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2009年11月03日

土壌汚染対策法改正で汚染土地の取引は?

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土壌汚染対策法改正で汚染土地の取引は? 2009-09-05

土壌汚染対策法画2010年に大幅に改正されます。
http://www.env.go.jp/water/dojo/law/kaisei2009.html
土壌環境基準等を超える有害物質が検出された場合には、速やかに措置が必要な区域と、形質変更時に届出が必要な区域に分けて指定されます。

この場合、有害物質が検出さてた土地の評価額や土地の取引はどのようになるのでしょうか?

皆様のご意見をお聞かせください。

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A-7. 土壌汚染対策法改正で湖沼特措法の指定区域に影響?
A-9. 地下水汚染に留意
A-10.周辺の河川の汚染も注意?
A-11.刑法:健康に悪いものを流して誰か死んだら死刑です
A-12.公害防止事業費事業者負担法にも注意
A-13. 改正土壌汚染対策法しか知らない弁護士は懲戒
A-14. 生物多様性基本法守らなくては
A-15. 「生物多様性民間参画ガイドライン」も参考に
A-16. 人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律にも注意!
A-17. 水質汚濁防止法の地下水の浄化命令にも注意!
A-18. 地下水汚染の損害賠償請求が認められた判決にも注意
A-21. 風評被害に対する損害も補償しなければなりません
A-23. 廃棄物なら1億円の罰金と5年の懲役に注意!
A-24. 環境基本法を守らないと違法行為による損害賠償?
A-25. 河川の清潔の保持にも河川法で罰則があります
A-26. 水産動植物に有害な物が漏せつしたら漁業調整規則で罰則
A-27. 報告書隠匿したり証拠を隠滅したら刑法で罰せられます
A-28. 公務員は犯罪だと思えば告発しなければなりません

A-29. 水循環基本法要綱案が成立すれば明確な責任が問われます
A-30. 自治体の埋まっているゴミを綺麗にしたら国家賠償法で賠償

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A-7. Re:土壌汚染対策法改正で湖沼特措法の指定区域に影響?

「健全な水循環」が大切ですね!

たとえば、「湖沼水質保全特別措置法」に基づく指定地域の土地取引は影響がでるかもしれませんね!

霞ヶ浦(北浦及び常陸利根川を含む)の指定区域は

土浦市 、 石岡市、下館市 、竜ケ崎市、下妻市、茨城町、小川町、美野里町、西茨城郡岩間町、岩瀬町、鹿島郡旭村、鉾田町、大洋村、鹿島町、波崎町、行方郡麻生町 、牛堀町、潮来町、北浦村、玉造町、稲敷郡江戸崎町、美浦村、阿見町、牛久町 、茎崎町、新利根村、河内村、郡桜川村、東村、新治郡出島村、玉里村、八郷町、千代田村、新治村、桜村、筑波郡谷田部町、筑波町、大穂町、真壁郡明野町、真壁町、大和村、協和町、北相馬郡利根町、
霞ケ浦、 常陸利根川
栃木県 芳賀郡益子町、佐原市 、 香取郡小見川町、 常陸利根川の区域
印旛沼 
 千葉市、船橋市、成田市、佐倉市、八千代市、四街道市、印旛郡酒々井町・八街町・富里町・印旛村・白井町・印西町・本埜村
手賀沼 千葉県
松戸市、柏市、我孫子市、鎌ケ谷市、東葛飾郡沼南町、印旛郡白井町・本埜村

http://www-gis.nies.go.jp/explain/kisei_w_detail.html
  注意するに越したことはありません

■湖沼水質保全特別措置法の目的■
 水質の汚濁に係る環境基準の確保が緊要な湖沼について水質の保全に関し実施すべき施策に関する計画の策定及び汚水、廃液その他の水質の汚濁の原因となる物を排出する施設に係る必要な規制を行う等の特別の措置を講じ・・・

 湖沼は閉鎖性の水域であり、汚濁物質が蓄積しやすいため、河川や海域に比して有害物質等の環境基準の達成状況が悪い。また富栄養化に伴い、各種の利水障害が生じている。
 このような湖沼水質汚濁の要因は、湖沼の集水域で営まれる諸産業の事業活動の排水や地下水汚染や、人々の日常生活に至るまで多岐にわたっている。

参考リンク
 http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%B8%D0%BE%C2%CB%A1

■湖沼水質保全特別措置法改正趣旨■
 湖沼水質保全特別措置法について、法施行後20年以上が経過した現在も湖沼の水質改善が停滞している現状を踏まえ、より一層の水質改善を図るため所要の改正を行うもの。
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=5765

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A-9. Re:汚染土地の取引は地下水汚染に留意

地下水汚染が生じている地区も要注意かもしれません。
「平成19年度地下水質測定結果」には、実施した井戸4,631 本のうち、325 本の井戸においていずれかの項目で環境基準超過があったことがしめされています。

例として

東京都練馬区 ほか
千葉県千葉市稲毛区、野田市、松戸市、船橋市、香取市
神奈川県川崎市、横浜市
福島県須賀川市
茨城県つくば市、古河市、北茨城市、坂東市
  http://www.env.go.jp/water/report/h20-03/01-ref.pdf

地下水汚染の有無は各行政でも確認できます。

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A-10. Re:汚染土地の取引は周辺の河川の汚染も注意?

土壌汚染対策法が改正されようと環境基準は変わりません。
環境基本法

「環境基本法」 第三節 環境基準 第十六条 
4 政府は、・・・環境基準が確保されるように努めなければならない。

「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」(平成9年3月13日 環境庁告示第10号)
 地下水の水質汚濁に係る環境基準は、設定後直ちに達成され、維持されるように努めるものとする。

 なお、土壌・地下水汚染が原因で河川を汚染している場合があります。

 平成20年度のダイオキシン類濃度が環境基準を超過した地点の例を下記に示します。

埼玉県 利根川 中川 潮止橋、綾瀬川 手代橋
埼玉県・東京都 利根川 綾瀬川 内匠橋
東京都 利根川 中川 飯塚橋、高砂橋、平井大橋/荒川 堀切橋
千葉県 下手賀沼
新潟県 信濃川 平成大橋、庄瀬橋/関川 直江津橋、稲田橋/関川 保倉川 古城橋/落堀川藤村橋
奈良県 大和川上 吐田/大和川 太子橋、藤井、遠里小野橋
大阪府 大和川 大和川河口部

出展:平成20年全国一級河川の水質現況の公表について
 http://www.mlit.go.jp/report/press/river03_hh_000177.html
など
 なお、ダイオキシン類の高いところは他の有害化学物質が高いところが多いです。
 汚染原因者には「公害防止事業費事業者負担法」により応分の負担が求められます。

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A-11. Re:刑法:健康に悪いものを流して誰か死んだら死刑です

土壌汚染対策法が変わっても刑法は変わりません!

第15章 飲料水に関する罪
(浄水汚染)第142条
 人の飲料に供する浄水を汚染し、よって使用することができないようにした者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

(水道汚染)第143条
 水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、よって使用することができないようにした者は、6月以上7年以下の懲役に処する。

(浄水毒物等混入)第144条
 人の飲料に供する浄水に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、3年以下の懲役に処する。

(浄水汚染等致死傷)第145条
 前3条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

(水道毒物等混入及び同致死)第146条
 水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源に毒物その他人の健康を害すべき物を混入した者は、2年以上の有期懲役に処する。
 よって人を死亡させた者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
   http://blogs.yahoo.co.jp/atcmdk/40698686.html

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A-12. Re:公害防止事業費事業者負担法にも注意

「公害防止事業費事業者負担法」を根拠に土壌・地下水汚染の対策費用を負担した例が多くあります。

■公害防止事業費事業者負担法■
(趣旨)
第一条  この法律は、公害防止事業に要する費用の事業者負担に関し、公害防止事業の範囲、事業者の負担の対象となる費用の範囲、各事業者に負担させる額の算定その他必要な事項を定めるものとする。

(定義)
第二条  この法律において「公害」とは、環境基本法 第二条第三項 に規定する公害をいう。
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO133.html

■環境基本法■
(定義)
第二条  
3  この法律において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(・・人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

 本条をよく読むと「生物多様性」にも注意が必要なことが分かります。

 三菱ガス化学が東京都相手に「公害防止事業費事業者負担」の決定を取消すよう裁判で争いました。
http://blogs.yahoo.co.jp/atcmd2006/11608739.html

 三菱化学は、公害防止事業費事業者負担法が「曖昧不明確」「過度に広範」であり憲法違反と主張したり、費用負担計画を定める審議会は形骸化しているから手続的瑕疵があるなど争いました。これらの主張は退けられて平成20年08月20日東京高等裁判所で三菱化学は負けました。

詳しくは↓
「各公害防止事業費負担決定取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成13年(行ウ)第375号,同15年(行ウ)第555号)」
 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=37688&hanreiKbn=04

 裁判に人やお金を使うより、環境を良くすることに人やお金を使って欲しいと思います。
 弁護士センセーも公害防止事業費事業者負担法が憲法違反だとか、審議会は形骸化しているから手続的瑕疵などとは屁理屈に聞こえます。

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A-13. Re:改正土壌汚染対策法しか知らない弁護士は懲戒

 改正土壌汚染対策法をかじった弁護士に汚染土地に関する相談をして、間違った判断をしないように注意が必要です。

弁護士は色々な法令に精通しておく必要があります。
また、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないのに事件を受任していけません。土壌汚染における公害防止事業費事業者負担法が憲法違反だとか、手続的瑕疵があるなどと主張してはいけないと思います。

このようなつまらない弁護士センセーは懲戒にすることができます。

弁護士法
第58条(懲戒の請求、調査及び審査)
 何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。

第1条(弁護士の使命)
 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。

第2条(弁護士の職責の根本基準)
 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。

http://www.houko.com/00/01/S24/205.HTM

弁護士職務基本規程
第二十九条(受任の際の説明等)
 弁護士は、事件を受任するに当たり、依頼者から得た情報に基づき、事件の見通し、処理の方法並びに弁護士報酬及び費用について、適切な説明をしなければならない。

3 弁護士は、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず、その見込みがあるように装って事件を受任してはならない。

http://www.nichibenren.or.jp/ja/jfba_info/rules/data/rinzisoukai_syokumu.pdf

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A-14. Re:改正土壌汚染対策法だけで無く生物多様性基本法守らなくては

「土壌汚染対策法」は人の健康被害の防止を目的にしています。しかし、土壌・地下水汚染は土壌汚染対策法だけを守っていればOKではありません。たとえば、2008年には生物多様性基本法が施行されています。
 生物多様性基本法に違反した場合には、民法の違法行為に基づく損害賠償を請求される場合があります。

第四条(国の責務)
 国は生物の多様性の保全及び持続可能な利用についての基本原則にのっとり、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

第五条(地方公共団体の責務)
 地方公共団体は、基本原則にのっとり、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

第六条(事業者の責務)
 事業者は、基本原則にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、事業活動が生物の多様性に及ぼす影響を把握するとともに、他の事業者その他の関係者と連携を図りつつ生物の多様性に配慮した事業活動を行うこと等により、生物の多様性に及ぼす影響の低減及び持続可能な利用に努めるものとする。
生物多様性基本法リンク↓
  http://www.ron.gr.jp/law/law/biodvs_k.htm

 生物多様性条約は、190か国及び欧州共同体(EC)が締結しています(2008年7月現在)。日本はもちろんを締結しています。今後も締約国会議が開催され取り組みが強化されるのは国際公約です。
 外務省リンク↓
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/bio.html

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A-15. Re:「生物多様性民間参画ガイドライン」も参考に

「生物多様性民間参画ガイドライン」を守っていないと問題が発生するかも知れません。下記の記載がありますのでご参考願います。

 土地改変を行う土地以外にも、土壌の流出や排水、構造物の設置等を通じて、河川生態系や海域の生物多様性に影響を与えることがあります。
 一方で、生物多様性への配慮は、不動産の価値を高めることもありえます。例えば、東京において、緑被率や緑地の規模と不動産価値との間に相関関係があるという研究結果もあります。

【想定される取組の参考例】
? 土地利用を変化させる場合には、生物多様性について適正に配慮する。

? 保有地の管理等を行う場合には、、生息・生育環境の創出や生態系ネットワークの創出等のように正の影響をもたらすよう考慮する。

? 土地利用について、土地の保有者あるいは管理者、開発者、建設事業者等が、それぞれの役割に応じて、生物多様性の保全と持続可能な利用の観点を考慮する。

? NGO/NPO とのコミュニケーションや連携によって、事業者の取組がPR され、それが本業にも良い影響を及ぼす可能性がある。

−土地の改変、建築物の建設−
? 土地を開発する場合、事業主は施工者の選択、開発計画の決定、施工の管理等において、生物多様性の保全に配慮する。

? 緑地を創出する際には、地域固有種の利用や外来種の移入を考慮する。生息地のネットワーク等、周辺地域の生態系との関係性にも考慮する。

−保有地管理−
? 社有地や社有林等の企業緑地において、地域生態系保全や社員に対する環境教育等を目的としたビオトープを整備する。

? 緑地等を評価するシステムにより、保有地の緑地の管理・運営の取組の多角的な評価を受ける。

−跡地利用−
? 周辺の生態系とのネットワークにも配慮しつつ、改変前の植生あるいは地域の自然植生等にできるだけ早く戻すことができるよう、植栽等を行う。

−再開発−
? 周辺の生態系とのネットワークや地域の自然植生等に配慮しつつ、緑地やビオトープを創出する。

  http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=14147&hou_id=11485

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A-16. Re:人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律にも注意!

人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律

第一条(目的)
 この法律は、事業活動に伴つて人の健康に係る公害を生じさせる行為等を処罰することにより、公害の防止に関する他の法令に基づく規制と相まつて人の健康に係る公害の防止に資することを目的とする。

第二条(故意犯)
 工場又は事業場における事業活動に伴つて人の健康を害する物質(身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質を含む。以下同じ。)を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

2  前項の罪を犯し、よつて人を死傷させた者は、七年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。

第三条(過失犯)
 業務上必要な注意を怠り、工場又は事業場における事業活動に伴つて人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者は、二年以下の懲役若しくは禁錮又は二百万円以下の罰金に処する。

2  前項の罪を犯し、よつて人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は三百万円以下の罰金に処する。

第四条(両罰)
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前二条の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第五条(推定)
 工場又は事業場における事業活動に伴い、当該排出のみによつても公衆の生命又は身体に危険が生じうる程度に人の健康を害する物質を排出した者がある場合において、その排出によりそのような危険が生じうる地域内に同種の物質による公衆の生命又は身体の危険が生じているときは、その危険は、その者の排出した物質によつて生じたものと推定する。

  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO142.html

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A-17. Re:水質汚濁防止法の地下水の浄化命令にも注意!

水質汚濁防止法
第十四条の三 (地下水の水質の浄化に係る措置命令等)
 知事は、有害物質に該当する物質を含む水の地下への浸透があつたことにより、現に人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、その被害を防止するため、当該特定事業場の設置者(その地位を承継した者を含む。)に対し、地下水の水質の浄化のための措置をとることを命ずることができる。

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A-18. Re:地下水汚染の損害賠償請求が認められた判決にも注意

工場で使用した化学物質が地下に浸透し、生活用水である井戸水を汚染したとして、住民による不法行為に基づく損害賠償請求が認められた判決。

福島地方裁判所郡山支部平成14年4月
【事案の概要】
 被告は、金属製容器等の製造等を業とする会社であるが、その設置・操業する工場において、洗浄剤としてテトラクロロエチレン(以下「本件物質」という。)を使用していた。原告らは、その工場の周辺住民であり、井戸水を生活用水として飲用等に利用していたが、この工場で使用した本件物質が地下に浸透して井戸水に混入したため、井戸水が汚染されたとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた。

 裁判所は、井戸の位置関係、地下水流動系の状況、本件物質の検出状況等を総合すると、本件物質が地下に浸透して、地下水の流動系に沿って移動拡散して井戸に到達したと認定し、地下の浸透を防止する措置を講じるべき注意義務を怠った過失があるとし、かつ、水道水の暫定基準値を上回る量の本件物質が井戸水から検出された経緯から、侵害行為の違法性を認め、原告らの損害賠償請求を認容した(確定)。

http://www.soumu.go.jp/kouchoi/substance/chosei/pdf/recent/recent_39.pdf

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A-21. Re:風評被害に対する損害も補償しなければなりません

主文
 被告は,原告に対し,○○○万円及びこれに対する平成12年3月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

事実及び理由
第1 請求
 被告は,原告対し,○○○○万円及びこれらに対する平成12年3月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,観光地引き網,しらす漁等を営む原告らが,神奈川県被告藤沢工場内からダイオキシン類を含む排水が川に排出され続けた結果,報道されたことに観光地引き網の予約キャンセル,しらすの販売減少等により営業損害等を被ったと主張して,遅延損害金の支払を求めた事案である。

 これに対し,被告は,組合長との間で,本件ダイオキシン事故に関する補償契約を締結し,同契約に基づいて6300万円の補償金を支払ったので本件誤接続に関する原告らとの紛争は解決済みである旨主張して,原告らの請求を争った。

 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20060816135732.pdf

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A-23. Re:廃棄物なら1億円の罰金と5年の懲役に注意!

使用が廃止された有害物質使用特定施設等の敷地の土壌汚染でなく廃棄物が埋まっていたら法的に難しくなります。

ご存知のように「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的としています。
  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO137.html

不適切な廃棄物処理が後を絶たないので罰則が強化されています。

第25条
1 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
十四  第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
十五  第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者
十六  第十六条の三の規定に違反して、指定有害廃棄物の保管、収集、運搬又は処分をした者
2  前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。

(投棄禁止)第16条 
 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

(指定有害廃棄物の処理の禁止)第16条の3 
 何人も、人の健康又は生活環境に係る重大な被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物として政令で定めるもの保管、収集、運搬又は処分をしてはならない。

第三十二条
 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一  第二十五条第一項第一号から第四号まで、第十二号、第十四号若しくは第十五号又は第二項 一億円以下の罰金刑
二  第二十五条第一項(前号の場合を除く。)

 条文は読みにくいですが、むやみに廃棄物を埋めたり、焼いたり、保管したりすると会社に1億円の罰金と、本人にも罰金や5年以下の懲役が併科されます。

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A-24. Re:環境基本法を守らないと違法行為による損害賠償?

意外と知られていない法律に環境基本法があります。

環境基本法 は、
 環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

基本理念は3条ですね。

(環境の恵沢の享受と継承等) 第三条
 環境の保全は、環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており人類の存続の基盤である限りある環境が、人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ、現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。

(事業者の責務)第八条
 事業者は、前3条の基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。

  http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO091.html

 事業者は、将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するように汚水・廃棄物等を処理することや、自然環境を適正に保全するために必要な措置を行う責任があります。
責任を果たさ無いならば、 損害賠償を覚悟しなければなりません。

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A-25.河川の清潔にも罰則があります

(河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為の禁止、制限又は許可)
第29条 ・・・河川の・・清潔・・・等について、河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為については、政令で、これを禁止し、若しくは制限し、又は河川管理者の許可を受けさせることができる。

第109条
 第29条第1項若しくは第2項の規定に基づく政令又は都道府県若しくは指定都市の条例には、必要な罰則を設けることができる。

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A-26. 水産動植物に有害な物が漏せつしたら漁業調整規則で罰則

(有害物の遺棄漏せつの禁止)
第三十二条 水産動植物に有害な物を遺棄し、又は漏せつしてはならない。

第四章 罰則
第五十条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三十二条第一項、

第五十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して、第五十条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。

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A-26. 汚染データに限らず文書を毀棄した者は刑法で罰せられる

(公用文書等毀棄)第258条
 公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

(私用文書等毀棄)第259条
 権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、5年以下の懲役に処する。
   http://blogs.yahoo.co.jp/envlow/7842072.html

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A-27. 報告書隠匿したり証拠を隠滅したら罰せられます
(信書隠匿)第263条
 他人の信書を隠匿した者は、6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第百四条   【 証拠隠滅等 】
・・・・証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。

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A-28. 公務員は犯罪だと思えば告発しなければなりません
刑事訴訟法 告発 239条〜
第二百三十九条
 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。

○2  官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

第二百四十一条
 告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。

2  検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。

第二百四十二条
 司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。
  http://blogs.yahoo.co.jp/envlow/7850967.html

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A-29. 水循環基本法要綱案が成立すれば明確な責任が問われます

第二 基本理念
(1)地表水及び地下水は公共水であること
 地表水及び地下水は、共に公共水であり、流域別水循環計画に基づいて統合的に管理されなければならない。

(2)水循環保全義務と水環境享受権
 現在の国民は、現在及び将来の国民のために、持続可能な水循環系を保持する義務を担う。現在及び将来の国民は、水量、水質、生態系の面から持続可能な水循環系によつてもたらされる健全な水環境の思恵を享受する基本的権利を有する。

(4)持続可能な水循環型社会の再生と将来世代への継承
 持続可能な水循環型社会の形成は、健全な国土とその上に生活する国民の健康で文化的な生活と幸福追求に不可欠である。このため、これを再生し、将来世代に継承しなければならない。

(6)拡大汚染者責任の原則
 通常の生活者が処理処分できない有害物質の生産者、通常の生活者の排出する各種の感染症の原因となる病原菌やウイルス、微量な医薬品や有害化学物質を含む排水の処理に当る事業者及び地方公共団体は、汚染防止について第一次的な責任を有する。

事業者の責務
 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に当つては、水循環系の支障とならないよう必要な措置を講じなければならない。支障が生じた場合は、その責は事業者に帰すものとする。

  http://mizuseidokaikaku.com/report/report17_tenpu6.pdf

水は大切ですね
チャイナマネーが日本の水源地を買収しているという噂があります・・・・

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A-30. 自治体の埋まっているゴミを綺麗にしたら国家賠償法で賠償

国家賠償法1条1項は,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個別に国民に対して負担する職務上の法的義務に違背して当該国民に損害を加えたときに,国又は公共団体がこれを賠償する責に任ずることを規定するものである。

 平成16年8月25日の時点では,既に土壌汚染対策法が施行され,被申請人の代表者川崎市長は,土壌汚染対策法5条に基づく特定有害物質による汚染区域の指定や,同法7条の措置命令を発する権限を有しており,とりわけ同法7条3項が,土地所有者等の負担においてではあるが,土壌汚染を放置することが著しく公益に反すると認められるときは,川崎市長は,当該汚染の除去等の措置を採り得ることを規定していることを考慮すると,一定の要件の下で,これら
の措置は,被申請人の代表者川崎市長の職務上の法的義務になるものと解される。

 被申請人(川崎市)は,その収集・搬入した焼却灰及び耐久消費財をAをして本件土地に埋め立てさせたことに基づき,申請人に対して,本件土地の本件土壌汚染を除去すべき法的義務を負っていたのであるから,これは,同時に,被申請人を統轄し,代表する川崎市長の職務上の法的義務であると評価することができる。

 したがって,被申請人川崎市長が本件土壌汚染の除去義務に違背する行為は,国家賠償法1条1項の適用上,違法になるものと解すべきである。

  http://blogs.yahoo.co.jp/envlow/4299644.html

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土壌汚染対策法改正で汚染土地の取引は?
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