと早いと思うのです。
 だから、そういうことを現場で徹底していただいたらどうかなというのが第2点です。
 不自然なデータが出れば、すぐに追加のサンプリングはもちろんですけれども、再分析ということも考えられると思います。

事務局(建設局三村課長代理)
 事前の水質調査を行った時には、2回目の詳細調査と同じ方法で行っております。一番最初の概略調査あるいは次の詳細調査、それから事前の水質調査という段階を経まして、事前の水質調査と詳細調査はほぼ同じような時期になっておりますが、一番最初の概略調査と次の詳細調査と次の詳細調査あるいは事前水質調査とは若干、違うような形であると聞いております。
 私どもは、工事を発注してから、水質調査あるいは底質調査を行っておりますので、これからはちょっと考え直さなくてはいけないのですが、当時の工事期間中にそういうふうな状況が出てまいりますので、結果が出るまで少なくとも1カ月、2カ月ほどかかりますので、若干、その辺のところが、我々としては考え直さなくてはならないところではあると思います。

事務局(環境局大石課長)
 2点目のご指摘でございますが、我々といたしましては、これからもデータの蓄積につきましては、統一的に、今後も進めていきたいと考えております。
 また、検討会の事務局を、大阪市的にも港湾局、環境局、建設局、オブザーバとして環境科学研究所さんにも入っていただいておりますので、うまく機能させていきながら連絡体制をとっていきたいと考えております。

村岡委員長
 今の問題は、すぐに解決できるものとは思えないですし、その時、その時に判断しないといけない大変難しい問題ですが、是非ともいい値が出るように、「正しい値が出て、正しい判断ができるように」努力をしてくださいということですから、その辺のところをよろしくお願いいたします。

 他にございますか?
 それでは、ご意見がないようでございますので、本日の議題である3つの報告について、委員の先生方、いろいろご指摘いただきましたので、これで全て終わったというわけではありませんが、ともかく、この報告の中身について、十分確認できたということにさせていただきます。
 合わせまして、これに基づいて、また、作業が進められると思いますので、ぜひ、それが円滑に、いい効果が上げられますようにお願いしたいと思います。
 それでは、以上をもちまして、議事を終わりたいと思います。後、進行を事務局にお願いします。


大阪市底質対策等技術検討会
http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000019399.html



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Posted by 大阪水・土壌研究会員 at 12:00│Comments(0)底質汚染分科会
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平成21 年2月20 日大阪市底質対策等技術検討会
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