2009年11月23日
小鳥が丘団地救済協議会のブログ転載
小鳥が丘団地救済協議会のブログ

ATCグリーンエコプラザで講演した桃花台や小鳥が丘の住民達

大阪市大の畑明郎先生と環境カウンセラーの藤原きよみさん
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2009年10月23日(金)
小鳥が丘住宅団地土壌汚染第13回裁判
2009年10月20日(火)16時から岡山地方裁判所353号法廷で第13回口頭弁論準備手続きが行われました。
今回は原告住民3名の陳述書を裁判所に提出しました。
前回ブログ掲載以降の裁判経過ですが、
住民訴訟第一次(3世帯)は環境総合研究所に現地地質調査分析を依頼し2009年6月13日に職員を現地に派遣してもらい住民による調査サンプル採取を行いました。
(モニター井戸水質3か所、原告敷地駐車場土壌1か所、沼川護岸擁護壁付着物1か所、合計5か所)
7月9日に調査分析報告書が送られてきましたが、護岸の付着物もはっきりと油分が検出されていました。いずれも汚染の程度は著しいものとなっていましたので早速、調査報告書は証拠として裁判所に提出しました。
裁判長は冒頭、住民訴訟第二次(18世帯)は、現在、(不動産)鑑定準備中ですと述べた後、
(裁判長)
こちら(住民訴訟第一次3世帯)は、今までの準備資料で結審に向かっていいですね。
瑕疵担保責任・不法行為で争うのですね。
当該物件は原告3名共、被告から取得したものですか?
第二次(18世帯)には時効の問題がある人がいますが、こちらは時効の問題はありませんね。
(原告代理人河田弁護士)
先日提出した各原告の陳述書で全てです。
原告2名は土地建物すべて新築物件として被告から取得したものですが、原告1名だけは、被告の仲介で、中古物件として取得していますので瑕疵担保責任ではなく不法行為で争います。
時効の問題は原告3名共ありません。
(裁判長)
では次回は原告本人尋問を、一人30分程度行い、被告反対尋問を予定します。
午前中では時間が足らないことがあるので午後の時間帯に行います。
以上のような質疑応答があり、日程調整の結果、次回は12月8日(火)13時30分〜16時30分に決まりました。
住民訴訟第二次(18世帯)は、前回原告住民が土壌改良の為の土壌調査を求めて学者の土壌調査方法等の資料を提出しましたが、調査費用の見積もりが高額になり(約7千万円)とても負担しきれない事が判明したので、調査範囲を絞り込むなどして再度調査方法を検討し費用7百万円を見積もり、原告住民と被告両備ホールディングスで折半負担を提案しました。
裁判所も被告両備に鑑定費用を半分持てという勧告を出しましたが両備側は固辞したようです。
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後5年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス?の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯も続いて提訴し係争中です。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
http://www.geocities.jp/kotorigaoka/
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2009年4月15日(水)
環境委員会で小鳥が丘土壌汚染問題!
参議院環境委員会2009年4月14日で「岡山市小鳥が丘団地土壌汚染問題」が取り上げられました。
「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」に関する参考人の意見聴取で、川田龍平議員の質問に参考人の畑 明朗氏(大阪市立大学大学院特任教授、日本環境学会会長)が答えました。
映像は参議院ホームページ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php
「カレンダー」から「2009年4月14日」を選び
「環境委員会」を選び
「動画形式」から再生し
(02:35:10)時間中
(02:26:10)から(02:29:33)の部分です。
質問要旨は、川田龍平議員ホームページ
http://ryuheikawada.seesaa.net/article/117456885.html
2009年4月14日です。
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2008年12月28日(日)
不思議なテレビ放映中止報道ステーション!その1
2007年1月の事、テレビ朝日報道番組「報道ステーション」から取材の申し込みが来ました。
他の環境汚染現場の取材中に「岡山市小鳥が丘団地」土壌汚染の情報を聞いたとのことでした。
承諾すると、ディレクターが下見として視察し2007年2月1日10時頃から翌日2月2日の2日間に渡り住民聞き取り調査・現場撮影・地層掘削段取り等行いました。
正式な取材日程は決まり次第連絡するとのことでした。
数日後、連絡があり、スケジュール表が送られてきて数日にわたり取材が行われました。
住民へのインタビュー、学者による地質調査、20年前の汚染発生時を知る人の聞き取り調査等、学者、ニュースキャスターや最大2組のマイクとカメラマンを動員しての大がかりな取材でした。
土壌汚染改良方法については異なる意見がある住民も、何とかしなくてはという気持ちは同じで、ほとんどの住民が取材に協力しました。
小鳥が丘団地の取材を終え、テレビディレクターはニュース公平性のため次週は宅地造成販売した両備バス?を取材するとのことでした。
しかし2〜3日後、両備バス?を取材しているはずなのに、テレビディレクターから放映を延期すると連絡が入りました。
理由は土壌汚染に対する住民の意見がまとまっていないからだということでしたが納得がいきませんでした。
次回「報道ステーション」から送られてきた取材スケジュール表を掲載します。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20081228
不思議なテレビ放映中止報道ステーション!その2
2007年2月、テレビ朝日報道番組「報道ステーション」取材内容を掲載します。
(報道ステーションディレクターから小鳥が丘団地救済協議会に送られてきたスケジュール表です)
「小鳥が丘団地・地質汚染」撮影スケジュール
2月9日(金曜日)
○○(報道ステーションディレクター氏名)・岡山入り。
12日に重機を入れる△△△△(会社名)の○○氏が岩野宅下見。
13時 岩野氏と取材打ち合わせ。
夕方○○氏(取材を受ける別の住民)と取材打ち合わせ。
2月10日(土曜日)
旭油化元関係者、当時の様子を知る周辺住民に聞き取り取材。
2月11日(日曜日)
夕方、長野智子(ながの・ともこ)キャスター 楡井久先生、 岡山前のり。
17時ごろから、岩野氏宅 ・ ○○氏宅
現在の状況、健康被害などを長野智子キャスターが聞き取り取材。
2月12日(月曜日・祝日)
8時過ぎめど
地表のガス噴出検査。
午後から岩野宅、庭を掘り起こし
NPO「日本地質汚染審査機構」 楡井久(にれい・ひさし)先生の立会いで検査を行います。
長野智子キャスターも立会い。
不思議なテレビ放映中止報道ステーション!その3
前回掲載の、テレビ朝日報道番組「報道ステーション」取材スケジュール表に記載された地質調査で、庭を掘削中、あたりに悪臭が漂い、「クサイ」を通り越して鼻が痛くなる程の刺激臭で、その場に居られなくて逃げ出すほどでした。
汚染調査を行っていた地質学者の楡井教授にインタビューしていたニュースキャスターの長野智子氏は、あまりの悪臭に「マスクを買ってきて!」と、その場にシャガミ込みました。
その場にいた人は誰でも尋常な臭気ではないと認識したはずです。
掘削用敷地の提供、インタビューの応答、情報提供、20年前の汚染発生時の証人取材の道案内等、取材には住民も全面的に協力しました。
それでもテレビ放映中断となったのです。放映の中断はテレビ局の都合としても、地質調査分析の結果報告を要望しましたが、それも断られました。
複数の住民が放映希望の連絡を入れましたが、そのうち連絡が取れなくなりました。テレビ局が多額の費用をかけて取材したものを何故途中で中断したのか、今でも疑念が晴れません。
結
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2008年11月20日(木)
小鳥が丘土壌汚染第9回裁判!その1
2008年11月17(月)13時30分から岡山地方裁判所で第9回口頭弁論準備手続きが行われました。
裁判所は詳細な土壌汚染実態を把握したい意向ですが多額の費用を要する土壌調査を原告住民に求めても非現実的である事は承知しているようです。
裁判長は、午前中に行われた18世帯住民の口頭弁論で原告住民から、土壌改良の為に学者の土壌調査方法等の資料、が提出され、被告両備ホールディングスにも応分の費用負担を求めたが、被告側から拒否されたとの事でした。
住民3世帯の原告代理人弁護士は、「小鳥が丘団地」が土壌汚染である事は今までの資料でも、また裁判所現地検証でも明らかであり、こちらの原告住民は立証提出資料の通り自費で自宅の土壌調査をし、汚染物質が検出されている、住宅地としてその目的を達することのできない欠陥住宅地である、住宅地として問題ないと言うならそれを立証すべきと答弁した。
今回は住民18世帯が求めている土壌調査の推移を待つ事になった。
被告両備ホールディングスは原告立証の原則により被告側は何もする気は無い趣旨の答弁があった。
小鳥が丘土壌汚染第9回裁判!その2
2008年11月17(月)13時30分から行われた第9回裁判に原告側(3世帯住民)が提出した準備書面を掲載します。
平成19年(ワ)第1352号損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
準 備 書 面
平成20年11月17日
岡山地方裁判所 第1民事部 御中
原告代理人弁護士 河 田 英 正
第1,被告の故意、過失について
1,原告等の居住する団地は、被告会社が宅地造成し原告等に販売した(争いのない事実)。
2,本件土地は被告会社が、旭油化工業株式会社から購入したものである(争いのない事実)。
3,本件土地を被告会社が購入して宅地造成することになったのは、当時、旭油化株式会社が既にその工場内に大量の汚泥や産業廃棄物を放置し、周辺に悪臭を漂わせ、河川には死魚が浮かぶなどの公害が発生していて、社会問題になっていたことにある(甲1号証の1,2,甲10号証の1ないし7)。旭油化株式会社は廃油貯蔵タンクの底から直接土中に油分を吸収させるなど無謀な処理をしていて、敷地内はこの油泥で汚染されていた。油泥の一部は、産業不法投棄事件で有名になった豊島にも運ばれるなど不法な処理がなされていた。
4,昭和57年7月27日に岡山簡易裁判所において、隣接する土地を小鳥の森団地として販売していた被告会社と旭油化株式会社はこの悪臭などの公害問題に関し和解を成立させ(甲3号証)、実質的には、この汚泥等の処理費用を全額被告会社が負担して、旭油化工業は本件土地を明け渡し、被告会社がこの土地を取得した。
この時点で被告会社は、旭油化株式会社が、これら汚泥などを自力で撤去することは不可能であることを前提で和解を成立させている。つまり、被告会社が同社の工場等の撤去費用は、被告会社が負担し、旭油化に支払うが、約束が守られなければ損害賠償金として支払った撤去費用以上の金額の損害金を請求できるとしていた。このとき、被告会社は、油泥が土中に浸透し、汚染が工場跡地の土中に拡大していた本件土地の汚染の実態は十分に認識があった。
なお、本件土地から立ち退いた旭油化工業株式会社は別会社を設立し、赤磐郡吉井町草生地区で新たに操業を始めたが、同様の不法な処理を繰り返したため、直ちに悪臭などの公害問題を地域周辺に発生させ、その地区から退去せざるを得なくなっていた(甲7号証)。
(第1,被告の故意、過失について)
5,このような激しい汚染の実態があったにも関わらず、ごく一部の土壌を搬出除去し、表層土に生石灰を混入させて中和凝固させただけの簡便な対策にとどめたままで宅地造成し、原告等に販売した。
この対策が十分でなかったことは、現在生じている汚染の実態からも明白である。土中に浸透していた油泥が拡散し、覆土したはずの表層土にまでその汚染がでてきたため、宅地を掘ればすぐに油分を含んだ黒く変色した土壌が露出してきている(甲15号証)。
当時の汚染の実態からみると、事前に十分な汚染の実態を調査し、この宅地の油泥となって地中に浸透した土壌の成分をしっかりと把握して、その危険な成分を含む土壌を完全に搬出除去すべきであったにも関わらず、簡単に覆土をして一見なんら問題のない住宅地として仮装して販売した。
これらの事実を知らない原告らに汚染の実態についてなんら説明しないまま、四六時中生活し生涯の住居として住み続けなければならない住宅地として販売し、原告等は自然豊かな環境に恵まれた被告会社の販売する優良な住宅地であると誤信して購入した。
被告会社は、十分なる有害物質除去が行われなければ、住宅地としての安全が害されることになる現在の状況は認識すべきであり、被告会社の過失の存在は従前から述べているとおり明らかである。
また、土壌汚染の被害が出ないと軽信していたのであれば、前記のような経過をたどって販売された住宅地なのだから、販売後もその汚染が広がらないように常に監視し、その汚染が顕在化すれば、ただちにその汚染の経緯を原告等購入者に説明し、汚染が拡大しないよう汚染除去などをする義務があるというべきである。
第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態
1,株式会社ニッテクリサーチが平成19年4月に実施した『調査結果報告書(土壌汚染状況調査業務)』(甲4号証の1,2)から少なくとも以下のことが明らかにされている。
?表層土壌ガス調査の結果、全ての調査位置においてベンゼンが検出され、土壌中からベンゼンが揮発している。
?土壌調査の結果、ベンゼン、シアン化合物、鉛、ヒ素などが土壌溶出基準を超えており、土壌がこれらの有害物質で汚染されている。
?土壌調査の結果、土壌含有量基準を満足しているが、鉛、ヒ素、ふっ素、ほう素などの有害物質が検出されている。
?したがって小鳥が丘団地の土壌はベンゼン、シアン化合物、鉛、ヒ素などの有害物質で汚染されていると言える。
(第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態)
2,乙第5〜18号証について
?岡山市役所環境規制課実施の『地下水・土壌分析結果』2004年7月(乙第5・6号証)によれば、○○宅付近の地下水からヒ素が環境基準の15倍、ベンゼンが31倍検出され、土壌からヒ素、ふっ素、ほう素が環境基準以下ながら検出された。
?株式会社三友土質エンジニアリングの『南古都概況調査分析結果』2004年9月(乙第7号証)によれば、3箇所のボーリング調査(深さ1〜5m)でヒ素が土壌溶出基準の1.7〜3.2倍、ベンゼンが0.5〜26倍、トリクロロエチレンが約27倍、シス-1・2-ジクロロエチレンが約6倍検出された。また、油分が1.3〜1.9重量%検出され、油で汚染されている。
?同『南古都表層土壌調査分析結果について』2004年10月(乙第10号証)によれば、ベンゼンが34箇所中8箇所で土壌溶出基準を超え、最高11倍検出された。トリクロロエチレンは1箇所、シス-1・2-ジクロロエチレンは2箇所、ヒ素は5箇所が基準を超え、最高3倍程度だった。
?財団法人岡山県環境保全事業団の『調査結果報告書(南古都団地内ガス調査業務』2004年12月(乙第14号証)によれば、表層土壌ガス調査ですべての地点でベンゼンが検知されたほか、特定の地点でジクロロメタン、シス-1・2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、などが検出され、土壌からベンゼンなどの揮発性物質(VOC)が揮発している。
硫化水素に加えてメタンがすべての地点で比較的高濃度(3.2〜68%)で検出されたことから、地層内では有機物の嫌気制分解が相当程度進行しており、硫化水素の毒性や、メタンが引火・爆発する危険性がある。
環境大気調査では、大気環境基準以下であるが、ベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの揮発性物質が検出されており、環境大気が汚染されている。
?応用地質?の『電気探査結果』2004年12月(乙第15号証)によれば、全体に低比抵抗であり、1%以上の油分によるとしている。とくに、タンク跡は油の漏洩を示している。
?財団法人岡山県環境保全事業団の『調査結果報告書(南古都団地内土壌化学性状調査業務)』2005年3月(乙第18号証)によれば、ヘキサン抽出物質量(油分)が0.1〜10%検出され、含水率や溶解性塩類濃度が高いことが確認されている。つまり、油分、水分、塩分などが多く含まれる汚染土壌の団塊が確認された。
?旭油化は、廃油の処理を貯蔵タンクから直接、工場敷地に投入していた事実があったと原告は主張しているが、電気探査の結果(甲15号証)からもタンク跡は油の漏洩があること、タンク跡にタテ型の低比抵抗ゾーンは上に尖った形状を呈するものがあるなどそのことが推認される結果となっている。
(第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態)
3,甲15号証 平成20年5月30日に行われた現地での検証の様子を記録したものである。本件団地のどこを掘っても、表層土が黒くなっていて、深く掘るに従ってその汚染度が激しくなっていて、異臭が漂うことが確認された。汚染は、本件団地全体に広がっていることが明らかとなっている。
(第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態)
4,被告調査による判断の問題点
?南古都?環境対策委員会の『表層土壌調査(10/4〜6)に対する意見書』(乙第9号証)は、
「地域の一部の表層土壌から検出された物質は、以前敷地内に立地していた旭油化の機械洗浄の溶剤である可能性が高い。」
とするが、機械洗浄の溶剤とする根拠はない。
また、
「一部の検体に基準値を超えるものがあるが、非常に高濃度ということではないこと、かつ34検体中8点と全体に拡散していないこと、土中にあること、周辺の地下水の汚染がないこと等を勘案すれば、日常生活上今すぐ重大な問題になるとは考えにくい。」
とするが、
「基準値を超える汚染土壌が約4分の1に存在すること、団地内の地下水汚染が存在すること、周辺の地下水汚染は充分調査されていないこと、ベンゼン、トリクロロエチレンなどの揮発性物質は、日常的に揮発し、人体に発ガンなどの悪影響があること」
から、将来、健康影響が出る可能性は否定できない。
?南古都?環境対策委員会の『2004年11月2日付の小鳥が丘環境対策委員会に対する回答書』(乙第13号証)は、
「これらの基準は、動物実験や工場での作業労働者が化学物質に暴露されて健康影響が出る値に安全率(通常数十倍や数千倍の単位)値を掛けて策定されているので、基準値を超えたからといってすぐに健康影響(急性中毒症状や発ガン)が出るものでない。・・・住宅の下にある土壌から健康影響が出る可能性は低いと考えられる」
とするが、ベンゼンなどの発ガン物質の環境基準値は、10万人に一人が発ガンすること、そもそも環境基準は急性中毒でなく慢性中毒を起こすレベルとして設定されていること、汚染土壌は住宅の下だけでなく、住宅周辺の庭などに存在し、土ぼこりとして人体に摂取されることなどから、環境基準を超える土壌に接すると長期的に健康に悪影響を与えると考えられる。悪臭のする庭で子供たちが土いじりなどして遊ぶことによる人体への影響は、極めて危険な状態である。
?南古都?環境対策委員会の2004年12月27日付け『意見書』(乙第16号証)は、「汚染源は、汚染原因者である旭油化工業株式会社が設置した(タンク等の)施設から漏洩した汚染物質や、同社が表土を開削して廃棄した汚染物質である可能性が高い。これらの汚染物質が表層土から浸透し、地中に拡散したものと推測される」とし、乙9号証における「機械洗浄の溶剤原因説」を自ら否定する結果となっている。
?南古都?環境対策委員会の2005年3月28日付『意見書』(乙第17号証)は、「現状の生活環境においては異臭による不快感はあるものの、健康への影響が直ちに懸念されるものではない」とするが、「汚染土壌から日常的に揮発するベンゼン、トリクロロエチレンなどの発ガン物質、急性毒性のある硫化水素が発生、引火性や爆発の危険性のあるメタンの高濃度発生」などを考慮すると、異臭による不快感だけでなく、長期的な健康への悪影響が懸念される。
?岡山市環境規制課実施の『古都地区周辺環境調査一覧表』(乙第20号証)は、「井戸の深さが不明であること、地下水脈の調査がされていないこと」などから、地下水汚染調査としては不十分であり、これをもって「周辺の地下水汚染がない」と結論できない。
結
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20081120
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小鳥が丘住宅団地土壌汚染第7回裁判
2008年7月9日(水)15時から岡山地方裁判所353号法廷で第7回口頭弁論準備手続きが行われました。
2008年5月30日に行われた裁判所現地視察で、住民が5箇所の宅地を掘削し、いずれの箇所も油分で汚染された真っ黒い地層と刺激臭のある油系の悪臭が、浅い地層から確認されました。
この事でも明らかなように住宅地としてはその目的を達することのできない欠陥住宅地であるとの準備書面と5月30日現地視察の録画DVDを裁判所に提出しました。
裁判所としては複数の公平な学者の意見を参考にしたいので、その前提として被告両備ホールディングス株式会社が主張し証拠資料とした「意見書」を答申した、両備バス?設立の「南古都?環境対策検討委員会」、の会議録原本を提出することを打診しています。
被告両備ホールディングス株式会社は、会議録は持っていないし提出すべき文書ではないと拒否しています。
そのため裁判所で提出命令ができる文書か検討し8月8日までに決定するとの事。(要件該当文書であれば8月9日に裁判所が文書提出命令を出します)
「南古都?環境対策検討委員会」
住民不在の両備バス?私設委員会
http://www.geocities.jp/kotorigaoka/sisetsuiinkai01.html
もう一件の住民18世帯の裁判と同期進行したいので、次回の第8回口頭弁論準備手続きは2008年9月29日(月)に決まりました。
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裁判所による小鳥が丘団地土壌汚染現場検証
2008年5月30日13時30分から裁判所による「小鳥が丘団地」土壌汚染現場検証が行われました。
裁判官、原告住民および弁護士や学者、被告弁護士が、多くのマスコミや関係者の見守るなか、小鳥が丘団地内を見て回りました。
各家庭の庭や駐車場を住民が削岩機で3箇所、ユンボで2箇所を掘削しましたが、どこの庭や駐車場も少し掘れば真黒い土と頭が痛くなるような刺激臭がありました。
油にまみれた土壌が目詰まりした時のように雨水や地下水の浸透を妨げているようでした。
あと地盤沈下で下がった塀や、油や石灰と思われる液体が滲み出ている擁癖や、玄関前側溝から可燃性ガス(2005年11月に地元消防署が確認)の泡が吹き出している箇所を住民が説明し15時30分頃終了しました。
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川田龍平議員が環境委員会で質問
参議院環境委員会「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」審議で川田龍平議員の質問に「小鳥が丘団地土壌汚染問題」が取り上げられていましたので転載します。
http://ryuheikawada.seesaa.net/article/97567775.html#more
2008年5月22日(木)
テーマ:「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」
0 改正案について・・・・・・・
実際に、全国でこうした類似ケースや土壌汚染による紛争も多発しており、土壌汚染対策法の改正が求められていることは確かです。静岡県沼津市のJR高架化にともなう駅周辺事業の区画整理事業でもJR用地の鉛汚染や愛知県小牧市や千葉県八千代市の都市再生機構開発の住宅開発に伴う重金属土壌汚染、岡山市も小鳥が丘でのトリクロロエチレン汚染など、新聞を見ていても数多くの事件が報道されています。
1 岡山市トリクロロエチレン
岡山市の小鳥が丘団地のケースのような、過去の売買後住宅が建設され20年経過後に水道工事の際に、石鹸会社のトリクロロエチレンの土壌汚染が明らかとなり、訴訟に至っているケースがあります。こうしたケースは現行法での対応と改正法ではどのような対応となるのか?・・・・・・・
映像は参議院ホームページ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php
「カレンダー」から「5月22日」を選び
「環境委員会」を選び
「動画形式」から再生し
(02:45:40)時間中
(02:17:08)から(02:25:51)の部分です。
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小牧市桃花台地盤沈下問題でテレビ報道番組
住宅地土壌汚染・地盤沈下問題の同じ被害者として闘っている愛知県小牧市「桃花台城山地区地盤沈下問題を考える会」からテレビ報道されるとの連絡が入りました。
2008年5月25日、日本テレビ報道番組 【バンキシャ!】で桃花台の地盤沈下問題が取り上げられます。地盤沈下問題が起きている地区の一地域としての放映です。
関心のある方は是非、見てください。
愛知県小牧市桃花台「土壌汚染・地盤沈下問題を考える会」代表は小鳥が丘団地に何度か訪問され、小鳥が丘土壌汚染フォーラムに出席・現地報告もしていただきました。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20071102
2008年5月30日に行われる裁判所の小鳥が丘団地現地検証にも立会いされます。
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小鳥が丘団地汚染問題掲載記事2008年5月その7
岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染は、発覚後4年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス?の考えが平行線のままで裁判に発展しています。住民3世帯が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯も続いて提訴し係争中です。小鳥が丘団地土壌汚染公害問題を扱った記事を転載します。
若井たつこ市会議員、岡山市議会にて2008年3月6日個人質問
小鳥が丘団地の土壌汚染に関して、固定資産税の減免措置について
http://wakai-wakai.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_d733.html
個人質問
小鳥が丘団地の土壌汚染に関して、固定資産税の減免をお願いしましたが「規定がないので国の法整備を待って」とにべもない答弁でした。
愛知県の小牧市では減免措置をとってますし、岡山市税条例50条にも当てはまる言葉があります。開発した民間企業と裁判になり、長期化する様相なのに、困っている市民に冷たいですよね。小牧市の減免は2割、小鳥が丘は34軒しかありません。「東京から終の住家と引っ越したのに…」と肩を落とした初老の女性の姿が目に焼き付いています。
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小鳥が丘団地汚染問題掲載記事2008年5月その1
岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染は、発覚後4年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス?の考えが平行線のままで裁判に発展しています。住民3世帯が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯も続いて提訴し係争中です。小鳥が丘団地土壌汚染公害問題を扱った記事を転載します。
環境新聞2008年3月5日
土壌汚染現場の最前線 1 小鳥が丘からの手紙編?
打開の道見えぬまま3年半 汚染原因者不在のまま 住民と開発業者で民訴
土壌汚染対策法が施行されて五年が経過した状況の中、土対法を始めとした関連制度では改善できないケースや土対法が制定された当初想定されなかった問題が各方面で表面化している。土対法の見直しの検討も進められているが、土壌汚染を巡る現場ではどのようなことが起きているのか。
この連載では土壌汚染を巡る様々な課題を現場の取材などを通じて紹介していく。一回目のシリーズでは、汚染原因者不在のまま住民と宅地開発業者の民事訴訟にまで発展してしまった岡山市の「小鳥が丘団地」土壌汚染問題に焦点を当てる。
(2008/03/05)
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=293
環境新聞2008年3月12日
土壌汚染現場の最前線 2 小鳥が丘からの手紙編?
原因者不在が混乱の要因 急がれる健康被害と汚染の関係解明
関係者間の温度差が生じている「小鳥が丘団地」土壌汚染問題は、汚染原因者不在が混乱の要因となっている。この土壌汚染がどのように発生したのかとともに、現在の現地で具体的にどのような問題が起きているのかを紹介する。
問題の原因そもそもこの土壌汚染は何なのか。「小鳥が丘団地」の住民らが集めた資料写真には、雑然とした衛生的とは言えない状態の土地が撮影されている。同団地造成前に存在した事業場の写真だ。
両備バス(現・両備ホールディングス)が一九八二年に開発する前、一九七四年に廃棄物処理業の許可を取得した事業者が所有し、この場所で廃油などから石鹸やペンキの原料を製造していたという。こうした事実は開発業者の両備バスも把握しているが、「実際にはどのような行為が行われていたかは分からない」と両備ホールディングスグループの両備不動産担当者は話す。
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=298
環境新聞2008年3月19日
土壌汚染現場の最前線 3 小鳥が丘からの手紙編?
健康リスク以外にも波及 現行の制度では解消難しい問題
土壌汚染問題は、汚染地での健康問題とともに地下水などを通じて周辺地域への拡散による健康リスクの問題も抱えるほか、不動産価値など土地に関係する様々な分野にも大きな影響を及ぼす。小鳥が丘団地土壌汚染問題も例外ではなく、現行の制度では解消が難しい様々な問題を抱え、もがいている。
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=303
環境新聞 2008年3月26日
土壌汚染現場の最前線 4 小鳥が丘からの手紙編?
救済に至らない土対法の現状 横たわる費用負担問題 揮発系リスクでも提起
市街地土壌汚染問題の解決に向けた法制度には土壌汚染対策法があるが、小鳥が丘団地土壌汚染問題の救済には今のところ至らず、土対法の課題も浮き彫りにしていると言える。個人の土地所有者を考慮した費用負担のあり方や現在基準が設定されていない揮発系の健康リスクなどが浮かび上がる。(2008/03/26)
環境新聞 2008年4月9日
土壌汚染現場の最前線 5 小鳥が丘からの手紙編?
開発業者の認識がポイント 予見困難と請求却下した判例も
小鳥が丘団地を巡る土壌汚染は住民と両備ホールディングス(HD)の民事訴訟に発展し、今月四日には第五回口頭弁論も行われた。裁判の焦点は責任の所在。それを巡り混迷するこの訴訟は、小鳥が丘団地が開発された一九八二年当時、健康被害にまで影響する可能性がある土壌汚染の概念を開発業者が認識できたかどうかがポイントになりそうだ。(名古屋悟)
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=324
環境新聞 2008年4月16日
土壌汚染現場の最前線 6 小鳥が丘からの手紙編?
リスコミの重要性と難しさ 土地の将来のあり方 当初から考えに相違
住民、両備ホールディングス(両備HD)双方の話を聞くとその考え方や動きでの温度差が色濃く伝わってくる。「小鳥が丘団地」土壌汚染問題は、明確化されていない責任所在のあり方とともに、リスクコミュニケーションの重要性と難しさも浮き彫りにしている。
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2008年2月18日(月)
岡山地裁で土壌汚染の民事裁判始まる!その1
岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染公害問題は、以前産業廃棄物を工場敷地内に投棄していた公害工場跡地を取得した両備バス株式会社が廃棄物を除去せず宅地造成し、住民に説明せずに販売したのが原因です。
公害工場操業時には地面に大量の廃油を長期間垂れ流し工場敷地内は油泥のような土壌となり隣接する川に油膜が張り死んだ魚が浮くようになって深刻な公害を発生させていました。
その有害物質が撤去されず造成され現在も宅地表層に存在し、そのため土地建物の資産価値は無くなるのみならず住民に健康被害が発生しています。両備バスは抜本的な対策を取ろうとせず住民が2007年8月31日に民事提訴した経緯は、“両備バスを岡山地裁に提訴!”(住民たちのブログ2007年11月20日〜)に記載しましたが、その後の経過です。
2007年11月13日に第1回口頭弁論が岡山地方裁判所において始まりました。
10時15分裁判官3名が着座し、原告側は代理人河田英正弁護士が、被告側は代理人菊池捷男弁護士を含む3名が法廷に立ち、私たちを含む30名弱が傍聴しました。
口頭弁論の様子です。
原告代理人は、予め提出した訴状の通りですと述べました。
(住民たちのブログ2007年11月25日〜 “両備バスを岡山地裁に提訴その6!〜”掲載)
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20071125
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訴状
平成19年8月31日
岡山地方裁判所民事部 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 藤原 康 〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 ○○○○ 〒709−0611 岡山市楢原×××
原告 ○○○○
〒700−0816 岡山市富田町二丁目7番8号 石橋第3ビル3階
河田英正法律事務所(送達場所)
上記訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
電話 086−231−
FAX 086−231−
〒704−8112 岡山市西大寺上1丁目1番50号
被告 両備ホールディングス株式会社
被告代表者代表取締役 小嶋光信
損害賠償請求事件
訴訟物の価額 227,898,580円
ちょう用印紙額 704,000円
第1 請求の趣旨
1、被告は、原告○○○○に対して58,897,520円、同○○○○に対して58,759,670円、同○○○○に対して110,241,390円とそれぞれこれに対する平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員を支払え
2、訴訟費用は被告の負担とする
3、仮執行宣言
第2 請求の原因
1、当事者
一 被告会社は、昭和11年5月25日に両備バス株式会社として設立され、平成19年4月1日に両備ホールディングス株式会社と商号変更された資本金4億円の株式会社であり、自動車、船舶による旅客、貨物の運送業、観光事業、不動産の所有・売買・賃貸仲介などを業務としている。
二 原告らは、両備バス株式会社が造成した小鳥が丘団地に住居を有し、居住している者である。
2、小鳥が丘団地造成前
一 本件造成地には、廃油等を利用して石鹸を製造していた旭油化工業株式会社の工場があった。
二 同社は、業績不振のなか、昭和49年11月19日に新たに廃棄物処理業の許可を取り阪神、北九州方面の企業から産業廃棄物としての廃油を集めてその処理を始めた。その頃から、廃油処理工場からは廃油処理の黒煙が不気味に立ち上っていた。地域周辺に悪臭がたちこめ、近くを流れる沼川には油膜が張ったり、死んだ魚が浮き上がってくるなどの現象が見られた。廃油を貯蔵していたタンクが設置されていたが、その装置は単に土壌に廃油を吸い込ませる装置であったようであり、タンクの底は直接土壌に接して廃油が不法に処分されていた。そのタンクの位置は土壌への吸収が悪くなると敷地内で場所が移動されていた。そして、工場敷地内には腐敗した油脂を入れたドラム缶が散乱して放置されていて、その腐敗した油脂が敷地内の土地にこびりつき、恒常的に悪臭を発生させていた。
三 両備バス株式会社は、この旭油化工業株式会社の工場北側に既に団地(小鳥の森団地)を造成し、住民が居住していた。その住民からも旭油化株式会社の産業廃棄物処理業を始めたことによる悪臭などの環境悪化の苦情が造成・販売した両備バス株式会社などに苦情が寄せられるようになった。このころ岡山県や岡山市の公害課が何度も行政指導を繰り返していたが、何ら対策が講じられなかった。
3、両備バス株式会社の本件土地の宅地造成
一 両備バス株式会社は、上記のとおり旭油化株式会社が操業している土地の北側に小鳥の森団地(37000平方メートル)を造成・販売していた。この分譲地を購入して居住している住民から、上記のとおり苦情が寄せられるようになり、両備バス株式会社は旭油化株式会社に対して強く改善方を要求していたが、一向に改善されることはなかった。両備バス株式会社の小鳥の森団地の販売が困難な状況となっていた。
(1)旭油化株式会社は昭和57年10月31日限り操業を停止し、同年12月31日までに本件土地上の全ての建物および地下工作物を撤去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及びアスファルト、土地上の油脂付着物を除去して明け渡す。
(2)両備バス株式会社は、旭油化株式会社に対して建物撤去費用、移転補償などとして6690万円を支払う。
(3)両備バス株式会社は、旭油化株式会社の工場跡地を一坪あたり6万円、その地上建物を400万円で購入する。
四 こうして、旭油化株式会社の工場跡地を取得した両備バス株式会社は、このそのままでは宅地造成地には適さない工場跡地を昭和62、3年ごろから3区画に分けて有害物質に汚染されたままで宅地に造成し、平成元年頃から分譲を始めた。
4、宅地から有害物質検出の経緯
一 平成16年7月に岡山市から上水道の鉛製給水管をポリエチレン管に取り替えたいとの連絡があり、7月29日に取り替え工事がなされた。取り替えのため給水管を掘り起こしたところ、油分を多量に含んだ悪臭を放つ黒い汚泥状のなかに水道管が埋められていることが判明した。
そして化学反応の安定性が高いと言われる鉛管の給水管の一部が腐蝕して穴があいている箇所も発見された。岡山市の調査によればこの時の地下水と土壌から硫酸イオンが検出された。
二 両備バス株式会社は、原告ら住民の不安の訴えに対し、土壌汚染の原因を探るべく、土地履歴の調査、ボーリングによる土壌調査などの申し入れがなされ、調査が実施された。同年9月28日原告らに土壌汚染の実態と原因が知らされた。同社の報告によっても、3地点のボーリング調査の結果は、環境基準値の約27倍のトリクロロエチレン、約26倍のベンゼン、6倍のシスー1,2−ジクロロエチレンが検出された。
また、地下約5メートル付近では金属片やボロ切れなどが発見された。同年12月に実施された電気探査の結果によれば、地盤が不安定で地盤沈下を起こしやすい状況となっていることが判明している。平成19年4月9日、原告岩野方の敷地を、敷地内において検査機関に土壌調査を私的に依頼し実施したところ
(1)表層土壌ガス調査の結果、全ての調査位置においてベンゼンが検出された。
(2)土壌調査の結果、ベンゼン、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が土壌溶出基準を超えていたこと
(3)土壌調査の結果、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が指定基準を超えていたこと等々が明らかとなった。
三 本件団地内においては表層土においてガスが発生して臭気が漂い、土壌の性状が不安定となっていて地盤沈下の畏れがある。その臭気には発ガン性物質であるベンゼンが含まれているなど健康被害が懸念されている。
有害物質を含んだ地盤の安定しない宅地であり、そもそも人が安心して安全に暮らせる団地ではない。地盤からのこのガスの発生で、原告○○方のガス漏れ警報器が作動することもあり、安心して居住できる環境にない。
5、被告会社の責任
一 被告会社は、旭油化株式会社が汚染し続けた土壌はもはや操業をやめさせるしかないほど危険な回復しがたいものであり、そのままでは小鳥の森団地の販売を継続することはできないと認識し、旭油化株式会社の操業中止とその敷地を購入して旭油化を退去させてその問題解決を図った。
そして、その土壌が有害物質で汚染されていることを十分に認識して旭油化株式会社の敷地を買収した。
二 そのような有害で危険な土壌であることを認識しながら宅地として危険物質を残したまま造成し、分譲を続けた。購入者にはこのような危険な土壌であり住宅地として不適なことを秘匿して分譲した。そして、発ガン物質を含むガスが発生して危険な状況になっていても放置したままであった。
三 平成16年7月に、岡山市水道局による水道工事によって、本件団地が有害物質で汚染された危険な造成地であることが表面化しても、直ちに健康に被害をもたらすものではないと抜本的な対策をとろうとしなかった。
6、原告の損害
別紙原告の損害記載のとおり
7、被告会社は、抜本的な無害化工事を実施しなければとうてい造成地としてはならない汚染土壌のある旭油化の工場敷地を、危険な有害物質に汚染された土壌に表層土を盛り土して造成しただけで販売した。さらに、そのように危険な造成地であるから管理を継続し、危険な兆候があれば直ちに対応しなければならないのにこれを怠り、最後までこの事実を隠蔽したまま何らの管理もしないで販売を継続した。
汚染の事実が表面化しても危険はないと断言して、原告らに対して何らの対策をとろうとしなかった。これらその都度の方針は被告会社の方針として取締役会で決定されて実行され、あるいは不作為となったものである。その結果、各原告は6項記載の通りの損害を被った。
提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として「両備ホールディングス株式会社は法廷で全面的に争う」との2007年7月28日付け回答書を受けて岡山地方裁判所へ提訴しました。訴状の続きです。
よって、被告は、不法行為を原因とし(民法44条1項、同709条)、各原告に発生した損害の支払いと原告が被告会社の加害行為による被害であると認識した平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員の支払いを求める。
附属書類
1 訴状副本 1通
2 商業登記現在事項証明書 1通
3 訴訟委任状 3通
<別紙>
原告損害目録
1、原告 ○○○○
宅地購入年月日 平成2年8月30日
居住開始年月日 平成3年5月3日
居住状況
入居当初は、両親、長男の4人で居住していたが、平成9年に長男が県外に就職のため家を出て、平成12年に父が死亡し、平成14年に母が死亡し、以後一人で居住している。
損害額 58,897,520円
内訳
不動産取得費等 28,897,520円
慰謝料 25,000,000円
弁護士費用 5,000,000円
2、原告 ○○○○
宅地購入年月日 平成5年1月30日
居住開始年月日 平成5年3月16日
居住状況
居住当初から現在まで、妻、長男、長女の4人家族で居住している。
損害額 58,759,670円
内訳 不動産取得費等 28,759,670円
慰謝料 25,000,000円
弁護士費用 5,000,000円
慰謝料、その他の損害発生状況は原告○○と同様。平成6年頃から家族がアレルギー性鼻炎にかかるなどの症状がではじめた。原告は庭での作業中に土壌から発生する有害ガスの影響で倒れ、救急車で病院に搬送されたこともある。原因不明のめまい、頭痛に悩まされてきていた。
3、原告 ○○○○
宅地購入年月日 平成2年6月29日
居住開始年月日 平成3年3月末頃
居住状況
広島に居住していたが、環境の良いところで過ごしたいと考え、本件団地を入手して居住を始めた。夫、長男、長女の4人家族であった。居住用とともに本件建物は夫、長女が整骨院を営むためのものでもあった。現在は、夫は平成15年1月に死亡し、長女夫婦が整骨院を営業している。平成11年頃から、娘夫婦らは別に居住するようになっているが、職場は本件住居に変わりはない。業務の性格上、本件土地での業務継続は困難となっている。
損害額 110,241,390円
内訳 不動産取得費等 80,241,390円
慰謝料 20,000,000円
弁護士費用 10,000,000円
慰謝料、その他の損害発生状況は原告○○と同様。長女、孫らは本件住居に居住していた間は、原因不明の頭痛・皮膚炎などに悩まされていた。長女の夫は、原因不明の咳に悩まされている。
<別紙>
事件番号 平成19年(ワ)第 号
損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
証拠説明書
平成19年8月31日
岡山地方裁判所 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田英正
番号 標目(原本写しの別) 作成年月日 作成者 立証趣旨 備考
1の1 新聞記事 写し S57.6.4 山陽新聞社 造成前の本件土地の状況
1の2 同上 写し S57.7.28 朝日新聞社 汚染土壌の被告の造成方針
1の3 同上 原本 H16.9.30 山陽新聞社 土壌汚染表面化の経緯
1の4 同上 写し H16.9.30 山陽新聞社 同上
1の5 同上 原本 H16.10.1 朝日新聞社 本件土地から有害物質が検出された事実
1の6 同上 原本 H16.10.5 同上 同上
1の7 同上 原本 H16.10.31 山陽新聞社 同上
1の8 同上 原本 H18.6.8 読売新聞社 土壌汚染による健康被害
1の9 同上 原本 H19.5.30 読売新聞社 同上
2の1 週刊金曜日 原本 H18.9.23 株式会社金曜日 本件土壌の汚染と被害の実態
2の2 同上 原本 H18.12.8 株式会社金曜日 同上
3 和解調書 写し S57.7.27 岡山簡易裁判所 被告会社が本件土壌汚染実態を知っていた事実
汚染された土壌の上に居住し、長年にわたり健康に危険な状況にさらされながら日々過ごさざるを得ず、宅地としての価値も無価値となり、本件土地に居住を継続することができなくなった。こうした不安な日々を長期間に家族とともに送らなければならなかった精神的な損害は3000万円を超える。
また新たな安全な居住地に移転しなければならず、本件土地の購入費とこの土地に建物を建築した費用は全く無駄になり、原告に生じた損害である。なお、慰謝料には被害を訴えて懸命に対処を要望したにも関わらず、被告会社の利益を優先して原告らの訴えを無視したので本件訴えを起こさざるをえなかった被告の理不尽な対応に対する精神的損害も含む。
悪臭の漂う住宅地であり、原因不明の頭痛に襲われることがあった。
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被告代理人は、予め提出した答弁書の通りですと述べました。
(住民たちのブログ2007年12月10日〜 “両備バスを岡山地裁に提訴その21!〜”掲載)
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20071210
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平成19年(ワ)第1352号 損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
答弁書
平成19年10月31日
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
〒700−0807 岡山市南方1丁目8番14号
菊池総合法律事務所(送達場所)
被告訴訟代理人
弁護士 菊池 捷男・首藤 和司・財津 唯行・安達 祐一・井田千津子
電話 086−231 FAX 086−225
第1 請求の趣旨に対する答弁
1 原告らの請求をいずれも棄却する
2 訴訟費用は原告らの負担とする
との判決を求める。
第2 請求の原因に対する認否
1 第1項は認める。
2(1)第2項一は認める。正確に言うと、訴外旭油化工業株式会社(以下「旭油化」という)は、大手食用油会社から出る使用済み活性白土(廃白土)を原料として、石鹸やペンキの元となる油を生成する工場である。
(2)同項二は不知。
(3)同項三は認める。但し、「既に」がいつを指すのか不明であるので念のため主張するが、小鳥の森団地は、昭和50年に土地の造成完了、土地の販売開始が同年9月で、住民の居住開始が昭和51年3月ころからである。なお誤解のないように指摘するが、岡山県や岡山市が行政指導を行っていたのは旭油化に対してである。
3
(1)第3項一の事実のうち、両備バス株式会社(以下「両備バス」という。)の小鳥の森団地の販売が困難な状況となっていたとの事実は否認し、その余は認める。
既に昭和56年12月までの段階で、小鳥の森団地全体の約84%にも及ぶ219区画が販売済みだったものであり、同団地の住民から悪臭の苦情が増加したのでこれに対応したものであって、小鳥の森団地の販売が困難な状況になっていたわけではない。
(2)同項二は認める。
(3)同項三は認める。
(4)同項四記載の事実のうち、両備バスが、旭油化から工場跡地を取得したこと、昭和62年頃から3回(但し、正確には「3期」と言うべきである)に渡って宅地造成を行い、順次分譲を行ったことは認め、その余は否認する。
「そのままでは宅地造成地には適さない工場跡地」
とあるが、これが有害物質が存在し、両備バスがそれを認識していたとの趣旨であれば否認する。当時は悪臭のみが問題とされていたものであり、地中に有害物質が存在するとか、まして両備バスがそれを認識していたなどという状況ではなかった。また、両備バスは同土地につき、後記の通り土壌改良工事として必要な対策を採り、その上で分譲を始めているのであって、工場跡地をそのままの状態で売却したのではない。
4
(1)第4項一記載の事実のうち、平成16年7月に岡山市から上水道の鉛管給水管をポリエチレン管に取り換えたいとの連絡があったこと、取り替え工事がなされたこと(但し工事を行ったのは7月27日である)、悪臭を放つ油を含んだ土壌が出てきたこと、岡山市の調査により、地下水と土壌から硫酸イオンが検出されたことは認め、鉛管給水管の一部が腐食していたことは不知、その余は否認する。
(2)同項二第1ないし第4文は認める。
第5文は否認する。
第6文の、「全ての調査位置においてベンゼンが検出された」との点についてであるが、実際には、この調査における調査位置は2箇所のみであり、しかも接近した地点であるので、「近接した2箇所の調査位置からベンゼンが検出された。」というのが正確である。
また、この土壌ガス調査及び土壌調査によると、トリクロロエチレン、シス―1,2―ジクロロエチレンについてはいずれも定量下限値以下の量しか検出されなかったことも付言する。さらに、含有量試験の結果によると、シアン化合物、鉛及びその化合物、ヒ素及びその化合物、の含有量値は指定基準を満たしていた。
特にシアン化合物は、通常0.1?/L未満であれば、本来、測定値欄に「検出せず」と記載されるものであるが、この時は「0.01?/L」と表記されているものであり、本来なら「検出せず」の扱いを受けるものであることを付言しておく。
また、原告の指摘する(2)と(3)は内容が重複している。
(3)同項三は否認し争う。
5
(1)第5項一は否認する。両備バスが旭油化から土地を購入したのは、旭油化が度重なる行政指導にもかかわらず、付近に悪臭をまき散らしていたため、旭油化が排出する悪臭を絶つには操業を辞めさせる以外にないと判断したから、またそうするよう付近住民からの強い要望があったからであり、土壌汚染のことについては知る由もなかった。
(2)同項二は否認する。危険な土壌であるとの認識はなかったし、もちろん住宅地として不適なことを秘匿して分譲したなどという事実もない。また、現在の状況についても後述の通り放置したわけではない。
(3)同項三は否認する。
6 別紙原告の損害について
(1)1項記載に事実のうち宅地購入年月日は認め、居住開始年月日及び居住状況は不知、損害額は否認し争う。
ア 不動産取得費等について内容について釈明を求める。
イ 慰謝料について長年にわたり健康に危険な状況にさらされたことを慰謝料請求の根拠としているが、まず本件土壌の汚染が原告に発覚するまでの時点においては原告に精神的損害は発生しえないし、身体的損害が生じていたのならそれを損害として金銭に評価すべきである。
また、汚染発覚後についても、被告は住民の不安を除去するための方策をいくつも講じているから、原告の精神的損害は因果関係がない。
また、原告は訴訟を提起せざるをえなかったこと自体が精神的損害であるかのように述べているが、そこに金銭をもって慰謝すべき精神的損害はない(原告の論によれば、およそ民事訴訟の被告は常に損害賠償義務を負うことになる)。また、原因不明の頭痛は原因不明であるが故に本件とは関係がない。
(2)2項記載の事実のうち、宅地購入年月日は認め、居住開始年月日及び居住状況は不知、損害額は否認し争う。
ア 不動産取得費等について(1)に同じ。
イ 慰謝料について同上。アレルギー性鼻炎、めまい、頭痛は原因不明とあるように本件とは関係がない。
(3)3項記載の事実のうち、宅地購入年月日は認め、居住開始年月日及び居住状況は不知、損害額は否認し争う。
ア 不動産取得費等について(1)に同じ。
イ 慰謝料について同上。頭痛、皮膚炎、咳は原因不明とあるように本件とは関係がない。
7 第7項は否認し争う。
8 よって書きは争う。また、原告の主張を前提にしても、遅延損害金は平成16年9月29日から付すのが正しい。
第3 被告の主張
1 本件土地の現状について
(1)両備バスは本件発生後、住民の不安を解消するために、以下のような調査を行っている。
ア 平成16年9月6日ないし11日、団地内3カ所においてボーリング調査及び土壌分析。
イ 平成16年10月4日ないし6日、団地内34カ所において表層土壌調査及び分析。
ウ 平成16年12月に団地内土壌ガス調査及び環境大気調査。
エ 同月に団地内土壌電気探査。
オ 平成17年2月17日及び18日に団地内土壌化学性状調査。また、この間に、岡山市において以下のような調査を行っている。
カ 平成16年8月26日ないし10月7日に井戸水調査。
キ 平成16年11月4日に河川における油状物質調査。
(2)また、両備バスは、平成16年10月15日、問題の詳細調査・研究及び上記調査結果の分析、問題の解決方法の検討を、南古都?環境対策検討委員会(以下「委員会」という)に委任した。当該委員会は、農学博士千葉喬三(岡山大学学長)を委員長とし、工学博士、農学博士、医学博士、を構成員に迎え、オブザーバーとして岡山市環境保全部部長・岡山市保健所所長も加えた上で結成された専門家集団であり、両備バスも、その後両備ホールディングス株式会社となった現被告も、その調査内容・分析・意見書の作成等に何らの口出しもしていない。
(3)委員会は前記の調査結果等を踏まえて、平成16年10月30日、12月27日、平成17年3月28日の3度にわたって、意見書を作成しているが、それによると
?土壌汚染については、一部検体に基準値を超えるものがあるが、非常な高濃度というものでもなく、団地全体に拡散しているわけでもないこと、土中にあること、地下水の汚染がないことを考えれば、日常生活上重大な問題になるとは考えにくい、
?環境大気調査は環境基準値を満たしており、問題はない、
?異臭の原因は土中の硫化水素と思われ、また土中にガスが多量に集中して存在する可能性は低く、今後減衰していくものである、
?土中に空洞やドラム缶などが存在する可能性はほとんどない、とのことである。
また異臭による不快感についても、委員会から対策工事案が提出されているため、それに従った工事を行うことを前提に、費用の一部を支弁することを、原告らを含む団地住民に提案している。
2 本件土地購入時の対策について
両備バスは、本件土地の取得当時、本件団地は植物油の精製工場の跡地であると認識していたため、土壌が有害物質で汚染されていることについては知る由もなかったため、不法行為に関する故意はない。
また、たしかに、本件土地は取得当時から悪臭が問題になっていたため、両備バスは昭和59年に土壌改良工事として、3673万2000円をかけて埋没されていたドラム缶や油分の多い土壌を搬出除去し、表層土に生石灰を混入することで中和凝固させ、消臭剤の噴霧等の施工を行うなど、必要な対策をとった。また、宅地として分譲する際には、岡山市の開発許可を得て造成を行った上で分譲しており、当時は完全に合法的な売買だったのである。そうでなければ、営利団体である両備バスが、通常の地価より高い価額(全体で2億円以上)で取得するはずがない。
従って、造成工事時及び売買契約時に、上記対策工事方法では将来土壌汚染等の問題の惹起を予見することは不可能であったから、過失もない。
3 よって、原告ら主張の不法行為は成立しない。
以上
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これをもって2007年11月13日に第1回口頭弁論が岡山地方裁判所において始まりました。
結
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第2回口頭弁論が2007年12月11日、10時15分岡山地方裁判所開廷の予定で、前もって、被告側から被告会社が2004年実施した土壌調査報告書を、原告側から住民が2007年実施した土壌調査報告書他を裁判所に提出しました。
2007年12月11日開廷の第2回口頭弁論の前に原告側が提出した資料を説明する準備書面の内容です。
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平成19年(ワ)第1352号損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
準備書面
平成19年12月10日
岡山地方裁判所 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田 英正
第1,本件土地の土壌汚染の激しさ
1,甲10号証の1,2は、旭油化が、操業によって周辺に悪臭を放ち、沼川に油膜が張って、死んだ魚が浮くようになっていた昭和56年5月の状況である。工場周辺にはドラム缶が散乱し、敷地内は油泥のような土壌となっていた。
2,旭油化が操業を中止して被告会社に土地を引き渡す前の昭和57年12月1日の旭油化の工場の状況を撮影したのが甲10号証の5,6,7である。廃油が入ったままのドラム缶が積み上げられていたり、底の抜けた廃油貯蔵タンクが無残な姿を見せている。廃油を処理しないで、土壌に直接吸収させていた実態が明らかとなっている。また、旭油化が集めた廃油類の一部は、処理されないまま産廃不法投棄事件の現場である豊島に運搬されていた。
3,旭油化は、被告会社と和解(甲3号証)が成立した後に、本件場所での操業を中止し、同様の廃油処理業務を昭和57年吉井町草生地区で三和開発の看板を掲げて始めた。
操業を始めるや否や、直ちに周辺住民から異臭や河川、地下水の汚染などの苦情が寄せられた。ここでも、廃油などを素掘りの穴に直接投棄するなどのことをしていて、敷地土壌は、油泥に覆われるようになっていた。旭油化の操業の実態と異なることのない操業方法を繰り返していたのである。
吉井町の厳しい行政指導があり、数ヶ月で操業をやめ、投棄油の回収、工場内の汚染土石類が搬出された。吉井町は、この土壌の安全性を確保するために、汚染土壌の搬出などほぼ1年をかけて地下水の汚染の影響の調査を継続するなどのことが続けられた
(甲8号証、甲9号証)。
本件被告会社が造成販売した住宅地の土壌の汚染は、日本で最大規模のものではないかと言われているのはこうした旭油化の操業の実態と悪質性が背景にある。
第2,被告会社の故意、過失
1,被告会社は、本件土地を取得するようになった経緯からも上記の本件土壌の汚染の実態は十分に認識していたし、認識すべきであった。
旭油化が廃業し、新たに旭油化と代表者を同じくする瑞穂産業が吉井町草生地区で三和開発と称して操業を始めていた廃油処理も、素掘りの穴に直接に廃油類を流し込むという激しいものであった。さらに、破産手続きに入るなど財政的基盤がなく、全く誠意のみられない対応であった。
2,このように汚染された土壌に対して、汚染土壌を完全に搬出するなどの措置をとらず、一部ドラム缶や工場の残滓なども埋めたままで造成をしている。その結果、本件造成土壌全般に汚染が広がっている実情がある。
3,被告会社が、本件土地の取得をめぐって昭和57年に岡山簡裁で和解をしている(甲3号証)。和解条項3項では、建物撤去、構造物撤去は旭油化側の責任で行い、その費用6690万円を被告会社側が負担し、さらに土地代として1310万円を旭油化に支払うという約束をしている。
しかし、一方において第11項では、旭油化が本和解条項に違反したときは旭油化に対して上記各金額の合計額である8000万円の損害賠償請求権が旭油化に対して発生すると取り決めている。
被告会社はもともと旭油化が和解条項など守る能力も意思もないことを予測しながら、基本的には旭油化に建物の撤去責任を持たせようとしたのである。
結局、当初から双方が実質的に合意していたように被告会社は、土地の売買代金のうち1310万円と建物撤去費用6690万円の合計8000万円は損害賠償金と相殺し、これを支払わないで処理しているのである。
4,被告会社は旭油化が、公害発生企業であり、無法な操業をして土壌の激しい汚染を起こしていて、その原状回復の能力も意思もないことを知りながら、本件造成地を一部損害賠償金と相殺するなどして取得し、簡単に一部の土を搬出し、汚染土壌のまま造成工事をした。
第3,汚染の実態
1,原告らの居住する本件造成地に行けば、全体に石油臭がしている。この臭いは、梅雨時、夏場に強い傾向がある。沼川のコンクリート擁癖には黒い染みが出ていて、土壌からの油類による汚染の存在が目に見える。このことだけで住宅地としてはその目的を達することのできない欠陥住宅地である。
2,地表(表層土)からガスが発生していて、ガス漏れ警報器が作動することもある。土を掘ればすぐに黒い油分を含んだ土が出てくる。健康被害も出ている。
3,検査の結果も広範囲な激しい土壌汚染を推測させる内容となっている。
?平成16年7月末、岡山市は本件造成地内における水道管取り換え工事の際に出てきた油分を含んだ水を検査した。ベンゼン、ヒ素が検出された。
?平成16年8月、岡山市が本件造成地周辺の川、井戸の水質検査を行った。井戸で基準値を超えたヒ素を検出している。
?平成16年9月、被告側でボーリング調査。基準値を超えるトリクロロエチレン、シス―1、2―ジクロロエチレン、ベンゼンなどが検出されている。
?平成16年10月、被告側で表層土調査がなされている。基準値を超えるシス―1、2―ジクロロエチレン、ベンゼンなどが検出されている。
?平成16年10月被告側で土壌ガス調査。ベンゼン、硫化水素が全地点で検出され、メタンも高濃度で検出された。
?平成16年12月、被告側で電気探査を実施(甲6号証)。
低比抵抗値を示す部分が旧地形推定線より下側に存在し、広範囲に油類等の汚染の実情が推測される。
深度4.45メートル〜5.80メートルで金属片が発見されている。ドラム缶が存在する可能性も否定されていない。
?平成19年4月、原告○○方において表層土壌ガス、土壌調査を原告側で行った(甲4号証1,2)。
全地点においてベンゼンが検知され、基準値を超えるベンゼン、シアン化合物、鉛、ヒ素が土壌から検出された。
4,上記の汚染実態が存在するだけでも、住宅地として使用の目的に耐えない。
被告会社の責任で本件造成地の汚染土壌を完全に搬出し、汚染物質を除去できない以上、原告らは新たな住宅地を他に求めて、新たに住宅を建築するしか方法がなくなっている。
(平成14年9月27日東京地裁判決 油類による土壌汚染は宅地の瑕疵に該当)
<別紙>
事件番号 平成19年(ワ)第1352号
損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
証拠説明書
平成19年12月7日
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田英正
番号 標目(原本写しの別) 作成年月日 作成者 立証趣旨
4の1 調査結果報告書 原本 H19.4 株式会社ニッテクリサーチ 本件土地内の土壌汚染の実態について
4の2 測定データ 原本 H19.4 株式会社ニッテクリサーチ 本件土地内の地表大気にベンゼン系土壌汚染を疑わしめるデータが存したこと
5 被告会社グループのホームページ 写し H16.9.30 被告会社企業グループ 被告会社と岡山大学とは包括連携協力関係にあり、乙1号証ないし4号証の評価に関する記事は公正さを欠いていること
6 岡山市南古都住宅地調査電気探査結果資料 写し H16.12 被告会社・応用地質株式会社 表層土全域に1%以上の油分が確認されていること。標高8m付近にLNAPLの可能性があり、油汚染が拡大している状況
7 山陽新聞記事 写し S58.5頃 山陽新聞社 旭油化が本件土地からの移転先でもすぐに土壌汚染問題を起こしていた事実
8 メモ 写し S58.5頃 吉井町 同上(旭油化の悪質性)
9 草生地区公害処理経過報告書 写し S58.7頃 吉井町 同上
10の1 写真 写し S56.5頃 旭油化工業の操業状況を撮影したもの
10の2 同上 写し S56.5頃 同上
10の3 同上 写し S56.8.23 旭油化工業の公害問題調査が行われている状況を撮影したもの
10の4 同上 写し S57.1.21 旭油化工業の操業状況
10の5 同上 写し S57.12.1 昭和57年12月1日の本件土地の状況
10の6 同上 写し 同上 同上
10の7 同上 写し 同上 同上
11の1 無機シアン化合物(「化学物質ファクトシート」から) 原本 H17.8 環境省 無機シアン化合物の毒性等健康影響について
11の2 トリクロロエチレン(「化学物質ファクトシート」から) 原本 H17.9 環境省 トリクロロエチレンの毒性等健康影響について
11の3 ベンゼン(「化学物質ファクトシート」から) 原本 H17.10 環境省 ベンゼンの毒性(発ガン物質)、健康影響について
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予め、被告側から被告会社が2004年実施した土壌調査報告書を、原告側から住民が2007年実施した土壌調査報告書他(前回掲載)を提出して、2007年12月11日、10時15分岡山地方裁判所で第2回口頭弁論がありました。
裁判官は調査地点等の団地全体位置関係が今一つ把握できないようで、要請があり、次回までに原告側から位置の分かる地図を作成することになりました。
次回口頭弁論は2008年1月29日(火)10時20分と定め10時22分終了しました。
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前回口頭弁論では裁判官より小鳥が丘団地内土壌汚染調査の位置の分かる地図等の要請があり、予め原告側から土壌調査資料用地図・住宅地図及び空中写真地図等を提出し、2008年1月29日、10時20分岡山地方裁判所で第3回口頭弁論がありました。
原告代理人河田英正弁護士および大本 崇弁護士、被告代理人首藤和司弁護士他1名が法廷に立ちました。
裁判官は提出した地図のうち1枚を、おおもとの図面にしたい旨発言がありました。
そのあと裁判官は、小鳥が丘団地土壌汚染の別件初回口頭弁論が3月4日にあるので次回はその後にしたい旨発言がありました。
「小鳥が丘団地住民」23名が2007年12月27日に両備ホールディングスを提訴したのです。
以前、原告代理人河田英正弁護士から、別の小鳥が丘団地住民から依頼された弁護士から情報提供の要請があるので提供してもいいか?との打診があったので了解していました。
裁判官は、被告代理人弁護士に対し、同じ事件だと思うので被告の資料は同じものは資料番号を同じにしてもらいたい。被告答弁は同じでしょう?
との発言に、被告代理人弁護士は、違う個所もあるので、その答弁は別にして、同じ答弁の箇所は番号を揃える。
との答弁がありました。
裁判官は、各々の裁判は個々に並行して行うと述べ、次回第4回口頭弁論は2008年3月11日(火)13時10分からと定め10時30分終了しました。
今回は愛知県小牧市桃花台ニュータウン地盤沈下問題を考える会代表の丸山直希氏も傍聴に来られていて、裁判所に提出した公害工場操業当時の空中写真を見せたところ、現在の小鳥が丘団地の空中写真と重ね合わせたら状況が良く分かるのではないかとの提案で、最近の小鳥が丘団地空中写真を調査するために、環瀬戸内海会議事務局長の松本宣崇氏とともに岡山県立図書館に行きました。
最近のものは平成4年の空中写真があったので、重ね合わせ加工は丸山氏にお願いし、2日後重ね合わせ写真が送られてきたので、弁護士に届けました。
河田弁護士は、工場操業時配置と現在の住宅団地の位置関係が良く分かるので早速裁判所に提出するとの事でした。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20080229
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原告代理人は、両備バスの答弁書「第3、被告の主張」で両備の実施した調査につき答弁しているのだからその資料の提出を要求し、また原告側独自の調査資料もあるから提出すると述べました。
裁判官は、追加資料を原告被告とも提出してから審議を行う方がよいだろうと述べ、第2回口頭弁論を平成19年12月11日の10時15分からと定め10時25分終了しました。
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岡山県警本部へ提出した告訴状!その1
日本で最大規模のものではないかといわれている岡山市小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染は、宅地造成販売した両備バス株式会社が抜本的な土壌汚染対策を取ろうとせず、小鳥が丘団地土壌汚染公害問題長く放置されています。以前住民たちのブログで紹介した“両備グループを刑事告訴!” (2007年2月11日〜2月22日)の告訴状2名分を掲載します。告訴状の書き方など全く分かりませんでしたが、アドバイスを受けながら住民だけで告訴状を作成し2006年11月1日に岡山県警本部へ告訴しました。
両備バスが立ち上げた岡山大学の先生を中心とする両備バス私設委員会「南古都?環境対策検討委員会」が最終意見書(第3回目意見書)を2005年3月28日に提出して以来、両備バスは追加土壌調査も住民との話し合いも拒否し、「裁判以外は相手にしない!」としか言わなくなりました。
この時点で最終的には民事裁判になるかもしれないと思いましたが、一般住民が健康と財産の被害を受けていて、公的機関が何もしないはずは無いと思い、各関係諸機関に相談に回っていました。
警察へは地元の岡山県警、西大寺支所へ何度も相談に行きましたが被害届けの意思を示しても要領を得ません。そこで岡山県警本部へ刑事告訴をしようと研究を始めました。
弁護士に依頼するのが一番手っ取り早いのですが資金に限りがあるので住民だけで告訴しようと調べましたが告訴状など見たことがないので告訴状を作成してもらおうと司法書士を訪ねました。
しかし1か月以上かかるとの事なので、いろいろな人に聞きながら不十分ですが住民だけで告訴状を書き上げ、ともかく2006年11月1日に岡山県警本部へ提出しました。
告訴状提出当日の様子は前に掲載したとおりです。
2007年2月11日(日) 両備グループを刑事告訴!その1
両備グループを宅建法の土壌汚染重要事項説明違反で告訴
平成18年11月1日11時に小鳥が丘団地住民2名で岡山県警生活環境課に宅地建物取引業法違反の告訴状を提出しました。
出向くと11時前からテレビ局や新聞記者が数社待ち構えていました。
゛記者会見はどこですか?゛の質問に、県庁内会見室や県庁記者クラブ会見室を交渉しましたが、了解が得られず、建物外なら良いとの事で、゛県庁中庭にします。゛と答えました。
記者の大まかな質問が終わると11時5分前だったので、県警本部の建物に入ろうと歩きかけると記者の人に、゛11時と聞いているので皆にその様に連絡しているので11時丁度まで待ってください。゛
と言われました。
11時丁度になったので、゛行きますよ。゛と言うと、カメラマンが、゛向こうの方からゆっくり歩いて入ってください。゛
と言いながら、その様子を撮影していました。
県警本部受付に用件を伝えると、再び表に出て分庁舎の生活環境課に案内してくれましたが、記者やカメラマンは県警本部玄関前に足止めをされた様でした。
県警本部の分庁舎4Fの生活環境課に入ると、次長と他に1名職員が応対してくれました。
事情説明の後、2名分の告訴状と疎明資料を提出すると、丁寧に内容を見ていただきました。短い質問をしながら読み終えると
、゛内容は良く分かりました。゛と言いながら、
゛弁護士に依頼されていれば予め分かったと思いますが、刑事上の時効が成立しています。゛といわれました。
私達は、売買契約の時に土壌汚染があった工場跡地の宅地であった説明を受けていないし、両備グループが土壌汚染地であると認識をしていたのは裁判調書でも明白なので、
故意に事実を告げなかった場合は時効の特例があるのでは?との質問に、
゛特例は有りません。゛ さらに付け加えて゛事情はよく分かりますが、法律上、刑事事件としての時効が成立している以上、受理できません。゛
゛我々は法律上でしか、行動できません。゛との回答でした。
そこで、我々小鳥が丘団地の場合の時効は何年ですか?と質問しました。
゛犯罪事実に適用する罰条の法定刑によって1年、3年となりますが、この場合には3年です。゛との回答でした。
岡山県警生活環境課の説明では、小鳥が丘団地土壌汚染の重要事項説明違反の時効は、3年との事でしたが、土壌汚染は見た目には分からないし、長期間経過した後に何かの原因で発覚するのが普通なので、建物のように購入者が1年や3年で地下の汚染を発見するのは難しいと思います。
法律の不備を感じます。
犯罪の種類によっては時効が完成していない場合もあると思われますので、その時は相談に乗ってくださいとお願いして退出しました。時計を見ると1時間以上も経過して昼を過ぎていましたので、
゛記者も昼食で解散しているかもしれないな゛と思いながら県庁中庭に行ってみると、まだ皆さん待っていました。
私達を見つけると、走り寄ってきて周りを取り囲まれ、質問責めに遭いました。
記者会見で、告訴状提出の内容を説明した後、追加の質疑応答は次のようなものです。
(記者)
現在、両備グループと話し合い継続中なのでは?
(住民)
両備グループは、法的責任がないと住民が認めない限り、話し合いにも、応じないと主張しています。 しかし認めても解決実施の確約は有りません。
つまり両備グループは話し合いだけして、何もしないで良い事にすらなりかねず、とうてい容認できません。
(記者)
両備グループは当時の法律に基づいて小鳥が丘団地を開発・販売し、土壌汚染の認識はなかったといっていますが?
(住民)
当時、両備グループが旭油化工業跡地を取得する時、有害物質の除去を条件とし、違反した時の損害賠償金を明記して買収した、裁判記録が残っていますので、土壌汚染を認識していたのは明白です。
(記者)
今後どうするのですか?重要事項説明違反以外の理由でも告訴出来るのでは?
(住民)
時効が成立してない何か別の違反を知っていれば教えてもらいたいぐらいです。別の告訴も模索していきますが、刑事事件の時効は短いですから、見付けられない場合には、最終的に民事訴訟に成らざるを得ません。
朝から忙しい1日でしたが、あっという間に過ぎてしまいました。
しかし、いくら時効になったとしても、両備グループの不正は不正であり、不正の事実が消える事は有りません。
これからも不正の事実を訴え続けていかなければなりません。
そして、行政はこの問題に対して消極的ですが、社会問題としてこれから頻発するであろう土壌汚染問題に、行政としてどう取り組むのかを問いつづけていこうと思っています。 結
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住民Aの告訴状です。
告訴状
告訴人
岡山市南古都××× ○○○○ 昭和××年××月××日生
被告訴人
岡山市西大寺上1丁目1番50号 両備バス株式会社 宅地建物取引主任者 ○○○○
岡山市錦町7番23号 両備バス株式会社 代表取締役社長 小嶋 光信
宅地建物取引業法違反告訴事件
1.告訴の主旨
被告訴人らの犯罪事実に記載した行為は、宅地建物取引における重要な事項について、故意に事実を告げず販売し、売買契約の不法行為により被害を受けたことは、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号に違反するので、捜査の上、厳重に処罰されるようここに告訴いたします。
2.犯罪事実
(1)被告訴人の○○○○は、両備バス株式会社の宅地建物取引主任者である。告訴人が居住する小鳥が丘団地の自宅、宅地面積203.82?及び、延べ床面積建物110.95?の取引につき、平成5年1月30日に仲介業者として重要事項説明をし、仲介業者である被告訴人らを通して売買契約を交わし告訴人はこれを購入した。
(2)平成18年6月5日に倉庫工事の為、告訴人が自宅庭を掘削したところ地下15cm〜40cm部分から黒い刺激臭のする土壌が出てきた。現地確認をしてもらう為、仲介業者であり、土地の造成販売業者でもある被告訴人らに連絡をしたところ、被告訴人らは現地確認を拒否し、現地はそのままの状態だった。
(3)平成18年10月13日、告訴人は、自宅庭が掘削されたままの状態であった為に自家用車を外部駐車場に置いていたが、自宅庭に、駐車する場所を確保しようと、掘削跡の埋め戻しや堆積した土壌を移動中に、15時頃自宅庭で倒れ、救急車で病院に搬送され治療を受けた。
原因は庭の掘削跡に水が常時溜まっていて、移動中の堆積した黒い土壌と反応して発生したガスを吸い込み身体に異変を生じた為で、病名は亜硫酸ガス中毒である。庭の土壌は通常生活を営むうえで健康被害を及ぼす有害物質である事が確認された。
(4)被告訴人らは本団地の土地を取得する際、昭和57年7月27日岡山簡易裁判所において和解をしている(相手方、旭油化工業)。和解条項に本件土地上のすべての建物及び地下工作物を収去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及び、アスファルト部分を除去し、本件土地上の油脂付着物を除去して、と明記しているが、現状を見るに、廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去をしていない。
(5)告訴人は売買契約時、被告訴人ら、から売買契約対象物件が土壌汚染された土地であった事実の重要事項説明を受けておらず、被告訴人らは本団地の土壌汚染が問題になった平成16年当時、汚染土壌を石灰で中和させたと申し立てているが、廃白土等除去に替えて石灰で中和させ土壌改良したのであれば、告訴人ら土地購入者にとって、これも重要事項であるにもかかわらず、売買契約時に、説明を受けていない。
(6)被告訴人らは裁判で和解をする時、和解条項に廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去を明記しているのだから、土壌が汚染されており、除去しなければならない、と認識していたことは明白である。
(7)よって当該契約対象物件の売買契約時に、被告訴人らは告訴人に土壌汚染の履歴のある宅地である旨の重要事項説明をすべきところ、被告訴人らは宅地建物を円滑に販売する為、故意に事実を告げず、告訴人は事実を知らず購入した。これは宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反である。
3.補足経緯
(1)最初に問題になったのは、岡山市水道局が進めている鉛製給水本管の取替工事中である。本団地が開発された昭和62年に埋没された鉛製給水本管を取り替える為、平成16年7月27日に水道工事業者が本団地内道路を掘削したところ、悪臭と油が出てきた。
(2)宅地を造成販売した両備バス株式会社と担当行政の岡山市に調査及び改善を求めたところ、3箇所のボーリング調査他の調査を実施し、環境基準値を超える有害物質が検出され、本団地造成前に操業していた公害工場の旭油化工業の廃棄物が原因と判断されたが、両備バス?が設立した、千葉 岡大副学長(当時、現岡大学長)を中心とする「南古都? 環境対策検討委員会」の意見書により、住民の健康への影響が直ちに懸念されるものではない、と回答し、住民が要求しても、その後の住民との話し合いも、住民の不安を払拭する為の追加調査も実施していない。
(3)告訴人は、体調が悪いのは、土壌が原因ではないかと思い、庭の表層土の入れ替えを自ら実施しようと、平成18年10月5日に岡山市環境保全課に出向き、廃棄土壌の指定場所を求めたところ、土壌の汚染はあるので指定区域から搬出される汚染土壌と同様に適正に処分する様に指導された為、告訴人は本団地の土壌は汚染されているとの認識をもった。
(4)汚染原因者の旭油化工業は近郊の赤磐郡吉井町(現あかいわ市)の工場で、当地と同様に廃油を垂れ流して土壌汚染を引き起こした為、吉井町ではこの公害工場を昭和58年1月に撤退させ跡地を調査し土壌汚染が深刻と判断し土壌入替えを行っている。被告訴人らは本団地を造成する前に、吉井町で同一企業が同様の工場を操業した跡地の吉井町の土壌入替え対策を知り得たはずであるから、操業期間から推定しても、地上及び地中の汚染は吉井町以上の疑いがあると認識していた、と考えるのが妥当である。
(5)被告訴人らは、これらの完全除去を確認せずして用地を取得し告訴人らに販売したのであり、除去してない廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の汚染により、その後の告訴人が受けた被害の責任は被告訴人にある。
4.両罰に関する規定
被告訴人両備バス株式会社は告訴人らに対し重要な事項について、故意に事実を告げず宅地を販売したのであるから、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反について、第八十条(罰則)、第八十四条(両罰規定)により、処罰の対象である。
5.違反条文
○宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号
6.罰条
○宅地建物取引業法第八十条
○宅地建物取引業法第八十四条(両罰規定)
7.疎明資料
(1) 上申書 一通
(2) 重要事項説明書 一通
(3) 不動産売買契約書 一通
(4) 鉛製給水管使用について(回答)書 一通
(5) ボーリング調査濃度計量証明書(No3地点) 一通
(6) 表層土調査濃度計量証明書(土壌14) 一通
(7) 両備バス? 南古都?環境対策検討委員会 意見書 一通
(8) 告訴人自宅庭を掘削した写真 一枚
(9) 岡山市環境保全課の汚染土壌の処分方法について 一通
(10) 告訴人の病状退院証明書 一通
(11) 昭和57年7月27日の和解調書 一通
(12) 吉井町公害企業施設撤去新聞記事 一通
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20080317
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次に住民Bの告訴状です。
告訴状
告訴人
岡山市南古都×××× ○○○○
昭和××年××月××日生
被告訴人
岡山市西大寺上1丁目1番50号 両備バス株式会社 宅地建物取引主任者 ○○○○
岡山市錦町7番23号 両備バス株式会社 代表取締役社長 小嶋 光信
宅地建物取引業法違反告訴事件
1.告訴の主旨
被告訴人らの犯罪事実に記載した行為は、宅地建物取引における重要な事項について、故意に事実を告げず販売し売買契約の不法行為により被害を受けたことは、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号に違反するので、捜査の上、厳重に処罰されるようここに告訴いたします。
平成18年11月1日
岡山県警察本部 県警本部長 殿
告訴人 ○○○○ 印
2.犯罪事実
(1) 被告訴人の○○○○は、両備バス株式会社の宅地建物取引主任者である。告訴人が居住する小鳥が丘団地の自宅、宅地面積159.72?売買代金9,101,000円及び、延べ床面積105.58?請負代金16,375,970円(消費税込み)の建物につき、平成2年8月30日に重要事項説明の後、契約を交わし告訴人はこれを購入した。
(2) 平成17年頃より突発的かつ継続的に頭痛が起こり、診断の結果、本団地内で高濃度に検出された有害物質の影響の可能性を指摘された。
(3) 平成17年10月19日に中国銀行平島支店に不動産担保融資申し込みを行なったが、告訴人自宅土地建物は売買取引が非常に難しいので担保にならない、と融資を断られた。
(4) 告訴人の自宅は、地盤沈下しており、建物の傾斜で戸の開閉が年々できなくなっている。
(5) 告訴人の自宅は、当初被告訴人ら、から購入した土地建物のみならず、その後、追加的に行なった建物付属設備や建物補修工事を含め資産価値が無くなった。
(6) 本団地内の住人、○○○○氏が平成18年10月13日に自宅庭の土壌を移動中に亜硫酸ガス中毒になっている。
(7) 被告訴人らは本団地の土地を取得する際、昭和57年7月27日岡山簡易裁判所において和解をしている。和解条項に本件土地上のすべての建物及び地下工作物を収去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及び、アスファルト部分を除去し、本件土地上の油脂付着物を除去して、と明記しているが、現状を見るに、廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去をしていない。
(8) 告訴人は売買契約時、被告訴人ら、から売買契約対象物件が土壌汚染された土地であった事実の重要事項説明を受けておらず、被告訴人らは本団地の土壌汚染が問題になった平成16年当時、汚染土壌を石灰で中和させたと申し立てているが、廃白土等除去に替えて石灰で中和させ土壌改良したのであれば、告訴人ら土地購入者にとって、これも重要事項であるにもかかわらず、売買契約時に、説明を受けていない。
(9) 被告訴人らは裁判で和解を成すにおいて、和解条項に廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去を明記しているのだから、土壌が汚染されており、除去しなければならない、と認識していたことは明白である。
(10) よって当該契約対象物件の売買契約時に、被告訴人らは告訴人に土壌汚染の履歴のある宅地である旨の重要事項説明をすべきところ、被告訴人らは宅地建物を円滑に販売する為、故意に事実を告げず、告訴人は事実を知らず購入した。これは宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反である。
3.両罰に関する規定
被告訴人両備バス株式会社は告訴人らに対し重要な事項について、故意に事実を告げず宅地を販売したのであるから、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反について、第八十条(罰則)、第八十四条(両罰規定)により、処罰の対象である。
4.違反条文
○宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号
5.罰条
○宅地建物取引業法第八十条
○宅地建物取引業法第八十四条(両罰規定)
6.疎明資料
(1) 上申書 一通
(2) 重要事項説明書 一通
(3) 不動産売買契約書 一通
(4) 工事請負契約書 一通
(5) 鉛製給水管使用について(回答)書 一通
(6) ボーリング調査濃度計量証明書(No3地点) 一通
(7) 表層土調査濃度計量証明書(土壌14) 一通
(8) 岡山市環境保全課の汚染土壌の処分方法について 一通
(9) 告訴人の診断書 一通
(10) 昭和57年7月27日の和解調書 一通
平成18年11月1日
岡山県警察本部
県警本部長 殿
告訴人
○○○○ 印
結
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20080323
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両備グループを刑事告訴!その5
両備グループを宅建法の土壌汚染重要事項説明違反で告訴
追記
今回の告訴の後で感じた事を書きます。
私たちは、民事裁判の前に、まず刑事告訴を行いました。
金持ちであれば、自前で地質調査及び分析を行い、弁護士に依頼して、すぐ民事訴訟を起こせば良いのですが、一般の庶民では資金の工面が直ちには出来ません。
まして地質汚染であれば、一般のサラリーマンにとって唯一の担保となる土地建物が無価値になり、銀行融資も受けられません。
小鳥が丘団地地質汚染問題の様な、目に見えない地中の汚染は、発覚するまで長期間かかる方が普通であり、刑事告訴の時効があまりにも短いと思いました。
そして、いくら時効になったとしても、両備グループの不正は不正であり、不正の事実が消える事は有りませんが、それよりも重大なのは、
両備グループが、非は非と認めて対応しない事であり、小鳥が丘団地地質汚染問題を含めて、このままにすると、会社のこの様な対応の仕方が変わらず、改革が出来ない事により、第2第3の地質汚染問題を引き起こしかねないと思います。
よって、これからも不正の事実を訴え続けていかなければなりません。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20070220
追記2
今回の告訴の後で感じた事を、もう一つ書きます。
それは、行政の対応です。
前に、小鳥が丘団地地質汚染問題に対して行政が消極的だと書きましたが、当地域の環境担当行政である岡山市は、住民が自宅庭で土壌を移動中にガス中毒で倒れたという健康被害にあったにもかかわらず、実態解明の土壌調査すら行なおうとしません。
岡山市は、土壌汚染対策法に照らして行政が地質調査を行なう事は出来ない(土地の所有者が行なうべきもの)と説明しています。
しかし、そもそも小鳥が丘団地ができたのが、土壌汚染対策法が公布される以前であり、土壌汚染対策法が適用される案件では無いと、専門家から聞きました。
行政が、地質汚染の事は何でも土壌汚染対策法を持ち出すのは、行政が余り関わらなくて良い法律を利用しているのではないかと疑いたくなります。
岡山市は、一番てっとり早い土壌汚染対策法を持ち出しているとしか思われません。
余談ですが、地質汚染を防止する目的で創られた土壌汚染対策法が、逆に合法的な“こまかし”に利用されたり (土壌は層を形成しているもので土対法の調査基準では全ての層を調査するものでは無い為、汚染された層をはずせば、その土地は汚染されてない事になる)、
また、全ての地質調査指定会社が、技術レベルが高い訳では無いので、ボーリング調査で地層を勘案しない機械的深度の試料採取により、かえって汚染を拡大させてしまう等の問題点も指摘されています。 (NHKテレビクローズアップ現代でも紹介)
土壌汚染対策法は、まだまだ問題点の多い法律だと考えさせられます。 以上
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2007年2月25日(日)
両備バスに申入れ書!その1
両備グループ代表に土壌汚染解決の話し合い継続を明確に伝えるために申入れ書を郵送しました。
小鳥が丘団地を造成販売した両備バス株式会社が、土壌調査継続も住民との話し合いも拒否し、いくら両備バスに連絡をとっても“弁護士に任せているのでそちらに言ってくれ”の一点張りで住民の思いが伝わらない為、両備バスの意思を確認するために、過去に両備グループ代表に手紙を配達証明郵便で出しました。(このブログの平成18年9月11日、“両備グループ代表・社長の意思!”に掲載)返書が来なかったので、住民との話し合い拒否は両備グループ代表の意思と確認しましたが、
その後、 “あの手紙は何を言っているのか分からない”と両備バスが言っていると聞いたので、再度、明確に要求が分かる様に、回答期限付きで申入れ書を平成18年10月17日に内容証明郵便で出しました。
両備グループ代表に土壌汚染解決の話し合い継続を明確に伝えるために申入れ書を郵送しました。
以下、その内容です。
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平成18年10月17日
〒700−8518 岡山市錦町7番23号
両備バス株式会社代表取締役社長小嶋 光信 様
小鳥が丘団地救済協議会 代 表 岩野敏幸
申し入れ書
私たち、小鳥が丘団地救済協議会は、御社が造成・販売した小鳥が丘団地で明らかになった土壌汚染問題の解決のため団地住民の有志で組織した団体です。なお、以前に御社が交渉をもっていた小鳥が丘環境対策委員会とはべつの団体です。
当協議会は、小鳥が丘の土壌汚染問題について、御社が平成17年7月に小鳥が丘団地住民に対して提出した、条件付き提案には承諾できません。
この提案は、御社と話し合いをもつための条件として、この土壌汚染の法的責任が御社にないことを確認しなければならない一方で、土壌汚染への対策実施についての保証すらありません。
これでは御社は話し合いだけして、何もしないでよいことにすらなりかねず、当協議会としてはとうてい容認できません。
しかしながら、当団地の土壌汚染問題は、発生する有毒ガスによる健康被害や地盤沈下といった被害を引き起こしていることも考えられ、そこで生活する私たち住民にとってきわめて重大です。
そうした汚染がある土地を造成し、住民には知らせずに販売した御社には当然ながら責任があるはずです。
よって当協議会は御社との話し合いおよび当協議会の合意の上での解決策の実施を求めます。
上記の申し入れに対して、平成18年10月27日までに下記の当協議会代表に文書にてご回答願います。
岡山市南古都××× 小鳥が丘団地救済協議会代表 岩野敏幸
電話:××× 携帯:×××
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豊島と小鳥が丘団地は廃棄物不法投棄搬入ルートで繋がっていました。
私たち小鳥が丘団地住民は2005年3月20日に香川県豊島に現地視察に行きました。
その時、豊島に不法投棄した業者を摘発した兵庫県警の資料の中に、産廃搬入ルート先として小鳥が丘汚染原因者の岡山市旭油化工業の名前が記載されていました。
香川県豊島の産廃と岡山市小鳥が丘の産廃は繋がっていたのです。
そこで豊島公害調停選定代表人の一人として調停に参加された石井とおる氏(前香川県議会議員)から話を聞く機会を得、大変参考になりました。
石井氏には戦後最大級の不法投棄事件と言われた豊島問題を闘った先輩として、アドバイスを頂いています。
最近、石井氏が書かれた“未来の森”という本を読みました。今までの私たちであれば、信じられない内容なのですが、小鳥が丘団地土壌汚染公害問題に直面している私たちにはそのままストレートに伝わってきます。
やはり信じられない行為が平然と行われていた事に深い悲しみが湧き上がってきます。
と同時に、当時ほどではないにしても現在も、その様な事が繰り返されているのです。
そこには我々一般住民の常識からは考えられない行政の対応が書かれていました。
たとえば違法操業のページで、住民が何度も香川県の職員に事業者の行為を止めさせるよう要求したが相手にされず、 “もうもうと立ち上がる野焼きの煙は県庁の窓からも見えた。県庁を訪れた住民が担当者を窓際へ連れて行き、「あの煙が見えんか!」、と指さすと、「見えん!」、と横を向いたという。”
行政が何故この様な信じられない対応になるのか、については石井氏がこの本で指摘しています。
“自治体は何故住民の言うことを聞いてくれないのでしょうか”と聞かれて、
石井氏いわく。
“そもそも、住民の言うことなど聞くようにはできていないから”
(「未来の森」より、「農事組合法人てしまむら」発行、石井とおる著)
http://www.teshimamura.com/?pid=3038282
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2007年11月20日(火)
両備バスを岡山地裁に提訴!その1
岡山市小鳥が丘団地土壌汚染公害問題で両備バス?は有害物質で汚染された宅地を住民に説明せずに販売し、汚染発覚後も抜本的な対策をとろうとせず住民が被害を受けても放置したため、2007年8月31日、住民3名が両備ホールディングス株式会社を岡山地方裁判所民事部へ提訴しました。提訴の経緯を掲載します。
両備バス?は途中で調査を取りやめ、行政も土壌汚染調査をしないので土壌汚染の全容が分からず、汚染対策の検討もできません。もはや民事訴訟しかないと思いまず住民3名で提訴しました。提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ通知・催告書を郵送しました。
通知・催告書
貴社が造成販売した小鳥が丘団地の住民である岡山市南古都××× 藤原 康氏、同所××× ○○○○氏、同所××× ○○○○氏ら3名の代理人として以下のとおりご通知し、損害賠償の請求をいたします。
貴社は、本件団地の本件造成地内に、川に廃油を垂れ流したり有害廃棄物を野積みするなどして公害企業であった旭油化工業株式会社が存在していて人体に影響を及ぼす汚染物質が存在することを知りながら、これを除去することなく埋め立てて造成し、そのことを秘して藤原氏らに販売しました。
この汚染の事実が発覚してもことさらに汚染の程度の低いことを強調し、その責任をとろうとしませんでした。
本件の造成地からは黒く汚染された地下水がにじみ出ていて、表層土壌からはベンゼンを含むガスが出ていることも明らかとなっています。
さらに、そのガスの濃度はガス漏れ警報器が作動することもあり、健康への影響のみならず物理的にも危険な状況となっている箇所もあります。
また、土壌にはベンゼン、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が土壌溶出量基準を超えて検出されています。
本件危険な造成地の販売は故意にとの評価できる重大な責任があります。
藤原氏らとそれぞれの家族らは、この団地を岡山を代表する貴社の企業としての評価を信頼し、終の棲家として希望をもって購入いたしました。
しかし、上記の状況であり、この土地が土壌汚染されていて、日々健康を冒され続けてきていることが明らかになり、とても安心して住める状況ではありません。住宅地として使用不可能な土地であり、他の地に移らざるをえません。
従って、このような土地を購入した代金、この土地上に建てた家の建築費用と健康被害を受け、日々不安な生活を継続してきた損害を慰謝料として評価し、これらの合計額を請求いたします。なお、○○氏は本件分譲地で、整骨院を経営していて業務に関する工事費用も損害に加えて請求いたします。
本件請求に対するご回答を平成19年7月31日までに当事務所まで書面をもって頂きますようお願いいたします。ご誠意あるご回答なき場合はやむを得ず法的手続きをとることになりますので、念のため申し添えておきます。
提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の続きです。
各自の損害は以下のとおりです。
○○○○氏
不動産取得費等 28,897,520円
慰謝料 30,000,000円
○○○○氏
不動産取得費等 28,759,670円
慰謝料 30,000,000円
○○○○氏
不動産取得費等 80,241,390円
慰謝料 30,000,000円
平成19年7月13日
岡山市富田町二丁目7番8号石橋第3ビル3階
河田英正法律事務所
弁護士 河田 英正
弁護士 大本 崇 電話 086−231− FAX 086−231−
岡山市錦町7番23号
両備バス株式会社
代表取締役 小嶋光信 様
この郵便物は平成19年7月13日第29830号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。
岡山中央郵便局長
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提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として2007年7月28日付けで送られてきた両備ホールディングス株式会社の回答書です。
回答書
平成19年7月28日
岡山市富田町2丁目7番8号 石橋第3ビル3階
藤原康氏外2名代理人 弁護士 河田 英正 殿
岡山市南方1丁目8番14号
両備ホールディングス株式会社代理人
弁護士 菊池 捷男・首藤 和司・財津 唯行・安達 祐一・井田千津子
電話 086−231 FAX 086−225−8787
冠省
貴職らからの平成19年7月13日付「通知・催告書」を拝見しました。
両備ホールディングス株式会社では、平成16年7月に、小鳥が丘団地の住民の皆様から、団地内の土地を掘ったところ臭いがする、油が出てきた、など連絡を受け、真摯に、調査と地元の方々と話し合いをしてきました。また、平成17年3月までに、専門家による現地調査や地元の方々へ対策工事の提案もしてきました。
しかしながら、貴職らの依頼人らは、具体的、科学的な根拠を示すことなく、小鳥が丘団地では人は住めない等極めて誇張した表現で両備ホールディングス株式会社を非難することに終始し、真剣に対応しようとはされませんでした。その姿勢は、今回の貴職らの書面での請求額等にも現われているところです。両備ホールディングス株式会社としましては、このような貴職らの依頼人とは真摯に話し合いができるとは思えません。そのため今回の貴職らの書面に対しては、細かな認否は致しません。
貴職らは、両備ホールディングス株式会社の回答に満足しない場合は、法的手続きをとると書かれていますので、両備ホールディングス株式会社の主張は、法廷の場でさせていただきます。ただ、念のためお伝えしておきますが、両備ホールディングス株式会社は、貴職らの依頼人の主張に対し、全面的に争うことにしております。
以上回答いたします。 草々
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提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として「両備ホールディングス株式会社は法廷で全面的に争う」との2007年7月28日付け回答書を受けて岡山地方裁判所へ提訴しました。訴状を掲載します。
訴状
平成19年8月31日
岡山地方裁判所民事部 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 藤原 康 〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 ○○○○ 〒709−0611 岡山市楢原×××
原告 ○○○○
〒700−0816 岡山市富田町二丁目7番8号 石橋第3ビル3階
河田英正法律事務所(送達場所)
上記訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
電話 086−231− FAX 086−231−
〒704−8112 岡山市西大寺上1丁目1番50号
被告 両備ホールディングス株式会社
被告代表者代表取締役 小嶋光信
損害賠償請求事件
訴訟物の価額 227,898,580円
ちょう用印紙額 704,000円
第1 請求の趣旨
1、被告は、原告○○○○に対して58,897,520円、同○○○○に対して58,759,670円、同○○○○に対して110,241,390円とそれぞれこれに対する平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員を支払え
2、訴訟費用は被告の負担とする
3、仮執行宣言
第2 請求の原因
1、当事者
一 被告会社は、昭和11年5月25日に両備バス株式会社として設立され、平成19年4月1日に両備ホールディングス株式会社と商号変更された資本金4億円の株式会社であり、自動車、船舶による旅客、貨物の運送業、観光事業、不動産の所有・売買・賃貸仲介などを業務としている。
二 原告らは、両備バス株式会社が造成した小鳥が丘団地に住居を有し、居住している者である。
2、小鳥が丘団地造成前
一 本件造成地には、廃油等を利用して石鹸を製造していた旭油化工業株式会社の工場があった。
二 同社は、業績不振のなか、昭和49年11月19日に新たに廃棄物処理業の許可を取り阪神、北九州方面の企業から産業廃棄物としての廃油を集めてその処理を始めた。その頃から、廃油処理工場からは廃油処理の黒煙が不気味に立ち上っていた。地域周辺に悪臭がたちこめ、近くを流れる沼川には油膜が張ったり、死んだ魚が浮き上がってくるなどの現象が見られた。廃油を貯蔵していたタンクが設置されていたが、その装置は単に土壌に廃油を吸い込ませる装置であったようであり、タンクの底は直接土壌に接して廃油が不法に処分されていた。そのタンクの位置は土壌への吸収が悪くなると敷地内で場所が移動されていた。そして、工場敷地内には腐敗した油脂を入れたドラム缶が散乱して放置されていて、その腐敗した油脂が敷地内の土地にこびりつき、恒常的に悪臭を発生させていた。
三 両備バス株式会社は、この旭油化工業株式会社の工場北側に既に団地(小鳥の森団地)を造成し、住民が居住していた。その住民からも旭油化株式会社の産業廃棄物処理業を始めたことによる悪臭などの環境悪化の苦情が造成・販売した両備バス株式会社などに苦情が寄せられるようになった。このころ岡山県や岡山市の公害課が何度も行政指導を繰り返していたが、何ら対策が講じられなかった。
3、両備バス株式会社の本件土地の宅地造成
一 両備バス株式会社は、上記のとおり旭油化株式会社が操業している土地の北側に小鳥の森団地(37000平方メートル)を造成・販売していた。
この分譲地を購入して居住している住民から、上記のとおり苦情が寄せられるようになり、両備バス株式会社は旭油化株式会社に対して強く改善方を要求していたが、一向に改善されることはなかった。両備バス株式会社の小鳥の森団地の販売が困難な状況となっていた。
二 両備バス株式会社は、昭和57年になって旭油化株式会社を相手方として悪臭を放つ汚泥とドラム缶の除去を求めて岡山簡易裁判所に対して、小鳥の森団地の販売者として調停の申立をした(岡山簡易裁判所昭和57年(イ)第67号)。そして、昭和57年7月27日、岡山簡易裁判所において両者の間で和解が成立した。
三 上記和解の内容は、本件問題を解決するには旭油化株式会社が本件土地から移転するしか方法がないというものであり、概略以下のとおりであった。
(1)旭油化株式会社は昭和57年10月31日限り操業を停止し、同年12月31日までに本件土地上の全ての建物および地下工作物を撤去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及びアスファルト、土地上の油脂付着物を除去して明け渡す。
(2)両備バス株式会社は、旭油化株式会社に対して建物撤去費用、移転補償などとして6690万円を支払う。
(3)両備バス株式会社は、旭油化株式会社の工場跡地を一坪あたり6万円、その地上建物を400万円で購入する。
四 こうして、旭油化株式会社の工場跡地を取得した両備バス株式会社は、このそのままでは宅地造成地には適さない工場跡地を昭和62、3年ごろから3区画に分けて有害物質に汚染されたままで宅地に造成し、平成元年頃から分譲を始めた。
4、宅地から有害物質検出の経緯
一 平成16年7月に岡山市から上水道の鉛製給水管をポリエチレン管に取り替えたいとの連絡があり、7月29日に取り替え工事がなされた。取り替えのため給水管を掘り起こしたところ、油分を多量に含んだ悪臭を放つ黒い汚泥状のなかに水道管が埋められていることが判明した。そして化学反応の安定性が高いと言われる鉛管の給水管の一部が腐蝕して穴があいている箇所も発見された。岡山市の調査によればこの時の地下水と土壌から硫酸イオンが検出された。
二 両備バス株式会社は、原告ら住民の不安の訴えに対し、土壌汚染の原因を探るべく、土地履歴の調査、ボーリングによる土壌調査などの申し入れがなされ、調査が実施された。同年9月28日原告らに土壌汚染の実態と原因が知らされた。同社の報告によっても、3地点のボーリング調査の結果は、環境基準値の約27倍のトリクロロエチレン、約26倍のベンゼン、6倍のシスー1,2−ジクロロエチレンが検出された。また、地下約5メートル付近では金属片やボロ切れなどが発見された。同年12月に実施された電気探査の結果によれば、地盤が不安定で地盤沈下を起こしやすい状況となっていることが判明している。平成19年4月9日、原告岩野方の敷地を、敷地内において検査機関に土壌調査を私的に依頼し実施したところ
(1)表層土壌ガス調査の結果、全ての調査位置においてベンゼンが検出された。
(2)土壌調査の結果、ベンゼン、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が土壌溶出基準を超えていたこと
(3)土壌調査の結果、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が指定基準を超えていたこと等々が明らかとなった。
三 本件団地内においては表層土においてガスが発生して臭気が漂い、土壌の性状が不安定となっていて地盤沈下の畏れがある。その臭気には発ガン性物質であるベンゼンが含まれているなど健康被害が懸念されている。有害物質を含んだ地盤の安定しない宅地であり、そもそも人が安心して安全に暮らせる団地ではない。地盤からのこのガスの発生で、原告○○方のガス漏れ警報器が作動することもあり、安心して居住できる環境にない。
5、被告会社の責任
一 被告会社は、旭油化株式会社が汚染し続けた土壌はもはや操業をやめさせるしかないほど危険な回復しがたいものであり、そのままでは小鳥の森団地の販売を継続することはできないと認識し、旭油化株式会社の操業中止とその敷地を購入して旭油化を退去させてその問題解決を図った。そして、その土壌が有害物質で汚染されていることを十分に認識して旭油化株式会社の敷地を買収した。
二 そのような有害で危険な土壌であることを認識しながら宅地として危険物質を残したまま造成し、分譲を続けた。購入者にはこのような危険な土壌であり住宅地として不適なことを秘匿して分譲した。そして、発ガン物質を含むガスが発生して危険な状況になっていても放置したままであった。
三 平成16年7月に、岡山市水道局による水道工事によって、本件団地が有害物質で汚染された危険な造成地であることが表面化しても、直ちに健康に被害をもたらすものではないと抜本的な対策をとろうとしなかった。
6、原告の損害
別紙原告の損害記載のとおり
7、被告会社は、抜本的な無害化工事を実施しなければとうてい造成地としてはならない汚染土壌のある旭油化の工場敷地を、危険な有害物質に汚染された土壌に表層土を盛り土して造成しただけで販売した。
さらに、そのように危険な造成地であるから管理を継続し、危険な兆候があれば直ちに対応しなければならないのにこれを怠り、最後までこの事実を隠蔽したまま何らの管理もしないで販売を継続した。汚染の事実が表面化しても危険はないと断言して、原告らに対して何らの対策をとろうとしなかった。
これらその都度の方針は被告会社の方針として取締役会で決定されて実行され、あるいは不作為となったものである。その結果、各原告は6項記載の通りの損害を被った。
提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として「両備ホールディングス株式会社は法廷で全面的に争う」との2007年7月28日付け回答書を受けて岡山地方裁判所へ提訴しました。訴状の続きです。
よって、被告は、不法行為を原因とし(民法44条1項、同709条)、各原告に発生した損害の支払いと原告が被告会社の加害行為による被害であると認識した平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員の支払いを求める。
附属書類
1 訴状副本 1通
2 商業登記現在事項証明書 1通
3 訴訟委任状 3通
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ATCグリーンエコプラザで講演した桃花台や小鳥が丘の住民達
大阪市大の畑明郎先生と環境カウンセラーの藤原きよみさん
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2009年10月23日(金)
小鳥が丘住宅団地土壌汚染第13回裁判
2009年10月20日(火)16時から岡山地方裁判所353号法廷で第13回口頭弁論準備手続きが行われました。
今回は原告住民3名の陳述書を裁判所に提出しました。
前回ブログ掲載以降の裁判経過ですが、
住民訴訟第一次(3世帯)は環境総合研究所に現地地質調査分析を依頼し2009年6月13日に職員を現地に派遣してもらい住民による調査サンプル採取を行いました。
(モニター井戸水質3か所、原告敷地駐車場土壌1か所、沼川護岸擁護壁付着物1か所、合計5か所)
7月9日に調査分析報告書が送られてきましたが、護岸の付着物もはっきりと油分が検出されていました。いずれも汚染の程度は著しいものとなっていましたので早速、調査報告書は証拠として裁判所に提出しました。
裁判長は冒頭、住民訴訟第二次(18世帯)は、現在、(不動産)鑑定準備中ですと述べた後、
(裁判長)
こちら(住民訴訟第一次3世帯)は、今までの準備資料で結審に向かっていいですね。
瑕疵担保責任・不法行為で争うのですね。
当該物件は原告3名共、被告から取得したものですか?
第二次(18世帯)には時効の問題がある人がいますが、こちらは時効の問題はありませんね。
(原告代理人河田弁護士)
先日提出した各原告の陳述書で全てです。
原告2名は土地建物すべて新築物件として被告から取得したものですが、原告1名だけは、被告の仲介で、中古物件として取得していますので瑕疵担保責任ではなく不法行為で争います。
時効の問題は原告3名共ありません。
(裁判長)
では次回は原告本人尋問を、一人30分程度行い、被告反対尋問を予定します。
午前中では時間が足らないことがあるので午後の時間帯に行います。
以上のような質疑応答があり、日程調整の結果、次回は12月8日(火)13時30分〜16時30分に決まりました。
住民訴訟第二次(18世帯)は、前回原告住民が土壌改良の為の土壌調査を求めて学者の土壌調査方法等の資料を提出しましたが、調査費用の見積もりが高額になり(約7千万円)とても負担しきれない事が判明したので、調査範囲を絞り込むなどして再度調査方法を検討し費用7百万円を見積もり、原告住民と被告両備ホールディングスで折半負担を提案しました。
裁判所も被告両備に鑑定費用を半分持てという勧告を出しましたが両備側は固辞したようです。
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後5年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス?の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯も続いて提訴し係争中です。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
http://www.geocities.jp/kotorigaoka/
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2009年4月15日(水)
環境委員会で小鳥が丘土壌汚染問題!
参議院環境委員会2009年4月14日で「岡山市小鳥が丘団地土壌汚染問題」が取り上げられました。
「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」に関する参考人の意見聴取で、川田龍平議員の質問に参考人の畑 明朗氏(大阪市立大学大学院特任教授、日本環境学会会長)が答えました。
映像は参議院ホームページ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php
「カレンダー」から「2009年4月14日」を選び
「環境委員会」を選び
「動画形式」から再生し
(02:35:10)時間中
(02:26:10)から(02:29:33)の部分です。
質問要旨は、川田龍平議員ホームページ
http://ryuheikawada.seesaa.net/article/117456885.html
2009年4月14日です。
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2008年12月28日(日)
不思議なテレビ放映中止報道ステーション!その1
2007年1月の事、テレビ朝日報道番組「報道ステーション」から取材の申し込みが来ました。
他の環境汚染現場の取材中に「岡山市小鳥が丘団地」土壌汚染の情報を聞いたとのことでした。
承諾すると、ディレクターが下見として視察し2007年2月1日10時頃から翌日2月2日の2日間に渡り住民聞き取り調査・現場撮影・地層掘削段取り等行いました。
正式な取材日程は決まり次第連絡するとのことでした。
数日後、連絡があり、スケジュール表が送られてきて数日にわたり取材が行われました。
住民へのインタビュー、学者による地質調査、20年前の汚染発生時を知る人の聞き取り調査等、学者、ニュースキャスターや最大2組のマイクとカメラマンを動員しての大がかりな取材でした。
土壌汚染改良方法については異なる意見がある住民も、何とかしなくてはという気持ちは同じで、ほとんどの住民が取材に協力しました。
小鳥が丘団地の取材を終え、テレビディレクターはニュース公平性のため次週は宅地造成販売した両備バス?を取材するとのことでした。
しかし2〜3日後、両備バス?を取材しているはずなのに、テレビディレクターから放映を延期すると連絡が入りました。
理由は土壌汚染に対する住民の意見がまとまっていないからだということでしたが納得がいきませんでした。
次回「報道ステーション」から送られてきた取材スケジュール表を掲載します。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20081228
不思議なテレビ放映中止報道ステーション!その2
2007年2月、テレビ朝日報道番組「報道ステーション」取材内容を掲載します。
(報道ステーションディレクターから小鳥が丘団地救済協議会に送られてきたスケジュール表です)
「小鳥が丘団地・地質汚染」撮影スケジュール
2月9日(金曜日)
○○(報道ステーションディレクター氏名)・岡山入り。
12日に重機を入れる△△△△(会社名)の○○氏が岩野宅下見。
13時 岩野氏と取材打ち合わせ。
夕方○○氏(取材を受ける別の住民)と取材打ち合わせ。
2月10日(土曜日)
旭油化元関係者、当時の様子を知る周辺住民に聞き取り取材。
2月11日(日曜日)
夕方、長野智子(ながの・ともこ)キャスター 楡井久先生、 岡山前のり。
17時ごろから、岩野氏宅 ・ ○○氏宅
現在の状況、健康被害などを長野智子キャスターが聞き取り取材。
2月12日(月曜日・祝日)
8時過ぎめど
地表のガス噴出検査。
午後から岩野宅、庭を掘り起こし
NPO「日本地質汚染審査機構」 楡井久(にれい・ひさし)先生の立会いで検査を行います。
長野智子キャスターも立会い。
不思議なテレビ放映中止報道ステーション!その3
前回掲載の、テレビ朝日報道番組「報道ステーション」取材スケジュール表に記載された地質調査で、庭を掘削中、あたりに悪臭が漂い、「クサイ」を通り越して鼻が痛くなる程の刺激臭で、その場に居られなくて逃げ出すほどでした。
汚染調査を行っていた地質学者の楡井教授にインタビューしていたニュースキャスターの長野智子氏は、あまりの悪臭に「マスクを買ってきて!」と、その場にシャガミ込みました。
その場にいた人は誰でも尋常な臭気ではないと認識したはずです。
掘削用敷地の提供、インタビューの応答、情報提供、20年前の汚染発生時の証人取材の道案内等、取材には住民も全面的に協力しました。
それでもテレビ放映中断となったのです。放映の中断はテレビ局の都合としても、地質調査分析の結果報告を要望しましたが、それも断られました。
複数の住民が放映希望の連絡を入れましたが、そのうち連絡が取れなくなりました。テレビ局が多額の費用をかけて取材したものを何故途中で中断したのか、今でも疑念が晴れません。
結
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2008年11月20日(木)
小鳥が丘土壌汚染第9回裁判!その1
2008年11月17(月)13時30分から岡山地方裁判所で第9回口頭弁論準備手続きが行われました。
裁判所は詳細な土壌汚染実態を把握したい意向ですが多額の費用を要する土壌調査を原告住民に求めても非現実的である事は承知しているようです。
裁判長は、午前中に行われた18世帯住民の口頭弁論で原告住民から、土壌改良の為に学者の土壌調査方法等の資料、が提出され、被告両備ホールディングスにも応分の費用負担を求めたが、被告側から拒否されたとの事でした。
住民3世帯の原告代理人弁護士は、「小鳥が丘団地」が土壌汚染である事は今までの資料でも、また裁判所現地検証でも明らかであり、こちらの原告住民は立証提出資料の通り自費で自宅の土壌調査をし、汚染物質が検出されている、住宅地としてその目的を達することのできない欠陥住宅地である、住宅地として問題ないと言うならそれを立証すべきと答弁した。
今回は住民18世帯が求めている土壌調査の推移を待つ事になった。
被告両備ホールディングスは原告立証の原則により被告側は何もする気は無い趣旨の答弁があった。
小鳥が丘土壌汚染第9回裁判!その2
2008年11月17(月)13時30分から行われた第9回裁判に原告側(3世帯住民)が提出した準備書面を掲載します。
平成19年(ワ)第1352号損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
準 備 書 面
平成20年11月17日
岡山地方裁判所 第1民事部 御中
原告代理人弁護士 河 田 英 正
第1,被告の故意、過失について
1,原告等の居住する団地は、被告会社が宅地造成し原告等に販売した(争いのない事実)。
2,本件土地は被告会社が、旭油化工業株式会社から購入したものである(争いのない事実)。
3,本件土地を被告会社が購入して宅地造成することになったのは、当時、旭油化株式会社が既にその工場内に大量の汚泥や産業廃棄物を放置し、周辺に悪臭を漂わせ、河川には死魚が浮かぶなどの公害が発生していて、社会問題になっていたことにある(甲1号証の1,2,甲10号証の1ないし7)。旭油化株式会社は廃油貯蔵タンクの底から直接土中に油分を吸収させるなど無謀な処理をしていて、敷地内はこの油泥で汚染されていた。油泥の一部は、産業不法投棄事件で有名になった豊島にも運ばれるなど不法な処理がなされていた。
4,昭和57年7月27日に岡山簡易裁判所において、隣接する土地を小鳥の森団地として販売していた被告会社と旭油化株式会社はこの悪臭などの公害問題に関し和解を成立させ(甲3号証)、実質的には、この汚泥等の処理費用を全額被告会社が負担して、旭油化工業は本件土地を明け渡し、被告会社がこの土地を取得した。
この時点で被告会社は、旭油化株式会社が、これら汚泥などを自力で撤去することは不可能であることを前提で和解を成立させている。つまり、被告会社が同社の工場等の撤去費用は、被告会社が負担し、旭油化に支払うが、約束が守られなければ損害賠償金として支払った撤去費用以上の金額の損害金を請求できるとしていた。このとき、被告会社は、油泥が土中に浸透し、汚染が工場跡地の土中に拡大していた本件土地の汚染の実態は十分に認識があった。
なお、本件土地から立ち退いた旭油化工業株式会社は別会社を設立し、赤磐郡吉井町草生地区で新たに操業を始めたが、同様の不法な処理を繰り返したため、直ちに悪臭などの公害問題を地域周辺に発生させ、その地区から退去せざるを得なくなっていた(甲7号証)。
(第1,被告の故意、過失について)
5,このような激しい汚染の実態があったにも関わらず、ごく一部の土壌を搬出除去し、表層土に生石灰を混入させて中和凝固させただけの簡便な対策にとどめたままで宅地造成し、原告等に販売した。
この対策が十分でなかったことは、現在生じている汚染の実態からも明白である。土中に浸透していた油泥が拡散し、覆土したはずの表層土にまでその汚染がでてきたため、宅地を掘ればすぐに油分を含んだ黒く変色した土壌が露出してきている(甲15号証)。
当時の汚染の実態からみると、事前に十分な汚染の実態を調査し、この宅地の油泥となって地中に浸透した土壌の成分をしっかりと把握して、その危険な成分を含む土壌を完全に搬出除去すべきであったにも関わらず、簡単に覆土をして一見なんら問題のない住宅地として仮装して販売した。
これらの事実を知らない原告らに汚染の実態についてなんら説明しないまま、四六時中生活し生涯の住居として住み続けなければならない住宅地として販売し、原告等は自然豊かな環境に恵まれた被告会社の販売する優良な住宅地であると誤信して購入した。
被告会社は、十分なる有害物質除去が行われなければ、住宅地としての安全が害されることになる現在の状況は認識すべきであり、被告会社の過失の存在は従前から述べているとおり明らかである。
また、土壌汚染の被害が出ないと軽信していたのであれば、前記のような経過をたどって販売された住宅地なのだから、販売後もその汚染が広がらないように常に監視し、その汚染が顕在化すれば、ただちにその汚染の経緯を原告等購入者に説明し、汚染が拡大しないよう汚染除去などをする義務があるというべきである。
第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態
1,株式会社ニッテクリサーチが平成19年4月に実施した『調査結果報告書(土壌汚染状況調査業務)』(甲4号証の1,2)から少なくとも以下のことが明らかにされている。
?表層土壌ガス調査の結果、全ての調査位置においてベンゼンが検出され、土壌中からベンゼンが揮発している。
?土壌調査の結果、ベンゼン、シアン化合物、鉛、ヒ素などが土壌溶出基準を超えており、土壌がこれらの有害物質で汚染されている。
?土壌調査の結果、土壌含有量基準を満足しているが、鉛、ヒ素、ふっ素、ほう素などの有害物質が検出されている。
?したがって小鳥が丘団地の土壌はベンゼン、シアン化合物、鉛、ヒ素などの有害物質で汚染されていると言える。
(第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態)
2,乙第5〜18号証について
?岡山市役所環境規制課実施の『地下水・土壌分析結果』2004年7月(乙第5・6号証)によれば、○○宅付近の地下水からヒ素が環境基準の15倍、ベンゼンが31倍検出され、土壌からヒ素、ふっ素、ほう素が環境基準以下ながら検出された。
?株式会社三友土質エンジニアリングの『南古都概況調査分析結果』2004年9月(乙第7号証)によれば、3箇所のボーリング調査(深さ1〜5m)でヒ素が土壌溶出基準の1.7〜3.2倍、ベンゼンが0.5〜26倍、トリクロロエチレンが約27倍、シス-1・2-ジクロロエチレンが約6倍検出された。また、油分が1.3〜1.9重量%検出され、油で汚染されている。
?同『南古都表層土壌調査分析結果について』2004年10月(乙第10号証)によれば、ベンゼンが34箇所中8箇所で土壌溶出基準を超え、最高11倍検出された。トリクロロエチレンは1箇所、シス-1・2-ジクロロエチレンは2箇所、ヒ素は5箇所が基準を超え、最高3倍程度だった。
?財団法人岡山県環境保全事業団の『調査結果報告書(南古都団地内ガス調査業務』2004年12月(乙第14号証)によれば、表層土壌ガス調査ですべての地点でベンゼンが検知されたほか、特定の地点でジクロロメタン、シス-1・2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、などが検出され、土壌からベンゼンなどの揮発性物質(VOC)が揮発している。
硫化水素に加えてメタンがすべての地点で比較的高濃度(3.2〜68%)で検出されたことから、地層内では有機物の嫌気制分解が相当程度進行しており、硫化水素の毒性や、メタンが引火・爆発する危険性がある。
環境大気調査では、大気環境基準以下であるが、ベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの揮発性物質が検出されており、環境大気が汚染されている。
?応用地質?の『電気探査結果』2004年12月(乙第15号証)によれば、全体に低比抵抗であり、1%以上の油分によるとしている。とくに、タンク跡は油の漏洩を示している。
?財団法人岡山県環境保全事業団の『調査結果報告書(南古都団地内土壌化学性状調査業務)』2005年3月(乙第18号証)によれば、ヘキサン抽出物質量(油分)が0.1〜10%検出され、含水率や溶解性塩類濃度が高いことが確認されている。つまり、油分、水分、塩分などが多く含まれる汚染土壌の団塊が確認された。
?旭油化は、廃油の処理を貯蔵タンクから直接、工場敷地に投入していた事実があったと原告は主張しているが、電気探査の結果(甲15号証)からもタンク跡は油の漏洩があること、タンク跡にタテ型の低比抵抗ゾーンは上に尖った形状を呈するものがあるなどそのことが推認される結果となっている。
(第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態)
3,甲15号証 平成20年5月30日に行われた現地での検証の様子を記録したものである。本件団地のどこを掘っても、表層土が黒くなっていて、深く掘るに従ってその汚染度が激しくなっていて、異臭が漂うことが確認された。汚染は、本件団地全体に広がっていることが明らかとなっている。
(第2,証拠上明らかとなっている汚染の実態)
4,被告調査による判断の問題点
?南古都?環境対策委員会の『表層土壌調査(10/4〜6)に対する意見書』(乙第9号証)は、
「地域の一部の表層土壌から検出された物質は、以前敷地内に立地していた旭油化の機械洗浄の溶剤である可能性が高い。」
とするが、機械洗浄の溶剤とする根拠はない。
また、
「一部の検体に基準値を超えるものがあるが、非常に高濃度ということではないこと、かつ34検体中8点と全体に拡散していないこと、土中にあること、周辺の地下水の汚染がないこと等を勘案すれば、日常生活上今すぐ重大な問題になるとは考えにくい。」
とするが、
「基準値を超える汚染土壌が約4分の1に存在すること、団地内の地下水汚染が存在すること、周辺の地下水汚染は充分調査されていないこと、ベンゼン、トリクロロエチレンなどの揮発性物質は、日常的に揮発し、人体に発ガンなどの悪影響があること」
から、将来、健康影響が出る可能性は否定できない。
?南古都?環境対策委員会の『2004年11月2日付の小鳥が丘環境対策委員会に対する回答書』(乙第13号証)は、
「これらの基準は、動物実験や工場での作業労働者が化学物質に暴露されて健康影響が出る値に安全率(通常数十倍や数千倍の単位)値を掛けて策定されているので、基準値を超えたからといってすぐに健康影響(急性中毒症状や発ガン)が出るものでない。・・・住宅の下にある土壌から健康影響が出る可能性は低いと考えられる」
とするが、ベンゼンなどの発ガン物質の環境基準値は、10万人に一人が発ガンすること、そもそも環境基準は急性中毒でなく慢性中毒を起こすレベルとして設定されていること、汚染土壌は住宅の下だけでなく、住宅周辺の庭などに存在し、土ぼこりとして人体に摂取されることなどから、環境基準を超える土壌に接すると長期的に健康に悪影響を与えると考えられる。悪臭のする庭で子供たちが土いじりなどして遊ぶことによる人体への影響は、極めて危険な状態である。
?南古都?環境対策委員会の2004年12月27日付け『意見書』(乙第16号証)は、「汚染源は、汚染原因者である旭油化工業株式会社が設置した(タンク等の)施設から漏洩した汚染物質や、同社が表土を開削して廃棄した汚染物質である可能性が高い。これらの汚染物質が表層土から浸透し、地中に拡散したものと推測される」とし、乙9号証における「機械洗浄の溶剤原因説」を自ら否定する結果となっている。
?南古都?環境対策委員会の2005年3月28日付『意見書』(乙第17号証)は、「現状の生活環境においては異臭による不快感はあるものの、健康への影響が直ちに懸念されるものではない」とするが、「汚染土壌から日常的に揮発するベンゼン、トリクロロエチレンなどの発ガン物質、急性毒性のある硫化水素が発生、引火性や爆発の危険性のあるメタンの高濃度発生」などを考慮すると、異臭による不快感だけでなく、長期的な健康への悪影響が懸念される。
?岡山市環境規制課実施の『古都地区周辺環境調査一覧表』(乙第20号証)は、「井戸の深さが不明であること、地下水脈の調査がされていないこと」などから、地下水汚染調査としては不十分であり、これをもって「周辺の地下水汚染がない」と結論できない。
結
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20081120
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小鳥が丘住宅団地土壌汚染第7回裁判
2008年7月9日(水)15時から岡山地方裁判所353号法廷で第7回口頭弁論準備手続きが行われました。
2008年5月30日に行われた裁判所現地視察で、住民が5箇所の宅地を掘削し、いずれの箇所も油分で汚染された真っ黒い地層と刺激臭のある油系の悪臭が、浅い地層から確認されました。
この事でも明らかなように住宅地としてはその目的を達することのできない欠陥住宅地であるとの準備書面と5月30日現地視察の録画DVDを裁判所に提出しました。
裁判所としては複数の公平な学者の意見を参考にしたいので、その前提として被告両備ホールディングス株式会社が主張し証拠資料とした「意見書」を答申した、両備バス?設立の「南古都?環境対策検討委員会」、の会議録原本を提出することを打診しています。
被告両備ホールディングス株式会社は、会議録は持っていないし提出すべき文書ではないと拒否しています。
そのため裁判所で提出命令ができる文書か検討し8月8日までに決定するとの事。(要件該当文書であれば8月9日に裁判所が文書提出命令を出します)
「南古都?環境対策検討委員会」
住民不在の両備バス?私設委員会
http://www.geocities.jp/kotorigaoka/sisetsuiinkai01.html
もう一件の住民18世帯の裁判と同期進行したいので、次回の第8回口頭弁論準備手続きは2008年9月29日(月)に決まりました。
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裁判所による小鳥が丘団地土壌汚染現場検証
2008年5月30日13時30分から裁判所による「小鳥が丘団地」土壌汚染現場検証が行われました。
裁判官、原告住民および弁護士や学者、被告弁護士が、多くのマスコミや関係者の見守るなか、小鳥が丘団地内を見て回りました。
各家庭の庭や駐車場を住民が削岩機で3箇所、ユンボで2箇所を掘削しましたが、どこの庭や駐車場も少し掘れば真黒い土と頭が痛くなるような刺激臭がありました。
油にまみれた土壌が目詰まりした時のように雨水や地下水の浸透を妨げているようでした。
あと地盤沈下で下がった塀や、油や石灰と思われる液体が滲み出ている擁癖や、玄関前側溝から可燃性ガス(2005年11月に地元消防署が確認)の泡が吹き出している箇所を住民が説明し15時30分頃終了しました。
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川田龍平議員が環境委員会で質問
参議院環境委員会「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」審議で川田龍平議員の質問に「小鳥が丘団地土壌汚染問題」が取り上げられていましたので転載します。
http://ryuheikawada.seesaa.net/article/97567775.html#more
2008年5月22日(木)
テーマ:「土壌汚染対策法の一部を改正する法律案」
0 改正案について・・・・・・・
実際に、全国でこうした類似ケースや土壌汚染による紛争も多発しており、土壌汚染対策法の改正が求められていることは確かです。静岡県沼津市のJR高架化にともなう駅周辺事業の区画整理事業でもJR用地の鉛汚染や愛知県小牧市や千葉県八千代市の都市再生機構開発の住宅開発に伴う重金属土壌汚染、岡山市も小鳥が丘でのトリクロロエチレン汚染など、新聞を見ていても数多くの事件が報道されています。
1 岡山市トリクロロエチレン
岡山市の小鳥が丘団地のケースのような、過去の売買後住宅が建設され20年経過後に水道工事の際に、石鹸会社のトリクロロエチレンの土壌汚染が明らかとなり、訴訟に至っているケースがあります。こうしたケースは現行法での対応と改正法ではどのような対応となるのか?・・・・・・・
映像は参議院ホームページ
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php
「カレンダー」から「5月22日」を選び
「環境委員会」を選び
「動画形式」から再生し
(02:45:40)時間中
(02:17:08)から(02:25:51)の部分です。
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小牧市桃花台地盤沈下問題でテレビ報道番組
住宅地土壌汚染・地盤沈下問題の同じ被害者として闘っている愛知県小牧市「桃花台城山地区地盤沈下問題を考える会」からテレビ報道されるとの連絡が入りました。
2008年5月25日、日本テレビ報道番組 【バンキシャ!】で桃花台の地盤沈下問題が取り上げられます。地盤沈下問題が起きている地区の一地域としての放映です。
関心のある方は是非、見てください。
愛知県小牧市桃花台「土壌汚染・地盤沈下問題を考える会」代表は小鳥が丘団地に何度か訪問され、小鳥が丘土壌汚染フォーラムに出席・現地報告もしていただきました。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20071102
2008年5月30日に行われる裁判所の小鳥が丘団地現地検証にも立会いされます。
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小鳥が丘団地汚染問題掲載記事2008年5月その7
岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染は、発覚後4年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス?の考えが平行線のままで裁判に発展しています。住民3世帯が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯も続いて提訴し係争中です。小鳥が丘団地土壌汚染公害問題を扱った記事を転載します。
若井たつこ市会議員、岡山市議会にて2008年3月6日個人質問
小鳥が丘団地の土壌汚染に関して、固定資産税の減免措置について
http://wakai-wakai.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_d733.html
個人質問
小鳥が丘団地の土壌汚染に関して、固定資産税の減免をお願いしましたが「規定がないので国の法整備を待って」とにべもない答弁でした。
愛知県の小牧市では減免措置をとってますし、岡山市税条例50条にも当てはまる言葉があります。開発した民間企業と裁判になり、長期化する様相なのに、困っている市民に冷たいですよね。小牧市の減免は2割、小鳥が丘は34軒しかありません。「東京から終の住家と引っ越したのに…」と肩を落とした初老の女性の姿が目に焼き付いています。
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小鳥が丘団地汚染問題掲載記事2008年5月その1
岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染は、発覚後4年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス?の考えが平行線のままで裁判に発展しています。住民3世帯が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯も続いて提訴し係争中です。小鳥が丘団地土壌汚染公害問題を扱った記事を転載します。
環境新聞2008年3月5日
土壌汚染現場の最前線 1 小鳥が丘からの手紙編?
打開の道見えぬまま3年半 汚染原因者不在のまま 住民と開発業者で民訴
土壌汚染対策法が施行されて五年が経過した状況の中、土対法を始めとした関連制度では改善できないケースや土対法が制定された当初想定されなかった問題が各方面で表面化している。土対法の見直しの検討も進められているが、土壌汚染を巡る現場ではどのようなことが起きているのか。
この連載では土壌汚染を巡る様々な課題を現場の取材などを通じて紹介していく。一回目のシリーズでは、汚染原因者不在のまま住民と宅地開発業者の民事訴訟にまで発展してしまった岡山市の「小鳥が丘団地」土壌汚染問題に焦点を当てる。
(2008/03/05)
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=293
環境新聞2008年3月12日
土壌汚染現場の最前線 2 小鳥が丘からの手紙編?
原因者不在が混乱の要因 急がれる健康被害と汚染の関係解明
関係者間の温度差が生じている「小鳥が丘団地」土壌汚染問題は、汚染原因者不在が混乱の要因となっている。この土壌汚染がどのように発生したのかとともに、現在の現地で具体的にどのような問題が起きているのかを紹介する。
問題の原因そもそもこの土壌汚染は何なのか。「小鳥が丘団地」の住民らが集めた資料写真には、雑然とした衛生的とは言えない状態の土地が撮影されている。同団地造成前に存在した事業場の写真だ。
両備バス(現・両備ホールディングス)が一九八二年に開発する前、一九七四年に廃棄物処理業の許可を取得した事業者が所有し、この場所で廃油などから石鹸やペンキの原料を製造していたという。こうした事実は開発業者の両備バスも把握しているが、「実際にはどのような行為が行われていたかは分からない」と両備ホールディングスグループの両備不動産担当者は話す。
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=298
環境新聞2008年3月19日
土壌汚染現場の最前線 3 小鳥が丘からの手紙編?
健康リスク以外にも波及 現行の制度では解消難しい問題
土壌汚染問題は、汚染地での健康問題とともに地下水などを通じて周辺地域への拡散による健康リスクの問題も抱えるほか、不動産価値など土地に関係する様々な分野にも大きな影響を及ぼす。小鳥が丘団地土壌汚染問題も例外ではなく、現行の制度では解消が難しい様々な問題を抱え、もがいている。
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=303
環境新聞 2008年3月26日
土壌汚染現場の最前線 4 小鳥が丘からの手紙編?
救済に至らない土対法の現状 横たわる費用負担問題 揮発系リスクでも提起
市街地土壌汚染問題の解決に向けた法制度には土壌汚染対策法があるが、小鳥が丘団地土壌汚染問題の救済には今のところ至らず、土対法の課題も浮き彫りにしていると言える。個人の土地所有者を考慮した費用負担のあり方や現在基準が設定されていない揮発系の健康リスクなどが浮かび上がる。(2008/03/26)
環境新聞 2008年4月9日
土壌汚染現場の最前線 5 小鳥が丘からの手紙編?
開発業者の認識がポイント 予見困難と請求却下した判例も
小鳥が丘団地を巡る土壌汚染は住民と両備ホールディングス(HD)の民事訴訟に発展し、今月四日には第五回口頭弁論も行われた。裁判の焦点は責任の所在。それを巡り混迷するこの訴訟は、小鳥が丘団地が開発された一九八二年当時、健康被害にまで影響する可能性がある土壌汚染の概念を開発業者が認識できたかどうかがポイントになりそうだ。(名古屋悟)
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showbody.cgi?CCODE=56&NCODE=324
環境新聞 2008年4月16日
土壌汚染現場の最前線 6 小鳥が丘からの手紙編?
リスコミの重要性と難しさ 土地の将来のあり方 当初から考えに相違
住民、両備ホールディングス(両備HD)双方の話を聞くとその考え方や動きでの温度差が色濃く伝わってくる。「小鳥が丘団地」土壌汚染問題は、明確化されていない責任所在のあり方とともに、リスクコミュニケーションの重要性と難しさも浮き彫りにしている。
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2008年2月18日(月)
岡山地裁で土壌汚染の民事裁判始まる!その1
岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染公害問題は、以前産業廃棄物を工場敷地内に投棄していた公害工場跡地を取得した両備バス株式会社が廃棄物を除去せず宅地造成し、住民に説明せずに販売したのが原因です。
公害工場操業時には地面に大量の廃油を長期間垂れ流し工場敷地内は油泥のような土壌となり隣接する川に油膜が張り死んだ魚が浮くようになって深刻な公害を発生させていました。
その有害物質が撤去されず造成され現在も宅地表層に存在し、そのため土地建物の資産価値は無くなるのみならず住民に健康被害が発生しています。両備バスは抜本的な対策を取ろうとせず住民が2007年8月31日に民事提訴した経緯は、“両備バスを岡山地裁に提訴!”(住民たちのブログ2007年11月20日〜)に記載しましたが、その後の経過です。
2007年11月13日に第1回口頭弁論が岡山地方裁判所において始まりました。
10時15分裁判官3名が着座し、原告側は代理人河田英正弁護士が、被告側は代理人菊池捷男弁護士を含む3名が法廷に立ち、私たちを含む30名弱が傍聴しました。
口頭弁論の様子です。
原告代理人は、予め提出した訴状の通りですと述べました。
(住民たちのブログ2007年11月25日〜 “両備バスを岡山地裁に提訴その6!〜”掲載)
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20071125
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訴状
平成19年8月31日
岡山地方裁判所民事部 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 藤原 康 〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 ○○○○ 〒709−0611 岡山市楢原×××
原告 ○○○○
〒700−0816 岡山市富田町二丁目7番8号 石橋第3ビル3階
河田英正法律事務所(送達場所)
上記訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
電話 086−231−
FAX 086−231−
〒704−8112 岡山市西大寺上1丁目1番50号
被告 両備ホールディングス株式会社
被告代表者代表取締役 小嶋光信
損害賠償請求事件
訴訟物の価額 227,898,580円
ちょう用印紙額 704,000円
第1 請求の趣旨
1、被告は、原告○○○○に対して58,897,520円、同○○○○に対して58,759,670円、同○○○○に対して110,241,390円とそれぞれこれに対する平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員を支払え
2、訴訟費用は被告の負担とする
3、仮執行宣言
第2 請求の原因
1、当事者
一 被告会社は、昭和11年5月25日に両備バス株式会社として設立され、平成19年4月1日に両備ホールディングス株式会社と商号変更された資本金4億円の株式会社であり、自動車、船舶による旅客、貨物の運送業、観光事業、不動産の所有・売買・賃貸仲介などを業務としている。
二 原告らは、両備バス株式会社が造成した小鳥が丘団地に住居を有し、居住している者である。
2、小鳥が丘団地造成前
一 本件造成地には、廃油等を利用して石鹸を製造していた旭油化工業株式会社の工場があった。
二 同社は、業績不振のなか、昭和49年11月19日に新たに廃棄物処理業の許可を取り阪神、北九州方面の企業から産業廃棄物としての廃油を集めてその処理を始めた。その頃から、廃油処理工場からは廃油処理の黒煙が不気味に立ち上っていた。地域周辺に悪臭がたちこめ、近くを流れる沼川には油膜が張ったり、死んだ魚が浮き上がってくるなどの現象が見られた。廃油を貯蔵していたタンクが設置されていたが、その装置は単に土壌に廃油を吸い込ませる装置であったようであり、タンクの底は直接土壌に接して廃油が不法に処分されていた。そのタンクの位置は土壌への吸収が悪くなると敷地内で場所が移動されていた。そして、工場敷地内には腐敗した油脂を入れたドラム缶が散乱して放置されていて、その腐敗した油脂が敷地内の土地にこびりつき、恒常的に悪臭を発生させていた。
三 両備バス株式会社は、この旭油化工業株式会社の工場北側に既に団地(小鳥の森団地)を造成し、住民が居住していた。その住民からも旭油化株式会社の産業廃棄物処理業を始めたことによる悪臭などの環境悪化の苦情が造成・販売した両備バス株式会社などに苦情が寄せられるようになった。このころ岡山県や岡山市の公害課が何度も行政指導を繰り返していたが、何ら対策が講じられなかった。
3、両備バス株式会社の本件土地の宅地造成
一 両備バス株式会社は、上記のとおり旭油化株式会社が操業している土地の北側に小鳥の森団地(37000平方メートル)を造成・販売していた。この分譲地を購入して居住している住民から、上記のとおり苦情が寄せられるようになり、両備バス株式会社は旭油化株式会社に対して強く改善方を要求していたが、一向に改善されることはなかった。両備バス株式会社の小鳥の森団地の販売が困難な状況となっていた。
(1)旭油化株式会社は昭和57年10月31日限り操業を停止し、同年12月31日までに本件土地上の全ての建物および地下工作物を撤去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及びアスファルト、土地上の油脂付着物を除去して明け渡す。
(2)両備バス株式会社は、旭油化株式会社に対して建物撤去費用、移転補償などとして6690万円を支払う。
(3)両備バス株式会社は、旭油化株式会社の工場跡地を一坪あたり6万円、その地上建物を400万円で購入する。
四 こうして、旭油化株式会社の工場跡地を取得した両備バス株式会社は、このそのままでは宅地造成地には適さない工場跡地を昭和62、3年ごろから3区画に分けて有害物質に汚染されたままで宅地に造成し、平成元年頃から分譲を始めた。
4、宅地から有害物質検出の経緯
一 平成16年7月に岡山市から上水道の鉛製給水管をポリエチレン管に取り替えたいとの連絡があり、7月29日に取り替え工事がなされた。取り替えのため給水管を掘り起こしたところ、油分を多量に含んだ悪臭を放つ黒い汚泥状のなかに水道管が埋められていることが判明した。
そして化学反応の安定性が高いと言われる鉛管の給水管の一部が腐蝕して穴があいている箇所も発見された。岡山市の調査によればこの時の地下水と土壌から硫酸イオンが検出された。
二 両備バス株式会社は、原告ら住民の不安の訴えに対し、土壌汚染の原因を探るべく、土地履歴の調査、ボーリングによる土壌調査などの申し入れがなされ、調査が実施された。同年9月28日原告らに土壌汚染の実態と原因が知らされた。同社の報告によっても、3地点のボーリング調査の結果は、環境基準値の約27倍のトリクロロエチレン、約26倍のベンゼン、6倍のシスー1,2−ジクロロエチレンが検出された。
また、地下約5メートル付近では金属片やボロ切れなどが発見された。同年12月に実施された電気探査の結果によれば、地盤が不安定で地盤沈下を起こしやすい状況となっていることが判明している。平成19年4月9日、原告岩野方の敷地を、敷地内において検査機関に土壌調査を私的に依頼し実施したところ
(1)表層土壌ガス調査の結果、全ての調査位置においてベンゼンが検出された。
(2)土壌調査の結果、ベンゼン、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が土壌溶出基準を超えていたこと
(3)土壌調査の結果、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が指定基準を超えていたこと等々が明らかとなった。
三 本件団地内においては表層土においてガスが発生して臭気が漂い、土壌の性状が不安定となっていて地盤沈下の畏れがある。その臭気には発ガン性物質であるベンゼンが含まれているなど健康被害が懸念されている。
有害物質を含んだ地盤の安定しない宅地であり、そもそも人が安心して安全に暮らせる団地ではない。地盤からのこのガスの発生で、原告○○方のガス漏れ警報器が作動することもあり、安心して居住できる環境にない。
5、被告会社の責任
一 被告会社は、旭油化株式会社が汚染し続けた土壌はもはや操業をやめさせるしかないほど危険な回復しがたいものであり、そのままでは小鳥の森団地の販売を継続することはできないと認識し、旭油化株式会社の操業中止とその敷地を購入して旭油化を退去させてその問題解決を図った。
そして、その土壌が有害物質で汚染されていることを十分に認識して旭油化株式会社の敷地を買収した。
二 そのような有害で危険な土壌であることを認識しながら宅地として危険物質を残したまま造成し、分譲を続けた。購入者にはこのような危険な土壌であり住宅地として不適なことを秘匿して分譲した。そして、発ガン物質を含むガスが発生して危険な状況になっていても放置したままであった。
三 平成16年7月に、岡山市水道局による水道工事によって、本件団地が有害物質で汚染された危険な造成地であることが表面化しても、直ちに健康に被害をもたらすものではないと抜本的な対策をとろうとしなかった。
6、原告の損害
別紙原告の損害記載のとおり
7、被告会社は、抜本的な無害化工事を実施しなければとうてい造成地としてはならない汚染土壌のある旭油化の工場敷地を、危険な有害物質に汚染された土壌に表層土を盛り土して造成しただけで販売した。さらに、そのように危険な造成地であるから管理を継続し、危険な兆候があれば直ちに対応しなければならないのにこれを怠り、最後までこの事実を隠蔽したまま何らの管理もしないで販売を継続した。
汚染の事実が表面化しても危険はないと断言して、原告らに対して何らの対策をとろうとしなかった。これらその都度の方針は被告会社の方針として取締役会で決定されて実行され、あるいは不作為となったものである。その結果、各原告は6項記載の通りの損害を被った。
提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として「両備ホールディングス株式会社は法廷で全面的に争う」との2007年7月28日付け回答書を受けて岡山地方裁判所へ提訴しました。訴状の続きです。
よって、被告は、不法行為を原因とし(民法44条1項、同709条)、各原告に発生した損害の支払いと原告が被告会社の加害行為による被害であると認識した平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員の支払いを求める。
附属書類
1 訴状副本 1通
2 商業登記現在事項証明書 1通
3 訴訟委任状 3通
<別紙>
原告損害目録
1、原告 ○○○○
宅地購入年月日 平成2年8月30日
居住開始年月日 平成3年5月3日
居住状況
入居当初は、両親、長男の4人で居住していたが、平成9年に長男が県外に就職のため家を出て、平成12年に父が死亡し、平成14年に母が死亡し、以後一人で居住している。
損害額 58,897,520円
内訳
不動産取得費等 28,897,520円
慰謝料 25,000,000円
弁護士費用 5,000,000円
2、原告 ○○○○
宅地購入年月日 平成5年1月30日
居住開始年月日 平成5年3月16日
居住状況
居住当初から現在まで、妻、長男、長女の4人家族で居住している。
損害額 58,759,670円
内訳 不動産取得費等 28,759,670円
慰謝料 25,000,000円
弁護士費用 5,000,000円
慰謝料、その他の損害発生状況は原告○○と同様。平成6年頃から家族がアレルギー性鼻炎にかかるなどの症状がではじめた。原告は庭での作業中に土壌から発生する有害ガスの影響で倒れ、救急車で病院に搬送されたこともある。原因不明のめまい、頭痛に悩まされてきていた。
3、原告 ○○○○
宅地購入年月日 平成2年6月29日
居住開始年月日 平成3年3月末頃
居住状況
広島に居住していたが、環境の良いところで過ごしたいと考え、本件団地を入手して居住を始めた。夫、長男、長女の4人家族であった。居住用とともに本件建物は夫、長女が整骨院を営むためのものでもあった。現在は、夫は平成15年1月に死亡し、長女夫婦が整骨院を営業している。平成11年頃から、娘夫婦らは別に居住するようになっているが、職場は本件住居に変わりはない。業務の性格上、本件土地での業務継続は困難となっている。
損害額 110,241,390円
内訳 不動産取得費等 80,241,390円
慰謝料 20,000,000円
弁護士費用 10,000,000円
慰謝料、その他の損害発生状況は原告○○と同様。長女、孫らは本件住居に居住していた間は、原因不明の頭痛・皮膚炎などに悩まされていた。長女の夫は、原因不明の咳に悩まされている。
<別紙>
事件番号 平成19年(ワ)第 号
損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
証拠説明書
平成19年8月31日
岡山地方裁判所 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田英正
番号 標目(原本写しの別) 作成年月日 作成者 立証趣旨 備考
1の1 新聞記事 写し S57.6.4 山陽新聞社 造成前の本件土地の状況
1の2 同上 写し S57.7.28 朝日新聞社 汚染土壌の被告の造成方針
1の3 同上 原本 H16.9.30 山陽新聞社 土壌汚染表面化の経緯
1の4 同上 写し H16.9.30 山陽新聞社 同上
1の5 同上 原本 H16.10.1 朝日新聞社 本件土地から有害物質が検出された事実
1の6 同上 原本 H16.10.5 同上 同上
1の7 同上 原本 H16.10.31 山陽新聞社 同上
1の8 同上 原本 H18.6.8 読売新聞社 土壌汚染による健康被害
1の9 同上 原本 H19.5.30 読売新聞社 同上
2の1 週刊金曜日 原本 H18.9.23 株式会社金曜日 本件土壌の汚染と被害の実態
2の2 同上 原本 H18.12.8 株式会社金曜日 同上
3 和解調書 写し S57.7.27 岡山簡易裁判所 被告会社が本件土壌汚染実態を知っていた事実
汚染された土壌の上に居住し、長年にわたり健康に危険な状況にさらされながら日々過ごさざるを得ず、宅地としての価値も無価値となり、本件土地に居住を継続することができなくなった。こうした不安な日々を長期間に家族とともに送らなければならなかった精神的な損害は3000万円を超える。
また新たな安全な居住地に移転しなければならず、本件土地の購入費とこの土地に建物を建築した費用は全く無駄になり、原告に生じた損害である。なお、慰謝料には被害を訴えて懸命に対処を要望したにも関わらず、被告会社の利益を優先して原告らの訴えを無視したので本件訴えを起こさざるをえなかった被告の理不尽な対応に対する精神的損害も含む。
悪臭の漂う住宅地であり、原因不明の頭痛に襲われることがあった。
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被告代理人は、予め提出した答弁書の通りですと述べました。
(住民たちのブログ2007年12月10日〜 “両備バスを岡山地裁に提訴その21!〜”掲載)
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20071210
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平成19年(ワ)第1352号 損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
答弁書
平成19年10月31日
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
〒700−0807 岡山市南方1丁目8番14号
菊池総合法律事務所(送達場所)
被告訴訟代理人
弁護士 菊池 捷男・首藤 和司・財津 唯行・安達 祐一・井田千津子
電話 086−231 FAX 086−225
第1 請求の趣旨に対する答弁
1 原告らの請求をいずれも棄却する
2 訴訟費用は原告らの負担とする
との判決を求める。
第2 請求の原因に対する認否
1 第1項は認める。
2(1)第2項一は認める。正確に言うと、訴外旭油化工業株式会社(以下「旭油化」という)は、大手食用油会社から出る使用済み活性白土(廃白土)を原料として、石鹸やペンキの元となる油を生成する工場である。
(2)同項二は不知。
(3)同項三は認める。但し、「既に」がいつを指すのか不明であるので念のため主張するが、小鳥の森団地は、昭和50年に土地の造成完了、土地の販売開始が同年9月で、住民の居住開始が昭和51年3月ころからである。なお誤解のないように指摘するが、岡山県や岡山市が行政指導を行っていたのは旭油化に対してである。
3
(1)第3項一の事実のうち、両備バス株式会社(以下「両備バス」という。)の小鳥の森団地の販売が困難な状況となっていたとの事実は否認し、その余は認める。
既に昭和56年12月までの段階で、小鳥の森団地全体の約84%にも及ぶ219区画が販売済みだったものであり、同団地の住民から悪臭の苦情が増加したのでこれに対応したものであって、小鳥の森団地の販売が困難な状況になっていたわけではない。
(2)同項二は認める。
(3)同項三は認める。
(4)同項四記載の事実のうち、両備バスが、旭油化から工場跡地を取得したこと、昭和62年頃から3回(但し、正確には「3期」と言うべきである)に渡って宅地造成を行い、順次分譲を行ったことは認め、その余は否認する。
「そのままでは宅地造成地には適さない工場跡地」
とあるが、これが有害物質が存在し、両備バスがそれを認識していたとの趣旨であれば否認する。当時は悪臭のみが問題とされていたものであり、地中に有害物質が存在するとか、まして両備バスがそれを認識していたなどという状況ではなかった。また、両備バスは同土地につき、後記の通り土壌改良工事として必要な対策を採り、その上で分譲を始めているのであって、工場跡地をそのままの状態で売却したのではない。
4
(1)第4項一記載の事実のうち、平成16年7月に岡山市から上水道の鉛管給水管をポリエチレン管に取り換えたいとの連絡があったこと、取り替え工事がなされたこと(但し工事を行ったのは7月27日である)、悪臭を放つ油を含んだ土壌が出てきたこと、岡山市の調査により、地下水と土壌から硫酸イオンが検出されたことは認め、鉛管給水管の一部が腐食していたことは不知、その余は否認する。
(2)同項二第1ないし第4文は認める。
第5文は否認する。
第6文の、「全ての調査位置においてベンゼンが検出された」との点についてであるが、実際には、この調査における調査位置は2箇所のみであり、しかも接近した地点であるので、「近接した2箇所の調査位置からベンゼンが検出された。」というのが正確である。
また、この土壌ガス調査及び土壌調査によると、トリクロロエチレン、シス―1,2―ジクロロエチレンについてはいずれも定量下限値以下の量しか検出されなかったことも付言する。さらに、含有量試験の結果によると、シアン化合物、鉛及びその化合物、ヒ素及びその化合物、の含有量値は指定基準を満たしていた。
特にシアン化合物は、通常0.1?/L未満であれば、本来、測定値欄に「検出せず」と記載されるものであるが、この時は「0.01?/L」と表記されているものであり、本来なら「検出せず」の扱いを受けるものであることを付言しておく。
また、原告の指摘する(2)と(3)は内容が重複している。
(3)同項三は否認し争う。
5
(1)第5項一は否認する。両備バスが旭油化から土地を購入したのは、旭油化が度重なる行政指導にもかかわらず、付近に悪臭をまき散らしていたため、旭油化が排出する悪臭を絶つには操業を辞めさせる以外にないと判断したから、またそうするよう付近住民からの強い要望があったからであり、土壌汚染のことについては知る由もなかった。
(2)同項二は否認する。危険な土壌であるとの認識はなかったし、もちろん住宅地として不適なことを秘匿して分譲したなどという事実もない。また、現在の状況についても後述の通り放置したわけではない。
(3)同項三は否認する。
6 別紙原告の損害について
(1)1項記載に事実のうち宅地購入年月日は認め、居住開始年月日及び居住状況は不知、損害額は否認し争う。
ア 不動産取得費等について内容について釈明を求める。
イ 慰謝料について長年にわたり健康に危険な状況にさらされたことを慰謝料請求の根拠としているが、まず本件土壌の汚染が原告に発覚するまでの時点においては原告に精神的損害は発生しえないし、身体的損害が生じていたのならそれを損害として金銭に評価すべきである。
また、汚染発覚後についても、被告は住民の不安を除去するための方策をいくつも講じているから、原告の精神的損害は因果関係がない。
また、原告は訴訟を提起せざるをえなかったこと自体が精神的損害であるかのように述べているが、そこに金銭をもって慰謝すべき精神的損害はない(原告の論によれば、およそ民事訴訟の被告は常に損害賠償義務を負うことになる)。また、原因不明の頭痛は原因不明であるが故に本件とは関係がない。
(2)2項記載の事実のうち、宅地購入年月日は認め、居住開始年月日及び居住状況は不知、損害額は否認し争う。
ア 不動産取得費等について(1)に同じ。
イ 慰謝料について同上。アレルギー性鼻炎、めまい、頭痛は原因不明とあるように本件とは関係がない。
(3)3項記載の事実のうち、宅地購入年月日は認め、居住開始年月日及び居住状況は不知、損害額は否認し争う。
ア 不動産取得費等について(1)に同じ。
イ 慰謝料について同上。頭痛、皮膚炎、咳は原因不明とあるように本件とは関係がない。
7 第7項は否認し争う。
8 よって書きは争う。また、原告の主張を前提にしても、遅延損害金は平成16年9月29日から付すのが正しい。
第3 被告の主張
1 本件土地の現状について
(1)両備バスは本件発生後、住民の不安を解消するために、以下のような調査を行っている。
ア 平成16年9月6日ないし11日、団地内3カ所においてボーリング調査及び土壌分析。
イ 平成16年10月4日ないし6日、団地内34カ所において表層土壌調査及び分析。
ウ 平成16年12月に団地内土壌ガス調査及び環境大気調査。
エ 同月に団地内土壌電気探査。
オ 平成17年2月17日及び18日に団地内土壌化学性状調査。また、この間に、岡山市において以下のような調査を行っている。
カ 平成16年8月26日ないし10月7日に井戸水調査。
キ 平成16年11月4日に河川における油状物質調査。
(2)また、両備バスは、平成16年10月15日、問題の詳細調査・研究及び上記調査結果の分析、問題の解決方法の検討を、南古都?環境対策検討委員会(以下「委員会」という)に委任した。当該委員会は、農学博士千葉喬三(岡山大学学長)を委員長とし、工学博士、農学博士、医学博士、を構成員に迎え、オブザーバーとして岡山市環境保全部部長・岡山市保健所所長も加えた上で結成された専門家集団であり、両備バスも、その後両備ホールディングス株式会社となった現被告も、その調査内容・分析・意見書の作成等に何らの口出しもしていない。
(3)委員会は前記の調査結果等を踏まえて、平成16年10月30日、12月27日、平成17年3月28日の3度にわたって、意見書を作成しているが、それによると
?土壌汚染については、一部検体に基準値を超えるものがあるが、非常な高濃度というものでもなく、団地全体に拡散しているわけでもないこと、土中にあること、地下水の汚染がないことを考えれば、日常生活上重大な問題になるとは考えにくい、
?環境大気調査は環境基準値を満たしており、問題はない、
?異臭の原因は土中の硫化水素と思われ、また土中にガスが多量に集中して存在する可能性は低く、今後減衰していくものである、
?土中に空洞やドラム缶などが存在する可能性はほとんどない、とのことである。
また異臭による不快感についても、委員会から対策工事案が提出されているため、それに従った工事を行うことを前提に、費用の一部を支弁することを、原告らを含む団地住民に提案している。
2 本件土地購入時の対策について
両備バスは、本件土地の取得当時、本件団地は植物油の精製工場の跡地であると認識していたため、土壌が有害物質で汚染されていることについては知る由もなかったため、不法行為に関する故意はない。
また、たしかに、本件土地は取得当時から悪臭が問題になっていたため、両備バスは昭和59年に土壌改良工事として、3673万2000円をかけて埋没されていたドラム缶や油分の多い土壌を搬出除去し、表層土に生石灰を混入することで中和凝固させ、消臭剤の噴霧等の施工を行うなど、必要な対策をとった。また、宅地として分譲する際には、岡山市の開発許可を得て造成を行った上で分譲しており、当時は完全に合法的な売買だったのである。そうでなければ、営利団体である両備バスが、通常の地価より高い価額(全体で2億円以上)で取得するはずがない。
従って、造成工事時及び売買契約時に、上記対策工事方法では将来土壌汚染等の問題の惹起を予見することは不可能であったから、過失もない。
3 よって、原告ら主張の不法行為は成立しない。
以上
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これをもって2007年11月13日に第1回口頭弁論が岡山地方裁判所において始まりました。
結
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第2回口頭弁論が2007年12月11日、10時15分岡山地方裁判所開廷の予定で、前もって、被告側から被告会社が2004年実施した土壌調査報告書を、原告側から住民が2007年実施した土壌調査報告書他を裁判所に提出しました。
2007年12月11日開廷の第2回口頭弁論の前に原告側が提出した資料を説明する準備書面の内容です。
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平成19年(ワ)第1352号損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
準備書面
平成19年12月10日
岡山地方裁判所 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田 英正
第1,本件土地の土壌汚染の激しさ
1,甲10号証の1,2は、旭油化が、操業によって周辺に悪臭を放ち、沼川に油膜が張って、死んだ魚が浮くようになっていた昭和56年5月の状況である。工場周辺にはドラム缶が散乱し、敷地内は油泥のような土壌となっていた。
2,旭油化が操業を中止して被告会社に土地を引き渡す前の昭和57年12月1日の旭油化の工場の状況を撮影したのが甲10号証の5,6,7である。廃油が入ったままのドラム缶が積み上げられていたり、底の抜けた廃油貯蔵タンクが無残な姿を見せている。廃油を処理しないで、土壌に直接吸収させていた実態が明らかとなっている。また、旭油化が集めた廃油類の一部は、処理されないまま産廃不法投棄事件の現場である豊島に運搬されていた。
3,旭油化は、被告会社と和解(甲3号証)が成立した後に、本件場所での操業を中止し、同様の廃油処理業務を昭和57年吉井町草生地区で三和開発の看板を掲げて始めた。
操業を始めるや否や、直ちに周辺住民から異臭や河川、地下水の汚染などの苦情が寄せられた。ここでも、廃油などを素掘りの穴に直接投棄するなどのことをしていて、敷地土壌は、油泥に覆われるようになっていた。旭油化の操業の実態と異なることのない操業方法を繰り返していたのである。
吉井町の厳しい行政指導があり、数ヶ月で操業をやめ、投棄油の回収、工場内の汚染土石類が搬出された。吉井町は、この土壌の安全性を確保するために、汚染土壌の搬出などほぼ1年をかけて地下水の汚染の影響の調査を継続するなどのことが続けられた
(甲8号証、甲9号証)。
本件被告会社が造成販売した住宅地の土壌の汚染は、日本で最大規模のものではないかと言われているのはこうした旭油化の操業の実態と悪質性が背景にある。
第2,被告会社の故意、過失
1,被告会社は、本件土地を取得するようになった経緯からも上記の本件土壌の汚染の実態は十分に認識していたし、認識すべきであった。
旭油化が廃業し、新たに旭油化と代表者を同じくする瑞穂産業が吉井町草生地区で三和開発と称して操業を始めていた廃油処理も、素掘りの穴に直接に廃油類を流し込むという激しいものであった。さらに、破産手続きに入るなど財政的基盤がなく、全く誠意のみられない対応であった。
2,このように汚染された土壌に対して、汚染土壌を完全に搬出するなどの措置をとらず、一部ドラム缶や工場の残滓なども埋めたままで造成をしている。その結果、本件造成土壌全般に汚染が広がっている実情がある。
3,被告会社が、本件土地の取得をめぐって昭和57年に岡山簡裁で和解をしている(甲3号証)。和解条項3項では、建物撤去、構造物撤去は旭油化側の責任で行い、その費用6690万円を被告会社側が負担し、さらに土地代として1310万円を旭油化に支払うという約束をしている。
しかし、一方において第11項では、旭油化が本和解条項に違反したときは旭油化に対して上記各金額の合計額である8000万円の損害賠償請求権が旭油化に対して発生すると取り決めている。
被告会社はもともと旭油化が和解条項など守る能力も意思もないことを予測しながら、基本的には旭油化に建物の撤去責任を持たせようとしたのである。
結局、当初から双方が実質的に合意していたように被告会社は、土地の売買代金のうち1310万円と建物撤去費用6690万円の合計8000万円は損害賠償金と相殺し、これを支払わないで処理しているのである。
4,被告会社は旭油化が、公害発生企業であり、無法な操業をして土壌の激しい汚染を起こしていて、その原状回復の能力も意思もないことを知りながら、本件造成地を一部損害賠償金と相殺するなどして取得し、簡単に一部の土を搬出し、汚染土壌のまま造成工事をした。
第3,汚染の実態
1,原告らの居住する本件造成地に行けば、全体に石油臭がしている。この臭いは、梅雨時、夏場に強い傾向がある。沼川のコンクリート擁癖には黒い染みが出ていて、土壌からの油類による汚染の存在が目に見える。このことだけで住宅地としてはその目的を達することのできない欠陥住宅地である。
2,地表(表層土)からガスが発生していて、ガス漏れ警報器が作動することもある。土を掘ればすぐに黒い油分を含んだ土が出てくる。健康被害も出ている。
3,検査の結果も広範囲な激しい土壌汚染を推測させる内容となっている。
?平成16年7月末、岡山市は本件造成地内における水道管取り換え工事の際に出てきた油分を含んだ水を検査した。ベンゼン、ヒ素が検出された。
?平成16年8月、岡山市が本件造成地周辺の川、井戸の水質検査を行った。井戸で基準値を超えたヒ素を検出している。
?平成16年9月、被告側でボーリング調査。基準値を超えるトリクロロエチレン、シス―1、2―ジクロロエチレン、ベンゼンなどが検出されている。
?平成16年10月、被告側で表層土調査がなされている。基準値を超えるシス―1、2―ジクロロエチレン、ベンゼンなどが検出されている。
?平成16年10月被告側で土壌ガス調査。ベンゼン、硫化水素が全地点で検出され、メタンも高濃度で検出された。
?平成16年12月、被告側で電気探査を実施(甲6号証)。
低比抵抗値を示す部分が旧地形推定線より下側に存在し、広範囲に油類等の汚染の実情が推測される。
深度4.45メートル〜5.80メートルで金属片が発見されている。ドラム缶が存在する可能性も否定されていない。
?平成19年4月、原告○○方において表層土壌ガス、土壌調査を原告側で行った(甲4号証1,2)。
全地点においてベンゼンが検知され、基準値を超えるベンゼン、シアン化合物、鉛、ヒ素が土壌から検出された。
4,上記の汚染実態が存在するだけでも、住宅地として使用の目的に耐えない。
被告会社の責任で本件造成地の汚染土壌を完全に搬出し、汚染物質を除去できない以上、原告らは新たな住宅地を他に求めて、新たに住宅を建築するしか方法がなくなっている。
(平成14年9月27日東京地裁判決 油類による土壌汚染は宅地の瑕疵に該当)
<別紙>
事件番号 平成19年(ワ)第1352号
損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
証拠説明書
平成19年12月7日
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田英正
番号 標目(原本写しの別) 作成年月日 作成者 立証趣旨
4の1 調査結果報告書 原本 H19.4 株式会社ニッテクリサーチ 本件土地内の土壌汚染の実態について
4の2 測定データ 原本 H19.4 株式会社ニッテクリサーチ 本件土地内の地表大気にベンゼン系土壌汚染を疑わしめるデータが存したこと
5 被告会社グループのホームページ 写し H16.9.30 被告会社企業グループ 被告会社と岡山大学とは包括連携協力関係にあり、乙1号証ないし4号証の評価に関する記事は公正さを欠いていること
6 岡山市南古都住宅地調査電気探査結果資料 写し H16.12 被告会社・応用地質株式会社 表層土全域に1%以上の油分が確認されていること。標高8m付近にLNAPLの可能性があり、油汚染が拡大している状況
7 山陽新聞記事 写し S58.5頃 山陽新聞社 旭油化が本件土地からの移転先でもすぐに土壌汚染問題を起こしていた事実
8 メモ 写し S58.5頃 吉井町 同上(旭油化の悪質性)
9 草生地区公害処理経過報告書 写し S58.7頃 吉井町 同上
10の1 写真 写し S56.5頃 旭油化工業の操業状況を撮影したもの
10の2 同上 写し S56.5頃 同上
10の3 同上 写し S56.8.23 旭油化工業の公害問題調査が行われている状況を撮影したもの
10の4 同上 写し S57.1.21 旭油化工業の操業状況
10の5 同上 写し S57.12.1 昭和57年12月1日の本件土地の状況
10の6 同上 写し 同上 同上
10の7 同上 写し 同上 同上
11の1 無機シアン化合物(「化学物質ファクトシート」から) 原本 H17.8 環境省 無機シアン化合物の毒性等健康影響について
11の2 トリクロロエチレン(「化学物質ファクトシート」から) 原本 H17.9 環境省 トリクロロエチレンの毒性等健康影響について
11の3 ベンゼン(「化学物質ファクトシート」から) 原本 H17.10 環境省 ベンゼンの毒性(発ガン物質)、健康影響について
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予め、被告側から被告会社が2004年実施した土壌調査報告書を、原告側から住民が2007年実施した土壌調査報告書他(前回掲載)を提出して、2007年12月11日、10時15分岡山地方裁判所で第2回口頭弁論がありました。
裁判官は調査地点等の団地全体位置関係が今一つ把握できないようで、要請があり、次回までに原告側から位置の分かる地図を作成することになりました。
次回口頭弁論は2008年1月29日(火)10時20分と定め10時22分終了しました。
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前回口頭弁論では裁判官より小鳥が丘団地内土壌汚染調査の位置の分かる地図等の要請があり、予め原告側から土壌調査資料用地図・住宅地図及び空中写真地図等を提出し、2008年1月29日、10時20分岡山地方裁判所で第3回口頭弁論がありました。
原告代理人河田英正弁護士および大本 崇弁護士、被告代理人首藤和司弁護士他1名が法廷に立ちました。
裁判官は提出した地図のうち1枚を、おおもとの図面にしたい旨発言がありました。
そのあと裁判官は、小鳥が丘団地土壌汚染の別件初回口頭弁論が3月4日にあるので次回はその後にしたい旨発言がありました。
「小鳥が丘団地住民」23名が2007年12月27日に両備ホールディングスを提訴したのです。
以前、原告代理人河田英正弁護士から、別の小鳥が丘団地住民から依頼された弁護士から情報提供の要請があるので提供してもいいか?との打診があったので了解していました。
裁判官は、被告代理人弁護士に対し、同じ事件だと思うので被告の資料は同じものは資料番号を同じにしてもらいたい。被告答弁は同じでしょう?
との発言に、被告代理人弁護士は、違う個所もあるので、その答弁は別にして、同じ答弁の箇所は番号を揃える。
との答弁がありました。
裁判官は、各々の裁判は個々に並行して行うと述べ、次回第4回口頭弁論は2008年3月11日(火)13時10分からと定め10時30分終了しました。
今回は愛知県小牧市桃花台ニュータウン地盤沈下問題を考える会代表の丸山直希氏も傍聴に来られていて、裁判所に提出した公害工場操業当時の空中写真を見せたところ、現在の小鳥が丘団地の空中写真と重ね合わせたら状況が良く分かるのではないかとの提案で、最近の小鳥が丘団地空中写真を調査するために、環瀬戸内海会議事務局長の松本宣崇氏とともに岡山県立図書館に行きました。
最近のものは平成4年の空中写真があったので、重ね合わせ加工は丸山氏にお願いし、2日後重ね合わせ写真が送られてきたので、弁護士に届けました。
河田弁護士は、工場操業時配置と現在の住宅団地の位置関係が良く分かるので早速裁判所に提出するとの事でした。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20080229
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原告代理人は、両備バスの答弁書「第3、被告の主張」で両備の実施した調査につき答弁しているのだからその資料の提出を要求し、また原告側独自の調査資料もあるから提出すると述べました。
裁判官は、追加資料を原告被告とも提出してから審議を行う方がよいだろうと述べ、第2回口頭弁論を平成19年12月11日の10時15分からと定め10時25分終了しました。
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岡山県警本部へ提出した告訴状!その1
日本で最大規模のものではないかといわれている岡山市小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染は、宅地造成販売した両備バス株式会社が抜本的な土壌汚染対策を取ろうとせず、小鳥が丘団地土壌汚染公害問題長く放置されています。以前住民たちのブログで紹介した“両備グループを刑事告訴!” (2007年2月11日〜2月22日)の告訴状2名分を掲載します。告訴状の書き方など全く分かりませんでしたが、アドバイスを受けながら住民だけで告訴状を作成し2006年11月1日に岡山県警本部へ告訴しました。
両備バスが立ち上げた岡山大学の先生を中心とする両備バス私設委員会「南古都?環境対策検討委員会」が最終意見書(第3回目意見書)を2005年3月28日に提出して以来、両備バスは追加土壌調査も住民との話し合いも拒否し、「裁判以外は相手にしない!」としか言わなくなりました。
この時点で最終的には民事裁判になるかもしれないと思いましたが、一般住民が健康と財産の被害を受けていて、公的機関が何もしないはずは無いと思い、各関係諸機関に相談に回っていました。
警察へは地元の岡山県警、西大寺支所へ何度も相談に行きましたが被害届けの意思を示しても要領を得ません。そこで岡山県警本部へ刑事告訴をしようと研究を始めました。
弁護士に依頼するのが一番手っ取り早いのですが資金に限りがあるので住民だけで告訴しようと調べましたが告訴状など見たことがないので告訴状を作成してもらおうと司法書士を訪ねました。
しかし1か月以上かかるとの事なので、いろいろな人に聞きながら不十分ですが住民だけで告訴状を書き上げ、ともかく2006年11月1日に岡山県警本部へ提出しました。
告訴状提出当日の様子は前に掲載したとおりです。
2007年2月11日(日) 両備グループを刑事告訴!その1
両備グループを宅建法の土壌汚染重要事項説明違反で告訴
平成18年11月1日11時に小鳥が丘団地住民2名で岡山県警生活環境課に宅地建物取引業法違反の告訴状を提出しました。
出向くと11時前からテレビ局や新聞記者が数社待ち構えていました。
゛記者会見はどこですか?゛の質問に、県庁内会見室や県庁記者クラブ会見室を交渉しましたが、了解が得られず、建物外なら良いとの事で、゛県庁中庭にします。゛と答えました。
記者の大まかな質問が終わると11時5分前だったので、県警本部の建物に入ろうと歩きかけると記者の人に、゛11時と聞いているので皆にその様に連絡しているので11時丁度まで待ってください。゛
と言われました。
11時丁度になったので、゛行きますよ。゛と言うと、カメラマンが、゛向こうの方からゆっくり歩いて入ってください。゛
と言いながら、その様子を撮影していました。
県警本部受付に用件を伝えると、再び表に出て分庁舎の生活環境課に案内してくれましたが、記者やカメラマンは県警本部玄関前に足止めをされた様でした。
県警本部の分庁舎4Fの生活環境課に入ると、次長と他に1名職員が応対してくれました。
事情説明の後、2名分の告訴状と疎明資料を提出すると、丁寧に内容を見ていただきました。短い質問をしながら読み終えると
、゛内容は良く分かりました。゛と言いながら、
゛弁護士に依頼されていれば予め分かったと思いますが、刑事上の時効が成立しています。゛といわれました。
私達は、売買契約の時に土壌汚染があった工場跡地の宅地であった説明を受けていないし、両備グループが土壌汚染地であると認識をしていたのは裁判調書でも明白なので、
故意に事実を告げなかった場合は時効の特例があるのでは?との質問に、
゛特例は有りません。゛ さらに付け加えて゛事情はよく分かりますが、法律上、刑事事件としての時効が成立している以上、受理できません。゛
゛我々は法律上でしか、行動できません。゛との回答でした。
そこで、我々小鳥が丘団地の場合の時効は何年ですか?と質問しました。
゛犯罪事実に適用する罰条の法定刑によって1年、3年となりますが、この場合には3年です。゛との回答でした。
岡山県警生活環境課の説明では、小鳥が丘団地土壌汚染の重要事項説明違反の時効は、3年との事でしたが、土壌汚染は見た目には分からないし、長期間経過した後に何かの原因で発覚するのが普通なので、建物のように購入者が1年や3年で地下の汚染を発見するのは難しいと思います。
法律の不備を感じます。
犯罪の種類によっては時効が完成していない場合もあると思われますので、その時は相談に乗ってくださいとお願いして退出しました。時計を見ると1時間以上も経過して昼を過ぎていましたので、
゛記者も昼食で解散しているかもしれないな゛と思いながら県庁中庭に行ってみると、まだ皆さん待っていました。
私達を見つけると、走り寄ってきて周りを取り囲まれ、質問責めに遭いました。
記者会見で、告訴状提出の内容を説明した後、追加の質疑応答は次のようなものです。
(記者)
現在、両備グループと話し合い継続中なのでは?
(住民)
両備グループは、法的責任がないと住民が認めない限り、話し合いにも、応じないと主張しています。 しかし認めても解決実施の確約は有りません。
つまり両備グループは話し合いだけして、何もしないで良い事にすらなりかねず、とうてい容認できません。
(記者)
両備グループは当時の法律に基づいて小鳥が丘団地を開発・販売し、土壌汚染の認識はなかったといっていますが?
(住民)
当時、両備グループが旭油化工業跡地を取得する時、有害物質の除去を条件とし、違反した時の損害賠償金を明記して買収した、裁判記録が残っていますので、土壌汚染を認識していたのは明白です。
(記者)
今後どうするのですか?重要事項説明違反以外の理由でも告訴出来るのでは?
(住民)
時効が成立してない何か別の違反を知っていれば教えてもらいたいぐらいです。別の告訴も模索していきますが、刑事事件の時効は短いですから、見付けられない場合には、最終的に民事訴訟に成らざるを得ません。
朝から忙しい1日でしたが、あっという間に過ぎてしまいました。
しかし、いくら時効になったとしても、両備グループの不正は不正であり、不正の事実が消える事は有りません。
これからも不正の事実を訴え続けていかなければなりません。
そして、行政はこの問題に対して消極的ですが、社会問題としてこれから頻発するであろう土壌汚染問題に、行政としてどう取り組むのかを問いつづけていこうと思っています。 結
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住民Aの告訴状です。
告訴状
告訴人
岡山市南古都××× ○○○○ 昭和××年××月××日生
被告訴人
岡山市西大寺上1丁目1番50号 両備バス株式会社 宅地建物取引主任者 ○○○○
岡山市錦町7番23号 両備バス株式会社 代表取締役社長 小嶋 光信
宅地建物取引業法違反告訴事件
1.告訴の主旨
被告訴人らの犯罪事実に記載した行為は、宅地建物取引における重要な事項について、故意に事実を告げず販売し、売買契約の不法行為により被害を受けたことは、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号に違反するので、捜査の上、厳重に処罰されるようここに告訴いたします。
2.犯罪事実
(1)被告訴人の○○○○は、両備バス株式会社の宅地建物取引主任者である。告訴人が居住する小鳥が丘団地の自宅、宅地面積203.82?及び、延べ床面積建物110.95?の取引につき、平成5年1月30日に仲介業者として重要事項説明をし、仲介業者である被告訴人らを通して売買契約を交わし告訴人はこれを購入した。
(2)平成18年6月5日に倉庫工事の為、告訴人が自宅庭を掘削したところ地下15cm〜40cm部分から黒い刺激臭のする土壌が出てきた。現地確認をしてもらう為、仲介業者であり、土地の造成販売業者でもある被告訴人らに連絡をしたところ、被告訴人らは現地確認を拒否し、現地はそのままの状態だった。
(3)平成18年10月13日、告訴人は、自宅庭が掘削されたままの状態であった為に自家用車を外部駐車場に置いていたが、自宅庭に、駐車する場所を確保しようと、掘削跡の埋め戻しや堆積した土壌を移動中に、15時頃自宅庭で倒れ、救急車で病院に搬送され治療を受けた。
原因は庭の掘削跡に水が常時溜まっていて、移動中の堆積した黒い土壌と反応して発生したガスを吸い込み身体に異変を生じた為で、病名は亜硫酸ガス中毒である。庭の土壌は通常生活を営むうえで健康被害を及ぼす有害物質である事が確認された。
(4)被告訴人らは本団地の土地を取得する際、昭和57年7月27日岡山簡易裁判所において和解をしている(相手方、旭油化工業)。和解条項に本件土地上のすべての建物及び地下工作物を収去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及び、アスファルト部分を除去し、本件土地上の油脂付着物を除去して、と明記しているが、現状を見るに、廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去をしていない。
(5)告訴人は売買契約時、被告訴人ら、から売買契約対象物件が土壌汚染された土地であった事実の重要事項説明を受けておらず、被告訴人らは本団地の土壌汚染が問題になった平成16年当時、汚染土壌を石灰で中和させたと申し立てているが、廃白土等除去に替えて石灰で中和させ土壌改良したのであれば、告訴人ら土地購入者にとって、これも重要事項であるにもかかわらず、売買契約時に、説明を受けていない。
(6)被告訴人らは裁判で和解をする時、和解条項に廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去を明記しているのだから、土壌が汚染されており、除去しなければならない、と認識していたことは明白である。
(7)よって当該契約対象物件の売買契約時に、被告訴人らは告訴人に土壌汚染の履歴のある宅地である旨の重要事項説明をすべきところ、被告訴人らは宅地建物を円滑に販売する為、故意に事実を告げず、告訴人は事実を知らず購入した。これは宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反である。
3.補足経緯
(1)最初に問題になったのは、岡山市水道局が進めている鉛製給水本管の取替工事中である。本団地が開発された昭和62年に埋没された鉛製給水本管を取り替える為、平成16年7月27日に水道工事業者が本団地内道路を掘削したところ、悪臭と油が出てきた。
(2)宅地を造成販売した両備バス株式会社と担当行政の岡山市に調査及び改善を求めたところ、3箇所のボーリング調査他の調査を実施し、環境基準値を超える有害物質が検出され、本団地造成前に操業していた公害工場の旭油化工業の廃棄物が原因と判断されたが、両備バス?が設立した、千葉 岡大副学長(当時、現岡大学長)を中心とする「南古都? 環境対策検討委員会」の意見書により、住民の健康への影響が直ちに懸念されるものではない、と回答し、住民が要求しても、その後の住民との話し合いも、住民の不安を払拭する為の追加調査も実施していない。
(3)告訴人は、体調が悪いのは、土壌が原因ではないかと思い、庭の表層土の入れ替えを自ら実施しようと、平成18年10月5日に岡山市環境保全課に出向き、廃棄土壌の指定場所を求めたところ、土壌の汚染はあるので指定区域から搬出される汚染土壌と同様に適正に処分する様に指導された為、告訴人は本団地の土壌は汚染されているとの認識をもった。
(4)汚染原因者の旭油化工業は近郊の赤磐郡吉井町(現あかいわ市)の工場で、当地と同様に廃油を垂れ流して土壌汚染を引き起こした為、吉井町ではこの公害工場を昭和58年1月に撤退させ跡地を調査し土壌汚染が深刻と判断し土壌入替えを行っている。被告訴人らは本団地を造成する前に、吉井町で同一企業が同様の工場を操業した跡地の吉井町の土壌入替え対策を知り得たはずであるから、操業期間から推定しても、地上及び地中の汚染は吉井町以上の疑いがあると認識していた、と考えるのが妥当である。
(5)被告訴人らは、これらの完全除去を確認せずして用地を取得し告訴人らに販売したのであり、除去してない廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の汚染により、その後の告訴人が受けた被害の責任は被告訴人にある。
4.両罰に関する規定
被告訴人両備バス株式会社は告訴人らに対し重要な事項について、故意に事実を告げず宅地を販売したのであるから、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反について、第八十条(罰則)、第八十四条(両罰規定)により、処罰の対象である。
5.違反条文
○宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号
6.罰条
○宅地建物取引業法第八十条
○宅地建物取引業法第八十四条(両罰規定)
7.疎明資料
(1) 上申書 一通
(2) 重要事項説明書 一通
(3) 不動産売買契約書 一通
(4) 鉛製給水管使用について(回答)書 一通
(5) ボーリング調査濃度計量証明書(No3地点) 一通
(6) 表層土調査濃度計量証明書(土壌14) 一通
(7) 両備バス? 南古都?環境対策検討委員会 意見書 一通
(8) 告訴人自宅庭を掘削した写真 一枚
(9) 岡山市環境保全課の汚染土壌の処分方法について 一通
(10) 告訴人の病状退院証明書 一通
(11) 昭和57年7月27日の和解調書 一通
(12) 吉井町公害企業施設撤去新聞記事 一通
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20080317
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次に住民Bの告訴状です。
告訴状
告訴人
岡山市南古都×××× ○○○○
昭和××年××月××日生
被告訴人
岡山市西大寺上1丁目1番50号 両備バス株式会社 宅地建物取引主任者 ○○○○
岡山市錦町7番23号 両備バス株式会社 代表取締役社長 小嶋 光信
宅地建物取引業法違反告訴事件
1.告訴の主旨
被告訴人らの犯罪事実に記載した行為は、宅地建物取引における重要な事項について、故意に事実を告げず販売し売買契約の不法行為により被害を受けたことは、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号に違反するので、捜査の上、厳重に処罰されるようここに告訴いたします。
平成18年11月1日
岡山県警察本部 県警本部長 殿
告訴人 ○○○○ 印
2.犯罪事実
(1) 被告訴人の○○○○は、両備バス株式会社の宅地建物取引主任者である。告訴人が居住する小鳥が丘団地の自宅、宅地面積159.72?売買代金9,101,000円及び、延べ床面積105.58?請負代金16,375,970円(消費税込み)の建物につき、平成2年8月30日に重要事項説明の後、契約を交わし告訴人はこれを購入した。
(2) 平成17年頃より突発的かつ継続的に頭痛が起こり、診断の結果、本団地内で高濃度に検出された有害物質の影響の可能性を指摘された。
(3) 平成17年10月19日に中国銀行平島支店に不動産担保融資申し込みを行なったが、告訴人自宅土地建物は売買取引が非常に難しいので担保にならない、と融資を断られた。
(4) 告訴人の自宅は、地盤沈下しており、建物の傾斜で戸の開閉が年々できなくなっている。
(5) 告訴人の自宅は、当初被告訴人ら、から購入した土地建物のみならず、その後、追加的に行なった建物付属設備や建物補修工事を含め資産価値が無くなった。
(6) 本団地内の住人、○○○○氏が平成18年10月13日に自宅庭の土壌を移動中に亜硫酸ガス中毒になっている。
(7) 被告訴人らは本団地の土地を取得する際、昭和57年7月27日岡山簡易裁判所において和解をしている。和解条項に本件土地上のすべての建物及び地下工作物を収去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及び、アスファルト部分を除去し、本件土地上の油脂付着物を除去して、と明記しているが、現状を見るに、廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去をしていない。
(8) 告訴人は売買契約時、被告訴人ら、から売買契約対象物件が土壌汚染された土地であった事実の重要事項説明を受けておらず、被告訴人らは本団地の土壌汚染が問題になった平成16年当時、汚染土壌を石灰で中和させたと申し立てているが、廃白土等除去に替えて石灰で中和させ土壌改良したのであれば、告訴人ら土地購入者にとって、これも重要事項であるにもかかわらず、売買契約時に、説明を受けていない。
(9) 被告訴人らは裁判で和解を成すにおいて、和解条項に廃白土、アスファルト、及び油脂付着物の除去を明記しているのだから、土壌が汚染されており、除去しなければならない、と認識していたことは明白である。
(10) よって当該契約対象物件の売買契約時に、被告訴人らは告訴人に土壌汚染の履歴のある宅地である旨の重要事項説明をすべきところ、被告訴人らは宅地建物を円滑に販売する為、故意に事実を告げず、告訴人は事実を知らず購入した。これは宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反である。
3.両罰に関する規定
被告訴人両備バス株式会社は告訴人らに対し重要な事項について、故意に事実を告げず宅地を販売したのであるから、宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号違反について、第八十条(罰則)、第八十四条(両罰規定)により、処罰の対象である。
4.違反条文
○宅地建物取引業法第四十七条(業務に関する禁止事項)第一号
5.罰条
○宅地建物取引業法第八十条
○宅地建物取引業法第八十四条(両罰規定)
6.疎明資料
(1) 上申書 一通
(2) 重要事項説明書 一通
(3) 不動産売買契約書 一通
(4) 工事請負契約書 一通
(5) 鉛製給水管使用について(回答)書 一通
(6) ボーリング調査濃度計量証明書(No3地点) 一通
(7) 表層土調査濃度計量証明書(土壌14) 一通
(8) 岡山市環境保全課の汚染土壌の処分方法について 一通
(9) 告訴人の診断書 一通
(10) 昭和57年7月27日の和解調書 一通
平成18年11月1日
岡山県警察本部
県警本部長 殿
告訴人
○○○○ 印
結
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20080323
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両備グループを刑事告訴!その5
両備グループを宅建法の土壌汚染重要事項説明違反で告訴
追記
今回の告訴の後で感じた事を書きます。
私たちは、民事裁判の前に、まず刑事告訴を行いました。
金持ちであれば、自前で地質調査及び分析を行い、弁護士に依頼して、すぐ民事訴訟を起こせば良いのですが、一般の庶民では資金の工面が直ちには出来ません。
まして地質汚染であれば、一般のサラリーマンにとって唯一の担保となる土地建物が無価値になり、銀行融資も受けられません。
小鳥が丘団地地質汚染問題の様な、目に見えない地中の汚染は、発覚するまで長期間かかる方が普通であり、刑事告訴の時効があまりにも短いと思いました。
そして、いくら時効になったとしても、両備グループの不正は不正であり、不正の事実が消える事は有りませんが、それよりも重大なのは、
両備グループが、非は非と認めて対応しない事であり、小鳥が丘団地地質汚染問題を含めて、このままにすると、会社のこの様な対応の仕方が変わらず、改革が出来ない事により、第2第3の地質汚染問題を引き起こしかねないと思います。
よって、これからも不正の事実を訴え続けていかなければなりません。
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/kotorigaoka/view/20070220
追記2
今回の告訴の後で感じた事を、もう一つ書きます。
それは、行政の対応です。
前に、小鳥が丘団地地質汚染問題に対して行政が消極的だと書きましたが、当地域の環境担当行政である岡山市は、住民が自宅庭で土壌を移動中にガス中毒で倒れたという健康被害にあったにもかかわらず、実態解明の土壌調査すら行なおうとしません。
岡山市は、土壌汚染対策法に照らして行政が地質調査を行なう事は出来ない(土地の所有者が行なうべきもの)と説明しています。
しかし、そもそも小鳥が丘団地ができたのが、土壌汚染対策法が公布される以前であり、土壌汚染対策法が適用される案件では無いと、専門家から聞きました。
行政が、地質汚染の事は何でも土壌汚染対策法を持ち出すのは、行政が余り関わらなくて良い法律を利用しているのではないかと疑いたくなります。
岡山市は、一番てっとり早い土壌汚染対策法を持ち出しているとしか思われません。
余談ですが、地質汚染を防止する目的で創られた土壌汚染対策法が、逆に合法的な“こまかし”に利用されたり (土壌は層を形成しているもので土対法の調査基準では全ての層を調査するものでは無い為、汚染された層をはずせば、その土地は汚染されてない事になる)、
また、全ての地質調査指定会社が、技術レベルが高い訳では無いので、ボーリング調査で地層を勘案しない機械的深度の試料採取により、かえって汚染を拡大させてしまう等の問題点も指摘されています。 (NHKテレビクローズアップ現代でも紹介)
土壌汚染対策法は、まだまだ問題点の多い法律だと考えさせられます。 以上
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2007年2月25日(日)
両備バスに申入れ書!その1
両備グループ代表に土壌汚染解決の話し合い継続を明確に伝えるために申入れ書を郵送しました。
小鳥が丘団地を造成販売した両備バス株式会社が、土壌調査継続も住民との話し合いも拒否し、いくら両備バスに連絡をとっても“弁護士に任せているのでそちらに言ってくれ”の一点張りで住民の思いが伝わらない為、両備バスの意思を確認するために、過去に両備グループ代表に手紙を配達証明郵便で出しました。(このブログの平成18年9月11日、“両備グループ代表・社長の意思!”に掲載)返書が来なかったので、住民との話し合い拒否は両備グループ代表の意思と確認しましたが、
その後、 “あの手紙は何を言っているのか分からない”と両備バスが言っていると聞いたので、再度、明確に要求が分かる様に、回答期限付きで申入れ書を平成18年10月17日に内容証明郵便で出しました。
両備グループ代表に土壌汚染解決の話し合い継続を明確に伝えるために申入れ書を郵送しました。
以下、その内容です。
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平成18年10月17日
〒700−8518 岡山市錦町7番23号
両備バス株式会社代表取締役社長小嶋 光信 様
小鳥が丘団地救済協議会 代 表 岩野敏幸
申し入れ書
私たち、小鳥が丘団地救済協議会は、御社が造成・販売した小鳥が丘団地で明らかになった土壌汚染問題の解決のため団地住民の有志で組織した団体です。なお、以前に御社が交渉をもっていた小鳥が丘環境対策委員会とはべつの団体です。
当協議会は、小鳥が丘の土壌汚染問題について、御社が平成17年7月に小鳥が丘団地住民に対して提出した、条件付き提案には承諾できません。
この提案は、御社と話し合いをもつための条件として、この土壌汚染の法的責任が御社にないことを確認しなければならない一方で、土壌汚染への対策実施についての保証すらありません。
これでは御社は話し合いだけして、何もしないでよいことにすらなりかねず、当協議会としてはとうてい容認できません。
しかしながら、当団地の土壌汚染問題は、発生する有毒ガスによる健康被害や地盤沈下といった被害を引き起こしていることも考えられ、そこで生活する私たち住民にとってきわめて重大です。
そうした汚染がある土地を造成し、住民には知らせずに販売した御社には当然ながら責任があるはずです。
よって当協議会は御社との話し合いおよび当協議会の合意の上での解決策の実施を求めます。
上記の申し入れに対して、平成18年10月27日までに下記の当協議会代表に文書にてご回答願います。
岡山市南古都××× 小鳥が丘団地救済協議会代表 岩野敏幸
電話:××× 携帯:×××
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豊島と小鳥が丘団地は廃棄物不法投棄搬入ルートで繋がっていました。
私たち小鳥が丘団地住民は2005年3月20日に香川県豊島に現地視察に行きました。
その時、豊島に不法投棄した業者を摘発した兵庫県警の資料の中に、産廃搬入ルート先として小鳥が丘汚染原因者の岡山市旭油化工業の名前が記載されていました。
香川県豊島の産廃と岡山市小鳥が丘の産廃は繋がっていたのです。
そこで豊島公害調停選定代表人の一人として調停に参加された石井とおる氏(前香川県議会議員)から話を聞く機会を得、大変参考になりました。
石井氏には戦後最大級の不法投棄事件と言われた豊島問題を闘った先輩として、アドバイスを頂いています。
最近、石井氏が書かれた“未来の森”という本を読みました。今までの私たちであれば、信じられない内容なのですが、小鳥が丘団地土壌汚染公害問題に直面している私たちにはそのままストレートに伝わってきます。
やはり信じられない行為が平然と行われていた事に深い悲しみが湧き上がってきます。
と同時に、当時ほどではないにしても現在も、その様な事が繰り返されているのです。
そこには我々一般住民の常識からは考えられない行政の対応が書かれていました。
たとえば違法操業のページで、住民が何度も香川県の職員に事業者の行為を止めさせるよう要求したが相手にされず、 “もうもうと立ち上がる野焼きの煙は県庁の窓からも見えた。県庁を訪れた住民が担当者を窓際へ連れて行き、「あの煙が見えんか!」、と指さすと、「見えん!」、と横を向いたという。”
行政が何故この様な信じられない対応になるのか、については石井氏がこの本で指摘しています。
“自治体は何故住民の言うことを聞いてくれないのでしょうか”と聞かれて、
石井氏いわく。
“そもそも、住民の言うことなど聞くようにはできていないから”
(「未来の森」より、「農事組合法人てしまむら」発行、石井とおる著)
http://www.teshimamura.com/?pid=3038282
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2007年11月20日(火)
両備バスを岡山地裁に提訴!その1
岡山市小鳥が丘団地土壌汚染公害問題で両備バス?は有害物質で汚染された宅地を住民に説明せずに販売し、汚染発覚後も抜本的な対策をとろうとせず住民が被害を受けても放置したため、2007年8月31日、住民3名が両備ホールディングス株式会社を岡山地方裁判所民事部へ提訴しました。提訴の経緯を掲載します。
両備バス?は途中で調査を取りやめ、行政も土壌汚染調査をしないので土壌汚染の全容が分からず、汚染対策の検討もできません。もはや民事訴訟しかないと思いまず住民3名で提訴しました。提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ通知・催告書を郵送しました。
通知・催告書
貴社が造成販売した小鳥が丘団地の住民である岡山市南古都××× 藤原 康氏、同所××× ○○○○氏、同所××× ○○○○氏ら3名の代理人として以下のとおりご通知し、損害賠償の請求をいたします。
貴社は、本件団地の本件造成地内に、川に廃油を垂れ流したり有害廃棄物を野積みするなどして公害企業であった旭油化工業株式会社が存在していて人体に影響を及ぼす汚染物質が存在することを知りながら、これを除去することなく埋め立てて造成し、そのことを秘して藤原氏らに販売しました。
この汚染の事実が発覚してもことさらに汚染の程度の低いことを強調し、その責任をとろうとしませんでした。
本件の造成地からは黒く汚染された地下水がにじみ出ていて、表層土壌からはベンゼンを含むガスが出ていることも明らかとなっています。
さらに、そのガスの濃度はガス漏れ警報器が作動することもあり、健康への影響のみならず物理的にも危険な状況となっている箇所もあります。
また、土壌にはベンゼン、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が土壌溶出量基準を超えて検出されています。
本件危険な造成地の販売は故意にとの評価できる重大な責任があります。
藤原氏らとそれぞれの家族らは、この団地を岡山を代表する貴社の企業としての評価を信頼し、終の棲家として希望をもって購入いたしました。
しかし、上記の状況であり、この土地が土壌汚染されていて、日々健康を冒され続けてきていることが明らかになり、とても安心して住める状況ではありません。住宅地として使用不可能な土地であり、他の地に移らざるをえません。
従って、このような土地を購入した代金、この土地上に建てた家の建築費用と健康被害を受け、日々不安な生活を継続してきた損害を慰謝料として評価し、これらの合計額を請求いたします。なお、○○氏は本件分譲地で、整骨院を経営していて業務に関する工事費用も損害に加えて請求いたします。
本件請求に対するご回答を平成19年7月31日までに当事務所まで書面をもって頂きますようお願いいたします。ご誠意あるご回答なき場合はやむを得ず法的手続きをとることになりますので、念のため申し添えておきます。
提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の続きです。
各自の損害は以下のとおりです。
○○○○氏
不動産取得費等 28,897,520円
慰謝料 30,000,000円
○○○○氏
不動産取得費等 28,759,670円
慰謝料 30,000,000円
○○○○氏
不動産取得費等 80,241,390円
慰謝料 30,000,000円
平成19年7月13日
岡山市富田町二丁目7番8号石橋第3ビル3階
河田英正法律事務所
弁護士 河田 英正
弁護士 大本 崇 電話 086−231− FAX 086−231−
岡山市錦町7番23号
両備バス株式会社
代表取締役 小嶋光信 様
この郵便物は平成19年7月13日第29830号書留内容証明郵便物として差し出したことを証明します。
岡山中央郵便局長
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提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として2007年7月28日付けで送られてきた両備ホールディングス株式会社の回答書です。
回答書
平成19年7月28日
岡山市富田町2丁目7番8号 石橋第3ビル3階
藤原康氏外2名代理人 弁護士 河田 英正 殿
岡山市南方1丁目8番14号
両備ホールディングス株式会社代理人
弁護士 菊池 捷男・首藤 和司・財津 唯行・安達 祐一・井田千津子
電話 086−231 FAX 086−225−8787
冠省
貴職らからの平成19年7月13日付「通知・催告書」を拝見しました。
両備ホールディングス株式会社では、平成16年7月に、小鳥が丘団地の住民の皆様から、団地内の土地を掘ったところ臭いがする、油が出てきた、など連絡を受け、真摯に、調査と地元の方々と話し合いをしてきました。また、平成17年3月までに、専門家による現地調査や地元の方々へ対策工事の提案もしてきました。
しかしながら、貴職らの依頼人らは、具体的、科学的な根拠を示すことなく、小鳥が丘団地では人は住めない等極めて誇張した表現で両備ホールディングス株式会社を非難することに終始し、真剣に対応しようとはされませんでした。その姿勢は、今回の貴職らの書面での請求額等にも現われているところです。両備ホールディングス株式会社としましては、このような貴職らの依頼人とは真摯に話し合いができるとは思えません。そのため今回の貴職らの書面に対しては、細かな認否は致しません。
貴職らは、両備ホールディングス株式会社の回答に満足しない場合は、法的手続きをとると書かれていますので、両備ホールディングス株式会社の主張は、法廷の場でさせていただきます。ただ、念のためお伝えしておきますが、両備ホールディングス株式会社は、貴職らの依頼人の主張に対し、全面的に争うことにしております。
以上回答いたします。 草々
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提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として「両備ホールディングス株式会社は法廷で全面的に争う」との2007年7月28日付け回答書を受けて岡山地方裁判所へ提訴しました。訴状を掲載します。
訴状
平成19年8月31日
岡山地方裁判所民事部 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 藤原 康 〒709−0632 岡山市南古都×××
原告 ○○○○ 〒709−0611 岡山市楢原×××
原告 ○○○○
〒700−0816 岡山市富田町二丁目7番8号 石橋第3ビル3階
河田英正法律事務所(送達場所)
上記訴訟代理人弁護士 河田 英正
同 大本 崇
電話 086−231− FAX 086−231−
〒704−8112 岡山市西大寺上1丁目1番50号
被告 両備ホールディングス株式会社
被告代表者代表取締役 小嶋光信
損害賠償請求事件
訴訟物の価額 227,898,580円
ちょう用印紙額 704,000円
第1 請求の趣旨
1、被告は、原告○○○○に対して58,897,520円、同○○○○に対して58,759,670円、同○○○○に対して110,241,390円とそれぞれこれに対する平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員を支払え
2、訴訟費用は被告の負担とする
3、仮執行宣言
第2 請求の原因
1、当事者
一 被告会社は、昭和11年5月25日に両備バス株式会社として設立され、平成19年4月1日に両備ホールディングス株式会社と商号変更された資本金4億円の株式会社であり、自動車、船舶による旅客、貨物の運送業、観光事業、不動産の所有・売買・賃貸仲介などを業務としている。
二 原告らは、両備バス株式会社が造成した小鳥が丘団地に住居を有し、居住している者である。
2、小鳥が丘団地造成前
一 本件造成地には、廃油等を利用して石鹸を製造していた旭油化工業株式会社の工場があった。
二 同社は、業績不振のなか、昭和49年11月19日に新たに廃棄物処理業の許可を取り阪神、北九州方面の企業から産業廃棄物としての廃油を集めてその処理を始めた。その頃から、廃油処理工場からは廃油処理の黒煙が不気味に立ち上っていた。地域周辺に悪臭がたちこめ、近くを流れる沼川には油膜が張ったり、死んだ魚が浮き上がってくるなどの現象が見られた。廃油を貯蔵していたタンクが設置されていたが、その装置は単に土壌に廃油を吸い込ませる装置であったようであり、タンクの底は直接土壌に接して廃油が不法に処分されていた。そのタンクの位置は土壌への吸収が悪くなると敷地内で場所が移動されていた。そして、工場敷地内には腐敗した油脂を入れたドラム缶が散乱して放置されていて、その腐敗した油脂が敷地内の土地にこびりつき、恒常的に悪臭を発生させていた。
三 両備バス株式会社は、この旭油化工業株式会社の工場北側に既に団地(小鳥の森団地)を造成し、住民が居住していた。その住民からも旭油化株式会社の産業廃棄物処理業を始めたことによる悪臭などの環境悪化の苦情が造成・販売した両備バス株式会社などに苦情が寄せられるようになった。このころ岡山県や岡山市の公害課が何度も行政指導を繰り返していたが、何ら対策が講じられなかった。
3、両備バス株式会社の本件土地の宅地造成
一 両備バス株式会社は、上記のとおり旭油化株式会社が操業している土地の北側に小鳥の森団地(37000平方メートル)を造成・販売していた。
この分譲地を購入して居住している住民から、上記のとおり苦情が寄せられるようになり、両備バス株式会社は旭油化株式会社に対して強く改善方を要求していたが、一向に改善されることはなかった。両備バス株式会社の小鳥の森団地の販売が困難な状況となっていた。
二 両備バス株式会社は、昭和57年になって旭油化株式会社を相手方として悪臭を放つ汚泥とドラム缶の除去を求めて岡山簡易裁判所に対して、小鳥の森団地の販売者として調停の申立をした(岡山簡易裁判所昭和57年(イ)第67号)。そして、昭和57年7月27日、岡山簡易裁判所において両者の間で和解が成立した。
三 上記和解の内容は、本件問題を解決するには旭油化株式会社が本件土地から移転するしか方法がないというものであり、概略以下のとおりであった。
(1)旭油化株式会社は昭和57年10月31日限り操業を停止し、同年12月31日までに本件土地上の全ての建物および地下工作物を撤去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及びアスファルト、土地上の油脂付着物を除去して明け渡す。
(2)両備バス株式会社は、旭油化株式会社に対して建物撤去費用、移転補償などとして6690万円を支払う。
(3)両備バス株式会社は、旭油化株式会社の工場跡地を一坪あたり6万円、その地上建物を400万円で購入する。
四 こうして、旭油化株式会社の工場跡地を取得した両備バス株式会社は、このそのままでは宅地造成地には適さない工場跡地を昭和62、3年ごろから3区画に分けて有害物質に汚染されたままで宅地に造成し、平成元年頃から分譲を始めた。
4、宅地から有害物質検出の経緯
一 平成16年7月に岡山市から上水道の鉛製給水管をポリエチレン管に取り替えたいとの連絡があり、7月29日に取り替え工事がなされた。取り替えのため給水管を掘り起こしたところ、油分を多量に含んだ悪臭を放つ黒い汚泥状のなかに水道管が埋められていることが判明した。そして化学反応の安定性が高いと言われる鉛管の給水管の一部が腐蝕して穴があいている箇所も発見された。岡山市の調査によればこの時の地下水と土壌から硫酸イオンが検出された。
二 両備バス株式会社は、原告ら住民の不安の訴えに対し、土壌汚染の原因を探るべく、土地履歴の調査、ボーリングによる土壌調査などの申し入れがなされ、調査が実施された。同年9月28日原告らに土壌汚染の実態と原因が知らされた。同社の報告によっても、3地点のボーリング調査の結果は、環境基準値の約27倍のトリクロロエチレン、約26倍のベンゼン、6倍のシスー1,2−ジクロロエチレンが検出された。また、地下約5メートル付近では金属片やボロ切れなどが発見された。同年12月に実施された電気探査の結果によれば、地盤が不安定で地盤沈下を起こしやすい状況となっていることが判明している。平成19年4月9日、原告岩野方の敷地を、敷地内において検査機関に土壌調査を私的に依頼し実施したところ
(1)表層土壌ガス調査の結果、全ての調査位置においてベンゼンが検出された。
(2)土壌調査の結果、ベンゼン、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が土壌溶出基準を超えていたこと
(3)土壌調査の結果、シアン化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物の溶出量値が指定基準を超えていたこと等々が明らかとなった。
三 本件団地内においては表層土においてガスが発生して臭気が漂い、土壌の性状が不安定となっていて地盤沈下の畏れがある。その臭気には発ガン性物質であるベンゼンが含まれているなど健康被害が懸念されている。有害物質を含んだ地盤の安定しない宅地であり、そもそも人が安心して安全に暮らせる団地ではない。地盤からのこのガスの発生で、原告○○方のガス漏れ警報器が作動することもあり、安心して居住できる環境にない。
5、被告会社の責任
一 被告会社は、旭油化株式会社が汚染し続けた土壌はもはや操業をやめさせるしかないほど危険な回復しがたいものであり、そのままでは小鳥の森団地の販売を継続することはできないと認識し、旭油化株式会社の操業中止とその敷地を購入して旭油化を退去させてその問題解決を図った。そして、その土壌が有害物質で汚染されていることを十分に認識して旭油化株式会社の敷地を買収した。
二 そのような有害で危険な土壌であることを認識しながら宅地として危険物質を残したまま造成し、分譲を続けた。購入者にはこのような危険な土壌であり住宅地として不適なことを秘匿して分譲した。そして、発ガン物質を含むガスが発生して危険な状況になっていても放置したままであった。
三 平成16年7月に、岡山市水道局による水道工事によって、本件団地が有害物質で汚染された危険な造成地であることが表面化しても、直ちに健康に被害をもたらすものではないと抜本的な対策をとろうとしなかった。
6、原告の損害
別紙原告の損害記載のとおり
7、被告会社は、抜本的な無害化工事を実施しなければとうてい造成地としてはならない汚染土壌のある旭油化の工場敷地を、危険な有害物質に汚染された土壌に表層土を盛り土して造成しただけで販売した。
さらに、そのように危険な造成地であるから管理を継続し、危険な兆候があれば直ちに対応しなければならないのにこれを怠り、最後までこの事実を隠蔽したまま何らの管理もしないで販売を継続した。汚染の事実が表面化しても危険はないと断言して、原告らに対して何らの対策をとろうとしなかった。
これらその都度の方針は被告会社の方針として取締役会で決定されて実行され、あるいは不作為となったものである。その結果、各原告は6項記載の通りの損害を被った。
提訴に先だって2007年7月13日に両備ホールディングス株式会社へ郵送した通知・催告書の返書として「両備ホールディングス株式会社は法廷で全面的に争う」との2007年7月28日付け回答書を受けて岡山地方裁判所へ提訴しました。訴状の続きです。
よって、被告は、不法行為を原因とし(民法44条1項、同709条)、各原告に発生した損害の支払いと原告が被告会社の加害行為による被害であると認識した平成16年9月28日から完済に至るまで年5分の割合による金員の支払いを求める。
附属書類
1 訴状副本 1通
2 商業登記現在事項証明書 1通
3 訴訟委任状 3通
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Posted by 大阪水・土壌研究会員 at 10:58│Comments(3)
│小鳥が丘団地土壌汚染
この記事へのコメント
大阪平野の水資源を考える
−大阪周辺の水環境とその有効利用−
大阪平野は優良な地下水腑存地帯です。しかし,被圧地下水の取水量増加に伴う減水圧の伝播による地盤沈下再発の可能性が指摘される一方で,利用が進んでいない不圧地下水では,過去の汚染が残留している上に,水圧上昇による地震時の液状化などの地盤災害が懸念されています。
今回発表いたします研究では,大阪平野の地下水盆全体を包括する地下水流動モデルを作成し,地下水による災害を予防するために,地下水の適正利用量を見積もりました。
また,汚染地下水の浄化法を検討し、適正な利用法を提案します。さらに,湧水などの水環境に関する野外調査やビオトープを用いた水質浄化実験を,市民団体と協力して行うというものです。
地下水は、水の形態の中でも非常に私たちの生活と密接な関係にあり、今回のフィールドである大阪平野ばかりでなく、全国各地での「地下水問題」を解決するために、市民と一体になって同様の活動を展開していくための、第一歩となる研究発表といえます。
日 時: 平成22年1月9日(土)13:00〜17:30
場 所: 大阪産業創造館 4階イベントホール
(大阪府大阪市中央区本町1丁目4番5号)
主 催: (財)日本生命財団
共 催: 大阪市立大学複合先端研究機構
後 援: 環境省、国土交通省、大阪市、大阪府環境農林水産総合研究所
プログラム13:00
開会あいさつ
ニッセイ財団 理事長 石橋 三洋
大阪市立大学複合先端研究機構プロジェクトリーダー 橋本 秀樹
趣旨説明 大阪市立大学大学院 教授 益田 晴恵
13:25〜14:25
報告1 −大阪平野の地下水環境−
「大阪平野の帯水槽と流動性」
大阪市立大学大学院 准教授 三田村 宗樹
「水質から推定した大阪平野の地下水流動系」
大阪市立大学大学院 教授 益田 晴恵
「地盤災害とその予防」
大阪市立大学大学院 准教授 大島 昭彦
14:35〜15:35
報告2 −地下水利用と環境教育−
「汚染とその除去」
大阪市立大学大学院 教授 貫上 佳則
「生物汚染の現状」
大阪市立大学大学院 教授 西川 禎一
「ビオトープとその利用」
大阪市立自然史博物館 学芸員 中条 武司
「冷却装置としての地下水」
大阪市立大学大学院 准教授 鍋島 美奈子
16:00〜17:30
総合討論 −地下水利用の理念−
「環境保全と政策」
進 行
大阪市立大学 特任教授 畑 明郎
コメンテーター
岡山大学 教授 西垣 誠
総合地球環境学研究所 教授 谷口 真人
和歌山大学 理事 平田 健正
近畿大学 准教授 中口 譲
大阪府担当者 守口市立下島小学校教員
17:30〜
閉会の挨拶
大阪市立大学 副学長 唐沢 力
http://www.nihonseimei-zaidan.or.jp/kankyo/06_program.html
○定員 300名(申込締切 12月10日メ切)
○参加料 無料(お申込者には12月中旬以降に参加証をお送りいたします。)
○申し込み方法
こちらの参加申し込み場面に必要事項を入力し、メール送信ください。
または、市販のはがきに(1)住所(2)氏名(3)団体名・役職名(4)電話番号を記入の上、下記住所にお送りください。
○ お申込、お問い合わせ先
〒541-0042 大阪市中央区今橋3-1-7
ニッセイ財団環境問題ワークショップ事務局
TEL(06)6204-4012
e-mail:kankyou@nihonseimei-zaidan.or.jp @は小文字に直してくださいね
http://www.nihonseimei-zaidan.or.jp/kankyo/06_work.html
参考リンク
大阪府水質測定計画に基づく測定結果(地下水)
http://www.epcc.pref.osaka.jp/center_etc/water/keikaku/index5.html
Posted by ATCグリーンエコプラザ水・土壌研 at 2009年11月29日 21:18
両備ってひどい会社ですね。消費者無視もはなはだしい!
両備ボイコット運動をしましょう。
Posted by コンシューマー at 2009年12月02日 07:14
大阪水・土壌汚染研究会のメンバー(土壌環境監理士、技術士、土木施工管理技士、環境カウンセラー、宅地建物取引主任等の有資格者)が1月12日(土)に現地入りするようです。
なお、二次訴訟は交渉中です。
なお、二次訴訟は交渉中です。
Posted by 土壌浄化の道筋 at 2012年11月25日 12:51