2010年01月31日
「第9回豊洲土壌汚染対策工事技術会議」BK
「第9回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」の概要
1 日時
平成20 年12 月25 日(木) 9:30〜12:00
2 場所
東京都庁第一本庁舎
3 出席委員
原島文雄座長 ほか4名
4 検討項目
? 地下水管理システム
第7回技術会議で検討した複数の地下水管理システム案について、データの通信
方法や維持管理費を含めて試算した経費を検討し、一つの案に絞り込んだ。
? これまで検討した全体計画の評価・検証
これまでの技術会議において検討した複数の一貫した対策案、公募提案のあった
汚染土壌・汚染地下水対策、液状化対策、市場施設完成後の地下水管理システムを
全て含む総合的な対策について、各案の内容、各委員による評価の結果などにより
比較検討した。
この結果を踏まえ、複数の一貫した対策案を総合し、一つの対策とした案につい
て検討した。
次回会議までに、汚染土壌処理、埋め戻し材料に係る費用を精査することとした。
? 技術会議報告書案の検討
技術会議報告書の構成及び骨子について議論した。
「第9回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」会議録
1 日時
平成20 年12 月25 日(木)9:30〜12:00
2 場所
東京都庁第一本庁舎33 階 特別会議室N3
3 出席委員
原島座長、矢木委員、長谷川委員、安田委員、根本委員
4 議事
(1)市場施設供用後の地下水管理システム
(2)これまで検討した全体計画の評価・検証
(3)選定する技術・工法(案)
(4)技術会議報告書の構成
(5)その他
5 検討内容
(1)市場施設供用後の地下水管理システム
(東京都) それでは、ご説明させていただきます。
まず、1−1ページをごらんください。この地下水管理システムにつきましては、
前々回の第7回技術会議でお示ししたものでございます。案―1としまして有線方式、
案−2としまして無線と有線を併用したもの、どちらを組み合わせていくか決めてい
ただきたいと思います。
まず、案−1でございます。これは有線方式で、地下水の水位観測は圧力式水位計
を有線で行います。水位の観測データ等は、各街区ごとのデータ集積端末を介して中
央司令室まで有線で転送するというものです。
案−2につきましては、地下水の水位観測は圧力式の水位計ですが、これを無線で
行う。あとは有線と一緒です。それをフローに示しましたのが1−2でございます。
左のほうにあります「井戸」というところから二つ四角を飛ばしたところに「街区端
末」というデータの集積端末がございます。ここまでを上の有線、下の無線。あとは、
下のほうの無線は、それ以降、中央監視装置までは有線になりますので、ここだけが
有線か無線かの違いになります。
この経費につきましては、前回もお示ししたとおり、1−3にもう一度つけさせて
いただいております。イニシャルコストは案−2のほうが高いんですけれども、ラン
ニングコストによって逆転する。
それから、担当の委員のほうから意見をいただいております。結論から申しますと、
無線と有線の併用式のほうがよいだろうという意見でございます。確実性はどちらも
同じぐらいで、今は無線といってもかなり確実性が高いので遜色はない。有線でやっ
てしまうと、将来、無線+有線に変更するときに、無線をやるときにちょっとコスト
がかかってしまう。ただ、無線と有線を最初に計画しておけば、将来、有線方式に変
更するにも比較的変更が可能であるという意見をいただいておりまして、担当の委員
は無線+有線のほうがよいと。ランニングコスト、それから将来の変更可能という点
から見ても、案−2の無線+有線のほうが有利ということで、ここでは案−2で行き
たいと考えます。よろしくお願いいたします。
(委 員) 案-2 は、各センサからデータを集積するところまでが、無線で、そこから有線にする
ということでよいか。センサはすべて地下にあるのか。データの集積はどの程度の単
位で行うのか。
(東京都) 井戸の水位計から地上に信号を発信して、各街区ごとにデータを集積し、その後、中
央の監視装置に有線で送る。データの集積は、最大200m程度無線LAN で飛ばせる
ということで、各街区1 ヵ所を想定している。
(委 員) いざというときに有線に変えることはできるのか。
(東京都) 無線の場合だと、無線を有線に変えるだけなので、井戸の中のセッティングが比較的
容易である。有線を無線LAN に変えるためには、機械をすべて入れ換える必要があ
ることから、無線としておくほうが、将来的に有線に変える場合でも対応しやすい。
(委 員) センサは、どの程度の深さに設置するのか。
(東京都) センサはA.P.+2m より下に設置する。地上から7m 程度の深さとなる
(委 員) 水位計は、フロート式か。
(東京都) 水圧式である。
(委 員) 水圧器は数年間で壊れることが多いが、問題ないか。
(委 員) メンテナンスはできるか。
(東京都) メンテナンスは可能である。
(委 員) 給電のための電力線は、一緒にはいるのか。
(東京都) その通りである。
(委 員) 無線(案-2)のランニングコストが安いのはなぜか。
(東京都) 有線の場合、線の維持管理が大きい。
(委 員) 水圧を測って水の浸かっていないところから、無線を飛ばす方法と、空気圧を測る方法がある。
(委 員) これは水圧、空気圧のどちらか。
(東京都) 水圧である。
(委 員) 無線の技術は、ここ5 年くらいで、極端によくなっている。
(東京都) 昔だと、無線は難しかったが、今は有線とさほど遜色がない。
(委 員) 無線+有線(案-2)を採用することでよいか。
(東京都) そのように考えている。
(委 員) 無線を使った事例はあるか。
(東京都) 提案内容を見ると実績はある。
(2)これまで検討した全体計画の評価・検証
(東京都) これまで検討した全体計画の評価・検証
技術会議で既に示した推奨案である汚染物質、液状化対策などを含む一貫した技術会
議としての対策案、土壌汚染対策全体を網羅した提案など、これまで検討した全体計
画について説明した。
(委 員) 評価が高かった案-1〜5 のうち、案-4 については、原位置微生物処理のため確実性に
問題があり、案-5 については、土地の利用、機能、価値の問題が、経費に対して十分
プレイバックされないので、事務局としてはこれらを除いた案-1,2,3 をまとめて、そ
れぞれのよい部分を組み合わせて案をつくるということでよいか。
(東京都) その通りである。
(委 員) 案-4 の原位置微生物処理は、期間が長ければ問題ないが、期間の制約や浄化の確認の
問題があるので、豊洲での適用は難しい。そういった点で、事務局案の考え方でよい
と思う。
(委 員) 案-1,2,3 は、これしかないという特殊な工法ではないと思うので、今後の入札も考え、
事務局案の通り、まとめればよいのではないか。
(3)審査項目及び判定方法
(東京都) 皆様のお手元に、「別紙」ということで判定方法について書いてございますが、判定
方法について確認したいと思います。まず、この判定方法ですけれども、審査項目と
いうのは、以前も技術会議で出させていただいております。提案された各新技術、新
工法について審査項目を4段階評価で、S、A、B、Cと行った上で、総合評価とし
ての判定方法ということで、さらに総合評価の中でもS、A、B、Cによる判定を行
うとしております。表1の審査項目は、例えば「実効性」という中で、豊洲に適用が
可能で、実現の可能性は高いかどうかは、以前技術会議の中でお示ししたものでござ
います。今回、総合評価としての判定方法ということで、Sはどんな基準でつけるの
か、Aはどうするのかということですけれども、「審査項目のほとんどが特に優れて
いる」のをS、「審査項目のほとんどが優れている」のをAとしまして、「審査項目
のほとんどが標準である」というのがB、Cとしましては「審査項目のほとんどが標
準に達しない、または実効性が標準に達しない」。こういったもので、S、A、B、
Cという判断基準にしていきたいと考えますが、これでよろしゅうございましょうか。
その辺のところを議論していただければと思います。
(委 員) 5 つの審査項目に、S,A 評価が何個以上というような評価の仕方とするのか。
(委 員) 最終的には数値化し難いところもあるが、結果としてS,A 評価の数はわかる。分野ご
とにばらつきがないか、大きな矛盾はないか、最終的にはチェックが必要である。
(委 員) B,C 評価の「標準」はどのように判断するのか。
(東京都) 以前に会議で提示した一般的な工法を考えている。
(委 員) S 評価なのかA 評価なのかというときは、実効性が重みが増すのではないか。
(委 員) 審査項目のうち、実効性が最も重要となる。これがなければ、その他の4 項目の評価
が高くても意味がない。「実効性」が絶対的なものだという判断がいるのではないか。
「ほとんど」ということを数値化することは難しいと思う。
(3)選定する技術・工法(案)
(東京都) それでは、次に3−2ページをお開きください。技術会議のほうで、今、ここに個別
の提案された技術・工法ではなくて、このように工法という形で選定していただきた
いと考えております。
例えば遮水壁の設置でございますが、ソイルセメントに遮水シートを組み合わせた
遮水壁を1から3案として採用しております。それで、一つにまとめるに当たっても、
こういった工法を採用していきたいと考えております。内容としましては、現地の土
とセメントを混合してつくるソイルセメントといいますけれども、それの中に遮水壁
を組み合わせてつくるというものです。
それから、汚染地下水につきましては、浄化は、地下水の揚水とあわせて土壌ガス
を吸引といった工法を採用していきたいと思います。地下水の汲み上げとあわせて、
井戸の周囲にガスを吸引する管を設置して、土中に残った汚染地下水からの揮発性の
高いベンゼンなどのガスを吸引していくというものです。処理としましては、通常使
われています曝気、凝集沈殿処理。地下水中のベンゼンは曝気、シアン化合物は酸化
分解、重金属は凝集沈殿といったもので処理していきたいと考えています。
汚染土壌の処理でございますが、微生物処理と中温加熱と洗浄処理、大きく分けて
この三つになります。微生物処理の中には、さらに前処理として原位置で処理するも
の、これは土壌中に栄養塩とか空気を供給して微生物を活性化させて、土中のベンゼ
ン濃度を低下させていくというものです。それから、掘削の処理としましては、一度
ベンゼンを含んでいる土壌を掘削して、別の場所で栄養塩や空気を供給する。それか
ら、微生物を活性化させて分解するので、ちょっと原位置とは異なったやり方も取り
入れております。
中温加熱処理でございますが、油膜はなかなか低温では取れませんので、400 度か
ら600 度ぐらいに加熱をして、油類を揮発させるという方法。
洗浄処理につきましては、通常ベンゼンなどは水洗いが非常に難しいんですけれど
も、洗浄処理の過程の中に泡浮遊分離装置ですとか曝気処理装置をつけて、ベンゼン
なども洗浄できるような装置。シアン化合物、重金属は洗浄で十分ですけれども、ベ
ンゼンなどもやっていける。こういった新しい方法も取り入れていきたいと考えてお
ります。
それから、液状化対策でございますが、砂杭によって締め固める工法、砂杭を土中
に打ち込むことによって地盤の強度を高めて液状化防止を図る。
格子状の固化という方法。これは、格子状に地盤を固化しまして、地盤の横方向の
変形を阻止するといったことで液状化にこたえる。
地下水の管理システムとして、無線と有線を利用した管理システム。データの集積
末端から中央監視装置までは有線でつなぎますけれども、それまでは無線で飛ばす。
先ほどちょっとご説明したとおりのやり方です。
それから、右のほうに該当する提案件数ということで、S評価、A・B評価とあり
ます。S評価というのは、この中で選定された工法についてS。類似でありますけれ
ども、選定されるまでに至らなかったもの、それから、今後契約に当たってかなり努
力評価すればS評価になり得るもの、こういったものをA・Bという形でまとめさせ
ていただきました。評価の件数につきましては現在精査中ですので、数字は変わる可
能性があります。
それから、報告書では別紙をつけて、ある程度提案の名称などもその中で書くこと
によりまして、提案者にはわかるようにしていきたいと考えております。
次に、3−3ページをおめくりください。1から3案を組み合わせた全体の計画の
フロー図でございます。まず、東京ガスの操業時の地盤面(A.P.+4m〜A.P.+2m)、
青い点線で囲んであるところですが、この汚染土壌の10 倍以下のものは埋立用材と
して用いていく。
それから、10 倍を超えてしまう濃度の濃いものは、先ほどご説明した三つのバー
ジョンに分かれます。一つは掘削の微生物処理、これはベンゼンに限りますが、掘削
して別なところで微生物処理をしていく。洗浄処理は、シアン化合物と重金属。それ
から、原位置で微生物処理をいたしまして、濃度の濃いところでも10 倍以下ぐらい
に前処理をする。その後、先ほどの泡浮遊分離装置だとか、曝気装置を用いてベンゼ
ンも洗えるようになりましたら、洗浄処理施設で処理をしていくという図式になって
います。
それから、油分につきましては、やはり中温加熱でないとなかなか処理することが
できませんので、この中には中温加熱も入れております。
それから、東京ガスの操業時の地盤面から深さ2mよりも深いところ、この図でい
きますと赤い点線で囲んであるところでございますが、10 倍以下の比較的薄いとこ
ろは掘削微生物処理、これはベンゼンに限りますが、微生物の処理をやっていきます。
それから洗浄処理。油分を含んでいるところについては中温加熱。
それから、10 倍を超える比較的濃くなっていくところは掘削の微生物処理、これ
はベンゼンに限りますけれども、全く同じやり方をやっていきます。それから洗浄処
理。原位置の微生物を使ってベンゼンを10 倍以下ぐらいに下げたところで洗浄処理
をしていく。油分を含むところは中温加熱。これは、1から3のすべての対策が入る
ような形で組み合わせております。
補足して説明をさせていただきたいのですけれども、3−2ページでございます。
技術会議としてどういう形で技術・工法を選定したかということですけれども、やは
り行く行く後段のこと、具体的に今度は工事の発注をします。その中で競争性という
のは非常に大事なことになっています。そういうことを非常に重く考えているのが一
つあります。
二つ目に、いろいろ公募してくれたのですけれども、A評価、あるいはB評価であ
っても、豊洲の汚染対策に合っていても、たまたま経費が高かったんですが、いざ工
事をやるときに頑張っていただいて取る可能性もあると思っています。二つ目は、経
費のことをお話ししました。汚染土壌処理費とか、埋め戻し、あるいは運搬費は、い
ろいろヒアリングをしますと単価に幅があります。それから、運搬についても船を主
体にしていこうと考えていますので、船の大きさとか、船にいろいろ装置がついてい
る。バックボーンがついていたりするので、運賃に非常に幅があります。そういうの
を精査中なので、少し時間をいただいて、1月15 日には最終的なものを出します。
(東京都) 資料?(3-4 頁)に示す経費は、現在精査中でまだ下がる可能性がある。次回に最終
的な経費を提示する。
(委 員) 資料?で選定された技術・工法が技術会議としての案となり、入札の際の仕様書にな
るということでよいか。工種ごとの経費の内訳も公表されるのか。
(東京都) そのように考えている。
(委 員) 街区ごとに分けるのか。
(東京都) 技術会議では、街区ごとに分けないが、実際の発注時にはおそらく3 街区に分けて個
別に発注することになると思う。
(委 員) 資料?(3-2 頁)の汚染地下水処理で、シアン化合物は酸化分解の他に紺青法も選定
したので、併記したほうがよい。また、汚染地下水浄化の「地下水揚水とあわせて土
壌ガスを吸引」は、一種のスパージングとなり、地下水の他に土壌中のベンゼンを浄
化する効果もある。よって、内容の「汚染地下水から」という表現は削除したほうが
よい。
(東京都) 了解した。
(委 員) 全体計画フロー図(資料?,3-3 頁)はこれで問題ないが、油分の影響で微生物処理
がうまくいかない場合、それがわかった段階で即加熱処理を行うなど、ゆとりを持っ
たほうがよいと思う。また、中温加熱処理は、仮設となり焼却能力が限られてくるの
で、原位置微生物処理やスパージングを兼ねたディープウェルで、なるべく処理基準
の10 倍以下とし、中温加熱処理の対象としないようにすべきと思う。
(東京都) 了解した。
(委 員) 液状化対策が2 種類あることについては、液状化層が厚い場合と液状化層が薄い場合
というように条件を明示したほうがよい。また、3-2 頁(資料?)の砂杭締固め工法
の内容は、「地盤の強度を高めて」を「密度を高めて」とするのが正しい。格子状固
化工法も、「地盤の横方向の変形」ではなく、「地震時の地盤の剪断変形」が正しい。
(委 員) 資料?の経費と資料?の案-3 の経費が、同じ額となっているのは、偶然か。
(東京都) 資料?の案-1〜3 を組み合わせた資料?の案は、資料?の案-3 に非常に近い工法にな
っている。違いは、案-3 では処理基準の10 倍を超過するベンゼンを含む汚染土壌を
洗浄処理するとしていたが、前処理をしてベンゼン濃度を処理基準10 倍以下とし、
洗浄処理することに変更したことである。この部分が、案-3 と案-1〜3 の組み合わせ
案では億円単位に丸めると同じ数値となる。
(委 員) 案-3 を基本とし、部分的に案-1,2 を採用しているということになると思うが、そのよ
うな表現をせず、案1〜3 が同じレベルとして評価しているような表現となっている
のには、何か意図があるのか。
(東京都) 結果的に案-3 に近い経費となっているが、組み合わせは、案-1〜3 を網羅した内容と
なっている。
(委 員) 経費は、直接経費の試算額だと思うが、実際は間接経費、金利、保険料なども入って
くるので、その辺りをはっきりさせたほうがよい。
(東京都) 経費率には間接経費も見込んでいる。
(委 員)予定価格ではないと前回説明があったが、この経費を上回って落札するということが、
社会的に見て不自然になる。今回はリスクを見込んでいないので、本当に大丈夫な額
かというところまでは詰めていない。リスクを考えると、この経費を上回る可能性も
あるので、限定がつく額なのであれば、そのことを明確にしたほうがよい。見込んだ
経費率とは、何か。
(東京都) ヒアリングの結果、提案者からの提示があればこれを採用している。回答がない場合
は、東京都の経費率を採用した。
(委 員) 経費率には幅があり、実際の応札でどのようになるかはわからない。よって、経費を
見込んでいるので、問題ないというのは少し不安な面がある。対応として、この経費
を精査し、もっと安くなる要素のほうが多いと判断することもあるし、数値を丸めて
示す方法や注釈をつけて、幅のある数字であることを示す方法などいろいろな方法が
あると思う。あくまでも現状の労賃も含めた単価であるということを言っておく方法
もある。
(東京都) 一番注目されるのは経費だと思う。指摘事項に配慮して表現を工夫するが、1 年ぐら
い前の鋼材や原油が高騰したような、客観的な要素で説明できる状況変化がなければ、
発注のときにこの経費を変えることは難しい。それだけ重い数字になると認識してい
る。
(委 員) 業界も認識しているか。
(東京都) 今回は、技術力を問う公募であるので、提案者も経費に関しては安全率は見込んでいると思う。
(委 員) 資料?の3-2 頁で、遮水壁はソイルセメントのみとなっているが、3-3,3-4 頁では、道
路側に鋼管矢板、護岸側にソイルセメントという2 種類の工法になっている。なぜ3-2
頁は1 種類の記載となっているのか。また、道路側と護岸側で遮水壁を変える理由は
何か。
(東京都) 道路側は、新交通、道路構造物に与える影響が懸念されること、6.5m 程度の自立が
必要なことから剛性の強い鋼管矢板を採用している。一方、護岸のほうはそれほど自
立が必要ないので、経費の安いソイルセメントを採用している。資料?の3-2 頁で、
鋼管矢板を記載していないのは、一般的な工法であるためで、提案のあったソイルセ
メントのみを記載した。記載内容の一貫性が欠けている部分があるので、次回までに
見直す。
(委 員)資料?の3-3 頁で、「原位置微生物処理(前処理)で10 倍以下にする」という表現が
ある。原位置微生物処理は、シアンにもある程度効果があるが、今回はベンゼンを対
象にするので、そのことを明確にしたほうがよい。また、「10 倍以下」と決めつける
と、これが達成されなければ掘削できないと思われるので、「10 倍を目指す」とか、
「目標にする」とかの表現のほうがよいのではないか。
(東京都) 了解した。
(東京都) 資料?の3-2 頁で件数として示しているS,A,B 評価の提案は、別紙として公表する予
定である。評価結果は、個別に通知するが、報告書には件数のみ示せばよいのか。公
募を実施した責任の面で、別紙として、提案企業名、提案者名は出さずに、提案名称
を示してはどうかと考えている。
(委 員) 件数や割合は示してもよいが、名前は示さないほうがよいのではないか。
(委 員) 報告書で具体的な技術を示すと、なぜその技術が選ばれたのか、技術会議が責任を負
うことになる。
(委 員) B 評価の提案は、一般的に使われている技術が多い。
(東京都) S 評価の技術だけを示すのか、A 評価までとするのか、その辺りを議論していただき
たい。
(委 員) バイオレメディエーションとか、技術として評価するのであれば問題ないが、個別の
名称を記載するべきか。示すとしてもS,A 評価程度だと思うが、この場合にはA 評価
とB 評価の基準を明確にしておく必要がある。
(委 員) 個別に提案者に評価結果を示すのであるから、責任は果たしているのではないか。別
紙で示す必要はないと思う。
(委 員) 仮に示すとしても件名だけでなく、簡単にでも内容を記載しなければ、わからないの
ではないか。
(委 員) 公表というのは、閲覧を意味するのか。
(東京都) 東京都のホームページに載せることになると思う。
(委 員) 分類された提案名称と総合評価を示すのか。
(委 員) 提案の概要も示すのか。
(東京都) 概要は、事務局が要約して作成したので示さない。分類された提案名称と総合評価を
示す。
(委 員) その内容を公表するのであれば、報告書に別紙として示す必要はないのではないか。
(委 員) 資料?の3-2 頁にS 評価だけ記載し、内容欄にその概要を示す方法もあるのではない
か。
(東京都) S 評価だけにすると、これが採用されたように誤解されるおそれがあるので、S 評価
に固定したものではないという趣旨で、A,B評価の件数も示している。
(委 員) A 評価までならよいが、B 評価まで入れるのは気になる。
(委 員) 実績のあるB 評価をA 評価とするなど見直しを行いたい。
(東京都) 評価を見直していただいて、S,A 評価の件数を示したいと思う。
(委 員) B 評価の技術でも入札に参加できるのか。
(東京都) 参加できる。
(委 員) 今日審議された案が技術会議での結論であるとして決定する。
(4)技術会議からの提言骨子
(東京都) 技術会議からの提言骨子
○以下の内容を説明した。
1 検討体制
(1)豊洲新市場予定地の安全・安心を確保する対策と、具体的な技術・工法を別組織で検討
(2) 技術・工法を各分野の専門家で検討
2 技術・工法の公募実施
(1) 全国の幅広い業種の事業者から多数の提案
(2) 最先端の技術・工法の提案
(3) 多種多様な内容の提案
3 提言内容
(1)個々の技術・工法を最適に組み合わせた総合的な対策
(2) 最先端の新たな技術・工法の採用
? 最先端の処理技術により複合的な汚染を一掃
? 国内最大規模の新構造遮水壁設置
? 先進的工法による地下水の早期浄化
? 国内初の大規模地下水管理システム
(3) 環境に配慮した対策
? 汚染土壌は都域内で処理
? 処理土壌のリサイクルの促進
? トラック輸送の大幅削減
? 集中豪雨にも地下水の管理水位を維持
(4) 汚染状況の詳細な把握・分析に基づく対策
4 提言の特色
(1) 安全・安心を高いレベルで確保
? 専門家会議の提言を確実に実現
? 地下水を敷地全面にわたって早期に環境基準以下に浄化
? 土壌汚染対策法改正の動向を考慮した対策の採用
(2) 経費の大幅な縮減
(3) 工期の短縮
(4) 確実に施工可能な技術・工法を選定
(5) 契約に当たっての競争性を確保
(委 員) 液状化対策について再確認したい。液状化対策には、液状化により地下水が上がって
きて、上の土をかき乱す、要するに土壌汚染に結びつくので対策が必要という考え方
と、埋立地なので防災上対策が必要という考え方がある。この資料では、防災という
記述がなく、土壌汚染を防ぐための一つの方法だという書き方にしかなっていない。
その場合、緑地には液状化対策を実施しないので、矛盾が生じるのではないか。一般
の方には、土壌汚染プラス防災という意味で液状化対策を検討したというほうが、安
心の面ではよいのではないか。それでも緑地の矛盾は残る。
(東京都) 検討して記述を工夫する。
(委 員) 2 頁(1)に「応募者について見ると、国内有数の大手建設会社」とあるが、土壌の処
理業者が応募していないように読めるので、「土壌処理の専門業者に加え」などとい
う表現が必要と思う。4 頁(3)の?で「単に焼却するのではなく」は、「産廃の処分
場に搬入するのではなく」のような内容になると思う。同じ4 頁の「トラック輸送の
大幅減」は、環境問題と、エネルギー効率の面から省エネ対策にもなる。6 頁の4(1)
の?に「土壌汚染対策のすべて」との記述があるが、その下の?にあるように地下水
を浄化することで、建物下の遮水壁は設置しないので、「すべて」は削除したほうが
よい。その下の?は、重金属の不溶化に関する提案も多くあったので、指定区域解除
の要件も含めた記述がよいのではないか。
(委 員) 地下水を環境基準以下に浄化すると技術会議で決定したことで、液状化による汚染が
なくなった。したがって、防災対策だけでよくなり、全面的に液状化対策を実施する
必要があったものを、駐車場だけとし液状化対策範囲を狭くすることができたという
ようにアピールできるのではないか。
(委 員) 本当に問題ないかという疑問に対して、どのように答えるか。
(委 員) 対策後も地下水の浄化の機構を残しておくということで対応できる
(委 員) 本当は4m の盛土があるので、下で液状化しても実際には上がってこない。裏付けを
とれるデータもある。
(委 員) 7 頁(4)に「さらに、専門的視点から……ヒアリングを行い」とあるが、技術会議と
してヒアリングしてはいないため、技術会議で質問事項を検討して、事務局がヒアリ
ングを実施したということになると思う。
(委 員) 資料の構成は、大変よいので、あとは推敲をすることとする。
(5)技術会議報告書の構成
(東京都) 前回会議で報告書の概要について説明をさせていただきました。今回は報告書という
形にして、その構成について説明をさせていただきます。
本日、選定の結果と、それから、先ほども公表についてご議論がありましたけれど
も、それは一応該当するところが空欄になっておりますが、次回までには内容をすべ
て記載して、案という形でご説明をさせていただきたいと思っております。
それでは、1枚めくっていただいて、目次でございます。内容をすべてにわたって
簡単にご説明させていただきます。目次は大きく1から5、1番が設置目的と検討体
制、2番が新技術・新工法の公募、三つ目が評価・検証の過程、四つ目が技術会議の
提案、5番目が技術会議からの講評というふうにしてございます。
もう1枚おめくりいただいて、1ページでございます。ここは設置目的と検討体制
ということで、二つ目の検討体制につきましては、この会議の構成でございます。非
公表となっておりました委員の皆様の氏名を公表させていただくということでござ
います。
もう1枚目おめくりいただいて、2ページです。ここが開催状況です。会議の開催
日ごとに検討内容を記載して、開催状況を明らかにしてございます。これも最後まで
いきますと、すべてはまるようになっております。一番下に会議の運営についてです
が、会議は非公開としておりまして、その理由と、会議終了後には検討結果等を公表
していきますという運営についての記載をしてございます。
もう1枚おめくりいただいて、3ページでございます。ここは新技術・新工法の公
募です。内容につきましては、公募実施の際に会議で検討をいただきました公募要領
の主な内容を記載してございます。
次に、4ページでございまして、公募の結果の応募状況を明らかにしてございます。
表の上が事業者数ということで、種別は、大手事業者その他120 事業者、提案内容の
分類についても、汚染土壌その他で221 件というふうに表にして記載をしてございま
す。
次に、5ページをおめくりいただきまして、ここから評価・検証の過程でございま
す。まず初めに、評価基準といたしまして、ここで?から?まで記載しております評
価基準は、公募要領に記載された評価基準でございます。
それから、その下の審査項目と判定方法につきましては、先ほどご検討いただきま
した審査項目、判定方法の記載をしてございます。
6ページをお開きいただきたいと思います。評価の視点としてございます。第4回
の会議から第7回の会議まで議論をいただきました評価の視点、あるいは課題という
ことで、これは評価をする際の精度を高めるために何回か議論していただいたものを
整理して記載しております。6ページ、7ページにわたって評価の視点ということで
整理をさせていただきました。
8ページ、検討経過でございます。検討経過は、今まで会議でやっていただいた検
討経過を記載している形になっております。初めに、個別技術の評価でございます。
評価の方法といたしまして、先ほど221 件のうち総合提案の8件を除きました213
件について、各委員の専門分野ごとに評価をしていただきました。その結果を会議で
議論するということで、専門分野を超えて多角的に検討をしていただいたという記述
が評価の方法でございます。
その結果につきましては、次の9ページに記載をしてございます。S、A、B、C
の空欄のところには、個別技術の分類評価ごとに件数が入るようになってございます。
今は空欄でございます。合計は213 件ということで、総合提案を除いた213 件がこ
こに入る形にしてございます。
次に、10 ページをお開きいただきたいと思います。先ほどの個別技術をもとに各
委員から推奨していただいたものを一連の対策として組み上げたわけですけれども、
その前提といたしまして、ここに記載してありますように、技術会議が独自に提案し
た事項ということで、処理土量の低減であるとか、地下水の早期浄化、これは会議が
独自に提案をした事項と捉えてございます。これを前提に一貫した対策をつくり上げ
て、その評価ということで、その下の「一貫した対策の評価・検証」ということにな
ります。これは、今日もご議論いただきました5案のところの評価でございます。
委員から推奨技術として出していただいたものを組み合わせて、それに今の技術会
議の独自に検討された対策事項を反映させて汲み上げたという位置付けでございま
す。この評価につきましては、経費、工期の算定、その他多角的な検討を行って評価
をし、本日、1から3、そして1本にしたという経過がございます。
次のページに1から5案の概要をお示ししてございます。
次に、12 ページでございます。応募のあった総合提案の8件の評価についてでご
ざいます。これにつきましては、委員の専門分野に関する部分を以前評価していただ
き、今日、その結論が出たところでございます。また、先ほども出ました2件につき
ましては、1事業者の提案をもとに二つの案を作成して評価をしたということで、先
ほどの5件と併せまして15 件を本日評価していただいたということでございます。
次の13 ページに、ただいまの総合提案の8件と2件、合計10 件の概要を記載させ
ていただいております。
それから、14 ページは白紙になってございますが、これは今日、あるいは前回か
らそれぞれの一連の対策についての評価を記載するということで、本日の会議を反映
させて、次回までには評価について記載をしたいと思います。
次の15 ページ以降ですけれども、ここからは技術会議からの提案ということで、
取りまとめによる技術会議からの提案の記載となります。内容につきましては、提案
の内容ですとか、その前段となる考え方ですとか、そういうことを次回までに本日の
結論を受けて記載したいと思っております。
次のページですけれども、ここも空欄になってございますが、技術会議からの講評
ということで、まとめ的な内容にしたいと思っております。
また、先ほどアピール・ポイントでご議論いただきましたけれども、そういうとこ
ろも考慮しながら報告書をつくり上げて、次回、15 日には案という形でご説明がで
きるようにしたいと思っております。以上でございます。
(委 員) 11 頁の表中の「一般的な工法」は何か。
(東京都) これまで「一般的な工法」を基準に比較検討したので記載しているが、記載の有無に
検討を要すると考えている。
(委 員) 液状化対策は、一般的な工法と全く変わらないので、何も変わっていないと指摘され
そうである。
新しい工法がなかったので、仕方がない面もある。改良範囲を狭くしたということを
アピールすればよいと思う。
(委 員) 先ほどの議論にも結びつくが、選定された工法をS 評価もしくはA 評価の技術とす
るのであれば、選定されていない分類に例えばA 評価があった場合、矛盾する。
(東京都) 豊洲には適用しにくいが、技術としてはA 評価というものがあってもよいと思う。
(委 員) 報告書には、付属資料がつくのか。
(東京都) 他に公表を予定しているのは、会議録と個別技術の評価結果となる。
(委 員) 公表するというのは、報告書につけるということか。
(東京都) 先ほどの議論から報告書の別紙はつけず、ホームページなどで公表する。
1 日時
平成20 年12 月25 日(木) 9:30〜12:00
2 場所
東京都庁第一本庁舎
3 出席委員
原島文雄座長 ほか4名
4 検討項目
? 地下水管理システム
第7回技術会議で検討した複数の地下水管理システム案について、データの通信
方法や維持管理費を含めて試算した経費を検討し、一つの案に絞り込んだ。
? これまで検討した全体計画の評価・検証
これまでの技術会議において検討した複数の一貫した対策案、公募提案のあった
汚染土壌・汚染地下水対策、液状化対策、市場施設完成後の地下水管理システムを
全て含む総合的な対策について、各案の内容、各委員による評価の結果などにより
比較検討した。
この結果を踏まえ、複数の一貫した対策案を総合し、一つの対策とした案につい
て検討した。
次回会議までに、汚染土壌処理、埋め戻し材料に係る費用を精査することとした。
? 技術会議報告書案の検討
技術会議報告書の構成及び骨子について議論した。
「第9回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」会議録
1 日時
平成20 年12 月25 日(木)9:30〜12:00
2 場所
東京都庁第一本庁舎33 階 特別会議室N3
3 出席委員
原島座長、矢木委員、長谷川委員、安田委員、根本委員
4 議事
(1)市場施設供用後の地下水管理システム
(2)これまで検討した全体計画の評価・検証
(3)選定する技術・工法(案)
(4)技術会議報告書の構成
(5)その他
5 検討内容
(1)市場施設供用後の地下水管理システム
(東京都) それでは、ご説明させていただきます。
まず、1−1ページをごらんください。この地下水管理システムにつきましては、
前々回の第7回技術会議でお示ししたものでございます。案―1としまして有線方式、
案−2としまして無線と有線を併用したもの、どちらを組み合わせていくか決めてい
ただきたいと思います。
まず、案−1でございます。これは有線方式で、地下水の水位観測は圧力式水位計
を有線で行います。水位の観測データ等は、各街区ごとのデータ集積端末を介して中
央司令室まで有線で転送するというものです。
案−2につきましては、地下水の水位観測は圧力式の水位計ですが、これを無線で
行う。あとは有線と一緒です。それをフローに示しましたのが1−2でございます。
左のほうにあります「井戸」というところから二つ四角を飛ばしたところに「街区端
末」というデータの集積端末がございます。ここまでを上の有線、下の無線。あとは、
下のほうの無線は、それ以降、中央監視装置までは有線になりますので、ここだけが
有線か無線かの違いになります。
この経費につきましては、前回もお示ししたとおり、1−3にもう一度つけさせて
いただいております。イニシャルコストは案−2のほうが高いんですけれども、ラン
ニングコストによって逆転する。
それから、担当の委員のほうから意見をいただいております。結論から申しますと、
無線と有線の併用式のほうがよいだろうという意見でございます。確実性はどちらも
同じぐらいで、今は無線といってもかなり確実性が高いので遜色はない。有線でやっ
てしまうと、将来、無線+有線に変更するときに、無線をやるときにちょっとコスト
がかかってしまう。ただ、無線と有線を最初に計画しておけば、将来、有線方式に変
更するにも比較的変更が可能であるという意見をいただいておりまして、担当の委員
は無線+有線のほうがよいと。ランニングコスト、それから将来の変更可能という点
から見ても、案−2の無線+有線のほうが有利ということで、ここでは案−2で行き
たいと考えます。よろしくお願いいたします。
(委 員) 案-2 は、各センサからデータを集積するところまでが、無線で、そこから有線にする
ということでよいか。センサはすべて地下にあるのか。データの集積はどの程度の単
位で行うのか。
(東京都) 井戸の水位計から地上に信号を発信して、各街区ごとにデータを集積し、その後、中
央の監視装置に有線で送る。データの集積は、最大200m程度無線LAN で飛ばせる
ということで、各街区1 ヵ所を想定している。
(委 員) いざというときに有線に変えることはできるのか。
(東京都) 無線の場合だと、無線を有線に変えるだけなので、井戸の中のセッティングが比較的
容易である。有線を無線LAN に変えるためには、機械をすべて入れ換える必要があ
ることから、無線としておくほうが、将来的に有線に変える場合でも対応しやすい。
(委 員) センサは、どの程度の深さに設置するのか。
(東京都) センサはA.P.+2m より下に設置する。地上から7m 程度の深さとなる
(委 員) 水位計は、フロート式か。
(東京都) 水圧式である。
(委 員) 水圧器は数年間で壊れることが多いが、問題ないか。
(委 員) メンテナンスはできるか。
(東京都) メンテナンスは可能である。
(委 員) 給電のための電力線は、一緒にはいるのか。
(東京都) その通りである。
(委 員) 無線(案-2)のランニングコストが安いのはなぜか。
(東京都) 有線の場合、線の維持管理が大きい。
(委 員) 水圧を測って水の浸かっていないところから、無線を飛ばす方法と、空気圧を測る方法がある。
(委 員) これは水圧、空気圧のどちらか。
(東京都) 水圧である。
(委 員) 無線の技術は、ここ5 年くらいで、極端によくなっている。
(東京都) 昔だと、無線は難しかったが、今は有線とさほど遜色がない。
(委 員) 無線+有線(案-2)を採用することでよいか。
(東京都) そのように考えている。
(委 員) 無線を使った事例はあるか。
(東京都) 提案内容を見ると実績はある。
(2)これまで検討した全体計画の評価・検証
(東京都) これまで検討した全体計画の評価・検証
技術会議で既に示した推奨案である汚染物質、液状化対策などを含む一貫した技術会
議としての対策案、土壌汚染対策全体を網羅した提案など、これまで検討した全体計
画について説明した。
(委 員) 評価が高かった案-1〜5 のうち、案-4 については、原位置微生物処理のため確実性に
問題があり、案-5 については、土地の利用、機能、価値の問題が、経費に対して十分
プレイバックされないので、事務局としてはこれらを除いた案-1,2,3 をまとめて、そ
れぞれのよい部分を組み合わせて案をつくるということでよいか。
(東京都) その通りである。
(委 員) 案-4 の原位置微生物処理は、期間が長ければ問題ないが、期間の制約や浄化の確認の
問題があるので、豊洲での適用は難しい。そういった点で、事務局案の考え方でよい
と思う。
(委 員) 案-1,2,3 は、これしかないという特殊な工法ではないと思うので、今後の入札も考え、
事務局案の通り、まとめればよいのではないか。
(3)審査項目及び判定方法
(東京都) 皆様のお手元に、「別紙」ということで判定方法について書いてございますが、判定
方法について確認したいと思います。まず、この判定方法ですけれども、審査項目と
いうのは、以前も技術会議で出させていただいております。提案された各新技術、新
工法について審査項目を4段階評価で、S、A、B、Cと行った上で、総合評価とし
ての判定方法ということで、さらに総合評価の中でもS、A、B、Cによる判定を行
うとしております。表1の審査項目は、例えば「実効性」という中で、豊洲に適用が
可能で、実現の可能性は高いかどうかは、以前技術会議の中でお示ししたものでござ
います。今回、総合評価としての判定方法ということで、Sはどんな基準でつけるの
か、Aはどうするのかということですけれども、「審査項目のほとんどが特に優れて
いる」のをS、「審査項目のほとんどが優れている」のをAとしまして、「審査項目
のほとんどが標準である」というのがB、Cとしましては「審査項目のほとんどが標
準に達しない、または実効性が標準に達しない」。こういったもので、S、A、B、
Cという判断基準にしていきたいと考えますが、これでよろしゅうございましょうか。
その辺のところを議論していただければと思います。
(委 員) 5 つの審査項目に、S,A 評価が何個以上というような評価の仕方とするのか。
(委 員) 最終的には数値化し難いところもあるが、結果としてS,A 評価の数はわかる。分野ご
とにばらつきがないか、大きな矛盾はないか、最終的にはチェックが必要である。
(委 員) B,C 評価の「標準」はどのように判断するのか。
(東京都) 以前に会議で提示した一般的な工法を考えている。
(委 員) S 評価なのかA 評価なのかというときは、実効性が重みが増すのではないか。
(委 員) 審査項目のうち、実効性が最も重要となる。これがなければ、その他の4 項目の評価
が高くても意味がない。「実効性」が絶対的なものだという判断がいるのではないか。
「ほとんど」ということを数値化することは難しいと思う。
(3)選定する技術・工法(案)
(東京都) それでは、次に3−2ページをお開きください。技術会議のほうで、今、ここに個別
の提案された技術・工法ではなくて、このように工法という形で選定していただきた
いと考えております。
例えば遮水壁の設置でございますが、ソイルセメントに遮水シートを組み合わせた
遮水壁を1から3案として採用しております。それで、一つにまとめるに当たっても、
こういった工法を採用していきたいと考えております。内容としましては、現地の土
とセメントを混合してつくるソイルセメントといいますけれども、それの中に遮水壁
を組み合わせてつくるというものです。
それから、汚染地下水につきましては、浄化は、地下水の揚水とあわせて土壌ガス
を吸引といった工法を採用していきたいと思います。地下水の汲み上げとあわせて、
井戸の周囲にガスを吸引する管を設置して、土中に残った汚染地下水からの揮発性の
高いベンゼンなどのガスを吸引していくというものです。処理としましては、通常使
われています曝気、凝集沈殿処理。地下水中のベンゼンは曝気、シアン化合物は酸化
分解、重金属は凝集沈殿といったもので処理していきたいと考えています。
汚染土壌の処理でございますが、微生物処理と中温加熱と洗浄処理、大きく分けて
この三つになります。微生物処理の中には、さらに前処理として原位置で処理するも
の、これは土壌中に栄養塩とか空気を供給して微生物を活性化させて、土中のベンゼ
ン濃度を低下させていくというものです。それから、掘削の処理としましては、一度
ベンゼンを含んでいる土壌を掘削して、別の場所で栄養塩や空気を供給する。それか
ら、微生物を活性化させて分解するので、ちょっと原位置とは異なったやり方も取り
入れております。
中温加熱処理でございますが、油膜はなかなか低温では取れませんので、400 度か
ら600 度ぐらいに加熱をして、油類を揮発させるという方法。
洗浄処理につきましては、通常ベンゼンなどは水洗いが非常に難しいんですけれど
も、洗浄処理の過程の中に泡浮遊分離装置ですとか曝気処理装置をつけて、ベンゼン
なども洗浄できるような装置。シアン化合物、重金属は洗浄で十分ですけれども、ベ
ンゼンなどもやっていける。こういった新しい方法も取り入れていきたいと考えてお
ります。
それから、液状化対策でございますが、砂杭によって締め固める工法、砂杭を土中
に打ち込むことによって地盤の強度を高めて液状化防止を図る。
格子状の固化という方法。これは、格子状に地盤を固化しまして、地盤の横方向の
変形を阻止するといったことで液状化にこたえる。
地下水の管理システムとして、無線と有線を利用した管理システム。データの集積
末端から中央監視装置までは有線でつなぎますけれども、それまでは無線で飛ばす。
先ほどちょっとご説明したとおりのやり方です。
それから、右のほうに該当する提案件数ということで、S評価、A・B評価とあり
ます。S評価というのは、この中で選定された工法についてS。類似でありますけれ
ども、選定されるまでに至らなかったもの、それから、今後契約に当たってかなり努
力評価すればS評価になり得るもの、こういったものをA・Bという形でまとめさせ
ていただきました。評価の件数につきましては現在精査中ですので、数字は変わる可
能性があります。
それから、報告書では別紙をつけて、ある程度提案の名称などもその中で書くこと
によりまして、提案者にはわかるようにしていきたいと考えております。
次に、3−3ページをおめくりください。1から3案を組み合わせた全体の計画の
フロー図でございます。まず、東京ガスの操業時の地盤面(A.P.+4m〜A.P.+2m)、
青い点線で囲んであるところですが、この汚染土壌の10 倍以下のものは埋立用材と
して用いていく。
それから、10 倍を超えてしまう濃度の濃いものは、先ほどご説明した三つのバー
ジョンに分かれます。一つは掘削の微生物処理、これはベンゼンに限りますが、掘削
して別なところで微生物処理をしていく。洗浄処理は、シアン化合物と重金属。それ
から、原位置で微生物処理をいたしまして、濃度の濃いところでも10 倍以下ぐらい
に前処理をする。その後、先ほどの泡浮遊分離装置だとか、曝気装置を用いてベンゼ
ンも洗えるようになりましたら、洗浄処理施設で処理をしていくという図式になって
います。
それから、油分につきましては、やはり中温加熱でないとなかなか処理することが
できませんので、この中には中温加熱も入れております。
それから、東京ガスの操業時の地盤面から深さ2mよりも深いところ、この図でい
きますと赤い点線で囲んであるところでございますが、10 倍以下の比較的薄いとこ
ろは掘削微生物処理、これはベンゼンに限りますが、微生物の処理をやっていきます。
それから洗浄処理。油分を含んでいるところについては中温加熱。
それから、10 倍を超える比較的濃くなっていくところは掘削の微生物処理、これ
はベンゼンに限りますけれども、全く同じやり方をやっていきます。それから洗浄処
理。原位置の微生物を使ってベンゼンを10 倍以下ぐらいに下げたところで洗浄処理
をしていく。油分を含むところは中温加熱。これは、1から3のすべての対策が入る
ような形で組み合わせております。
補足して説明をさせていただきたいのですけれども、3−2ページでございます。
技術会議としてどういう形で技術・工法を選定したかということですけれども、やは
り行く行く後段のこと、具体的に今度は工事の発注をします。その中で競争性という
のは非常に大事なことになっています。そういうことを非常に重く考えているのが一
つあります。
二つ目に、いろいろ公募してくれたのですけれども、A評価、あるいはB評価であ
っても、豊洲の汚染対策に合っていても、たまたま経費が高かったんですが、いざ工
事をやるときに頑張っていただいて取る可能性もあると思っています。二つ目は、経
費のことをお話ししました。汚染土壌処理費とか、埋め戻し、あるいは運搬費は、い
ろいろヒアリングをしますと単価に幅があります。それから、運搬についても船を主
体にしていこうと考えていますので、船の大きさとか、船にいろいろ装置がついてい
る。バックボーンがついていたりするので、運賃に非常に幅があります。そういうの
を精査中なので、少し時間をいただいて、1月15 日には最終的なものを出します。
(東京都) 資料?(3-4 頁)に示す経費は、現在精査中でまだ下がる可能性がある。次回に最終
的な経費を提示する。
(委 員) 資料?で選定された技術・工法が技術会議としての案となり、入札の際の仕様書にな
るということでよいか。工種ごとの経費の内訳も公表されるのか。
(東京都) そのように考えている。
(委 員) 街区ごとに分けるのか。
(東京都) 技術会議では、街区ごとに分けないが、実際の発注時にはおそらく3 街区に分けて個
別に発注することになると思う。
(委 員) 資料?(3-2 頁)の汚染地下水処理で、シアン化合物は酸化分解の他に紺青法も選定
したので、併記したほうがよい。また、汚染地下水浄化の「地下水揚水とあわせて土
壌ガスを吸引」は、一種のスパージングとなり、地下水の他に土壌中のベンゼンを浄
化する効果もある。よって、内容の「汚染地下水から」という表現は削除したほうが
よい。
(東京都) 了解した。
(委 員) 全体計画フロー図(資料?,3-3 頁)はこれで問題ないが、油分の影響で微生物処理
がうまくいかない場合、それがわかった段階で即加熱処理を行うなど、ゆとりを持っ
たほうがよいと思う。また、中温加熱処理は、仮設となり焼却能力が限られてくるの
で、原位置微生物処理やスパージングを兼ねたディープウェルで、なるべく処理基準
の10 倍以下とし、中温加熱処理の対象としないようにすべきと思う。
(東京都) 了解した。
(委 員) 液状化対策が2 種類あることについては、液状化層が厚い場合と液状化層が薄い場合
というように条件を明示したほうがよい。また、3-2 頁(資料?)の砂杭締固め工法
の内容は、「地盤の強度を高めて」を「密度を高めて」とするのが正しい。格子状固
化工法も、「地盤の横方向の変形」ではなく、「地震時の地盤の剪断変形」が正しい。
(委 員) 資料?の経費と資料?の案-3 の経費が、同じ額となっているのは、偶然か。
(東京都) 資料?の案-1〜3 を組み合わせた資料?の案は、資料?の案-3 に非常に近い工法にな
っている。違いは、案-3 では処理基準の10 倍を超過するベンゼンを含む汚染土壌を
洗浄処理するとしていたが、前処理をしてベンゼン濃度を処理基準10 倍以下とし、
洗浄処理することに変更したことである。この部分が、案-3 と案-1〜3 の組み合わせ
案では億円単位に丸めると同じ数値となる。
(委 員) 案-3 を基本とし、部分的に案-1,2 を採用しているということになると思うが、そのよ
うな表現をせず、案1〜3 が同じレベルとして評価しているような表現となっている
のには、何か意図があるのか。
(東京都) 結果的に案-3 に近い経費となっているが、組み合わせは、案-1〜3 を網羅した内容と
なっている。
(委 員) 経費は、直接経費の試算額だと思うが、実際は間接経費、金利、保険料なども入って
くるので、その辺りをはっきりさせたほうがよい。
(東京都) 経費率には間接経費も見込んでいる。
(委 員)予定価格ではないと前回説明があったが、この経費を上回って落札するということが、
社会的に見て不自然になる。今回はリスクを見込んでいないので、本当に大丈夫な額
かというところまでは詰めていない。リスクを考えると、この経費を上回る可能性も
あるので、限定がつく額なのであれば、そのことを明確にしたほうがよい。見込んだ
経費率とは、何か。
(東京都) ヒアリングの結果、提案者からの提示があればこれを採用している。回答がない場合
は、東京都の経費率を採用した。
(委 員) 経費率には幅があり、実際の応札でどのようになるかはわからない。よって、経費を
見込んでいるので、問題ないというのは少し不安な面がある。対応として、この経費
を精査し、もっと安くなる要素のほうが多いと判断することもあるし、数値を丸めて
示す方法や注釈をつけて、幅のある数字であることを示す方法などいろいろな方法が
あると思う。あくまでも現状の労賃も含めた単価であるということを言っておく方法
もある。
(東京都) 一番注目されるのは経費だと思う。指摘事項に配慮して表現を工夫するが、1 年ぐら
い前の鋼材や原油が高騰したような、客観的な要素で説明できる状況変化がなければ、
発注のときにこの経費を変えることは難しい。それだけ重い数字になると認識してい
る。
(委 員) 業界も認識しているか。
(東京都) 今回は、技術力を問う公募であるので、提案者も経費に関しては安全率は見込んでいると思う。
(委 員) 資料?の3-2 頁で、遮水壁はソイルセメントのみとなっているが、3-3,3-4 頁では、道
路側に鋼管矢板、護岸側にソイルセメントという2 種類の工法になっている。なぜ3-2
頁は1 種類の記載となっているのか。また、道路側と護岸側で遮水壁を変える理由は
何か。
(東京都) 道路側は、新交通、道路構造物に与える影響が懸念されること、6.5m 程度の自立が
必要なことから剛性の強い鋼管矢板を採用している。一方、護岸のほうはそれほど自
立が必要ないので、経費の安いソイルセメントを採用している。資料?の3-2 頁で、
鋼管矢板を記載していないのは、一般的な工法であるためで、提案のあったソイルセ
メントのみを記載した。記載内容の一貫性が欠けている部分があるので、次回までに
見直す。
(委 員)資料?の3-3 頁で、「原位置微生物処理(前処理)で10 倍以下にする」という表現が
ある。原位置微生物処理は、シアンにもある程度効果があるが、今回はベンゼンを対
象にするので、そのことを明確にしたほうがよい。また、「10 倍以下」と決めつける
と、これが達成されなければ掘削できないと思われるので、「10 倍を目指す」とか、
「目標にする」とかの表現のほうがよいのではないか。
(東京都) 了解した。
(東京都) 資料?の3-2 頁で件数として示しているS,A,B 評価の提案は、別紙として公表する予
定である。評価結果は、個別に通知するが、報告書には件数のみ示せばよいのか。公
募を実施した責任の面で、別紙として、提案企業名、提案者名は出さずに、提案名称
を示してはどうかと考えている。
(委 員) 件数や割合は示してもよいが、名前は示さないほうがよいのではないか。
(委 員) 報告書で具体的な技術を示すと、なぜその技術が選ばれたのか、技術会議が責任を負
うことになる。
(委 員) B 評価の提案は、一般的に使われている技術が多い。
(東京都) S 評価の技術だけを示すのか、A 評価までとするのか、その辺りを議論していただき
たい。
(委 員) バイオレメディエーションとか、技術として評価するのであれば問題ないが、個別の
名称を記載するべきか。示すとしてもS,A 評価程度だと思うが、この場合にはA 評価
とB 評価の基準を明確にしておく必要がある。
(委 員) 個別に提案者に評価結果を示すのであるから、責任は果たしているのではないか。別
紙で示す必要はないと思う。
(委 員) 仮に示すとしても件名だけでなく、簡単にでも内容を記載しなければ、わからないの
ではないか。
(委 員) 公表というのは、閲覧を意味するのか。
(東京都) 東京都のホームページに載せることになると思う。
(委 員) 分類された提案名称と総合評価を示すのか。
(委 員) 提案の概要も示すのか。
(東京都) 概要は、事務局が要約して作成したので示さない。分類された提案名称と総合評価を
示す。
(委 員) その内容を公表するのであれば、報告書に別紙として示す必要はないのではないか。
(委 員) 資料?の3-2 頁にS 評価だけ記載し、内容欄にその概要を示す方法もあるのではない
か。
(東京都) S 評価だけにすると、これが採用されたように誤解されるおそれがあるので、S 評価
に固定したものではないという趣旨で、A,B評価の件数も示している。
(委 員) A 評価までならよいが、B 評価まで入れるのは気になる。
(委 員) 実績のあるB 評価をA 評価とするなど見直しを行いたい。
(東京都) 評価を見直していただいて、S,A 評価の件数を示したいと思う。
(委 員) B 評価の技術でも入札に参加できるのか。
(東京都) 参加できる。
(委 員) 今日審議された案が技術会議での結論であるとして決定する。
(4)技術会議からの提言骨子
(東京都) 技術会議からの提言骨子
○以下の内容を説明した。
1 検討体制
(1)豊洲新市場予定地の安全・安心を確保する対策と、具体的な技術・工法を別組織で検討
(2) 技術・工法を各分野の専門家で検討
2 技術・工法の公募実施
(1) 全国の幅広い業種の事業者から多数の提案
(2) 最先端の技術・工法の提案
(3) 多種多様な内容の提案
3 提言内容
(1)個々の技術・工法を最適に組み合わせた総合的な対策
(2) 最先端の新たな技術・工法の採用
? 最先端の処理技術により複合的な汚染を一掃
? 国内最大規模の新構造遮水壁設置
? 先進的工法による地下水の早期浄化
? 国内初の大規模地下水管理システム
(3) 環境に配慮した対策
? 汚染土壌は都域内で処理
? 処理土壌のリサイクルの促進
? トラック輸送の大幅削減
? 集中豪雨にも地下水の管理水位を維持
(4) 汚染状況の詳細な把握・分析に基づく対策
4 提言の特色
(1) 安全・安心を高いレベルで確保
? 専門家会議の提言を確実に実現
? 地下水を敷地全面にわたって早期に環境基準以下に浄化
? 土壌汚染対策法改正の動向を考慮した対策の採用
(2) 経費の大幅な縮減
(3) 工期の短縮
(4) 確実に施工可能な技術・工法を選定
(5) 契約に当たっての競争性を確保
(委 員) 液状化対策について再確認したい。液状化対策には、液状化により地下水が上がって
きて、上の土をかき乱す、要するに土壌汚染に結びつくので対策が必要という考え方
と、埋立地なので防災上対策が必要という考え方がある。この資料では、防災という
記述がなく、土壌汚染を防ぐための一つの方法だという書き方にしかなっていない。
その場合、緑地には液状化対策を実施しないので、矛盾が生じるのではないか。一般
の方には、土壌汚染プラス防災という意味で液状化対策を検討したというほうが、安
心の面ではよいのではないか。それでも緑地の矛盾は残る。
(東京都) 検討して記述を工夫する。
(委 員) 2 頁(1)に「応募者について見ると、国内有数の大手建設会社」とあるが、土壌の処
理業者が応募していないように読めるので、「土壌処理の専門業者に加え」などとい
う表現が必要と思う。4 頁(3)の?で「単に焼却するのではなく」は、「産廃の処分
場に搬入するのではなく」のような内容になると思う。同じ4 頁の「トラック輸送の
大幅減」は、環境問題と、エネルギー効率の面から省エネ対策にもなる。6 頁の4(1)
の?に「土壌汚染対策のすべて」との記述があるが、その下の?にあるように地下水
を浄化することで、建物下の遮水壁は設置しないので、「すべて」は削除したほうが
よい。その下の?は、重金属の不溶化に関する提案も多くあったので、指定区域解除
の要件も含めた記述がよいのではないか。
(委 員) 地下水を環境基準以下に浄化すると技術会議で決定したことで、液状化による汚染が
なくなった。したがって、防災対策だけでよくなり、全面的に液状化対策を実施する
必要があったものを、駐車場だけとし液状化対策範囲を狭くすることができたという
ようにアピールできるのではないか。
(委 員) 本当に問題ないかという疑問に対して、どのように答えるか。
(委 員) 対策後も地下水の浄化の機構を残しておくということで対応できる
(委 員) 本当は4m の盛土があるので、下で液状化しても実際には上がってこない。裏付けを
とれるデータもある。
(委 員) 7 頁(4)に「さらに、専門的視点から……ヒアリングを行い」とあるが、技術会議と
してヒアリングしてはいないため、技術会議で質問事項を検討して、事務局がヒアリ
ングを実施したということになると思う。
(委 員) 資料の構成は、大変よいので、あとは推敲をすることとする。
(5)技術会議報告書の構成
(東京都) 前回会議で報告書の概要について説明をさせていただきました。今回は報告書という
形にして、その構成について説明をさせていただきます。
本日、選定の結果と、それから、先ほども公表についてご議論がありましたけれど
も、それは一応該当するところが空欄になっておりますが、次回までには内容をすべ
て記載して、案という形でご説明をさせていただきたいと思っております。
それでは、1枚めくっていただいて、目次でございます。内容をすべてにわたって
簡単にご説明させていただきます。目次は大きく1から5、1番が設置目的と検討体
制、2番が新技術・新工法の公募、三つ目が評価・検証の過程、四つ目が技術会議の
提案、5番目が技術会議からの講評というふうにしてございます。
もう1枚おめくりいただいて、1ページでございます。ここは設置目的と検討体制
ということで、二つ目の検討体制につきましては、この会議の構成でございます。非
公表となっておりました委員の皆様の氏名を公表させていただくということでござ
います。
もう1枚目おめくりいただいて、2ページです。ここが開催状況です。会議の開催
日ごとに検討内容を記載して、開催状況を明らかにしてございます。これも最後まで
いきますと、すべてはまるようになっております。一番下に会議の運営についてです
が、会議は非公開としておりまして、その理由と、会議終了後には検討結果等を公表
していきますという運営についての記載をしてございます。
もう1枚おめくりいただいて、3ページでございます。ここは新技術・新工法の公
募です。内容につきましては、公募実施の際に会議で検討をいただきました公募要領
の主な内容を記載してございます。
次に、4ページでございまして、公募の結果の応募状況を明らかにしてございます。
表の上が事業者数ということで、種別は、大手事業者その他120 事業者、提案内容の
分類についても、汚染土壌その他で221 件というふうに表にして記載をしてございま
す。
次に、5ページをおめくりいただきまして、ここから評価・検証の過程でございま
す。まず初めに、評価基準といたしまして、ここで?から?まで記載しております評
価基準は、公募要領に記載された評価基準でございます。
それから、その下の審査項目と判定方法につきましては、先ほどご検討いただきま
した審査項目、判定方法の記載をしてございます。
6ページをお開きいただきたいと思います。評価の視点としてございます。第4回
の会議から第7回の会議まで議論をいただきました評価の視点、あるいは課題という
ことで、これは評価をする際の精度を高めるために何回か議論していただいたものを
整理して記載しております。6ページ、7ページにわたって評価の視点ということで
整理をさせていただきました。
8ページ、検討経過でございます。検討経過は、今まで会議でやっていただいた検
討経過を記載している形になっております。初めに、個別技術の評価でございます。
評価の方法といたしまして、先ほど221 件のうち総合提案の8件を除きました213
件について、各委員の専門分野ごとに評価をしていただきました。その結果を会議で
議論するということで、専門分野を超えて多角的に検討をしていただいたという記述
が評価の方法でございます。
その結果につきましては、次の9ページに記載をしてございます。S、A、B、C
の空欄のところには、個別技術の分類評価ごとに件数が入るようになってございます。
今は空欄でございます。合計は213 件ということで、総合提案を除いた213 件がこ
こに入る形にしてございます。
次に、10 ページをお開きいただきたいと思います。先ほどの個別技術をもとに各
委員から推奨していただいたものを一連の対策として組み上げたわけですけれども、
その前提といたしまして、ここに記載してありますように、技術会議が独自に提案し
た事項ということで、処理土量の低減であるとか、地下水の早期浄化、これは会議が
独自に提案をした事項と捉えてございます。これを前提に一貫した対策をつくり上げ
て、その評価ということで、その下の「一貫した対策の評価・検証」ということにな
ります。これは、今日もご議論いただきました5案のところの評価でございます。
委員から推奨技術として出していただいたものを組み合わせて、それに今の技術会
議の独自に検討された対策事項を反映させて汲み上げたという位置付けでございま
す。この評価につきましては、経費、工期の算定、その他多角的な検討を行って評価
をし、本日、1から3、そして1本にしたという経過がございます。
次のページに1から5案の概要をお示ししてございます。
次に、12 ページでございます。応募のあった総合提案の8件の評価についてでご
ざいます。これにつきましては、委員の専門分野に関する部分を以前評価していただ
き、今日、その結論が出たところでございます。また、先ほども出ました2件につき
ましては、1事業者の提案をもとに二つの案を作成して評価をしたということで、先
ほどの5件と併せまして15 件を本日評価していただいたということでございます。
次の13 ページに、ただいまの総合提案の8件と2件、合計10 件の概要を記載させ
ていただいております。
それから、14 ページは白紙になってございますが、これは今日、あるいは前回か
らそれぞれの一連の対策についての評価を記載するということで、本日の会議を反映
させて、次回までには評価について記載をしたいと思います。
次の15 ページ以降ですけれども、ここからは技術会議からの提案ということで、
取りまとめによる技術会議からの提案の記載となります。内容につきましては、提案
の内容ですとか、その前段となる考え方ですとか、そういうことを次回までに本日の
結論を受けて記載したいと思っております。
次のページですけれども、ここも空欄になってございますが、技術会議からの講評
ということで、まとめ的な内容にしたいと思っております。
また、先ほどアピール・ポイントでご議論いただきましたけれども、そういうとこ
ろも考慮しながら報告書をつくり上げて、次回、15 日には案という形でご説明がで
きるようにしたいと思っております。以上でございます。
(委 員) 11 頁の表中の「一般的な工法」は何か。
(東京都) これまで「一般的な工法」を基準に比較検討したので記載しているが、記載の有無に
検討を要すると考えている。
(委 員) 液状化対策は、一般的な工法と全く変わらないので、何も変わっていないと指摘され
そうである。
新しい工法がなかったので、仕方がない面もある。改良範囲を狭くしたということを
アピールすればよいと思う。
(委 員) 先ほどの議論にも結びつくが、選定された工法をS 評価もしくはA 評価の技術とす
るのであれば、選定されていない分類に例えばA 評価があった場合、矛盾する。
(東京都) 豊洲には適用しにくいが、技術としてはA 評価というものがあってもよいと思う。
(委 員) 報告書には、付属資料がつくのか。
(東京都) 他に公表を予定しているのは、会議録と個別技術の評価結果となる。
(委 員) 公表するというのは、報告書につけるということか。
(東京都) 先ほどの議論から報告書の別紙はつけず、ホームページなどで公表する。
Posted by 大阪水・土壌研究会員 at 12:53│Comments(1)
│豊洲
この記事へのコメント
(東京都) 一番注目されるのは経費だと思う。指摘事項に配慮して表現を工夫するが、1 年ぐら
い前の鋼材や原油が高騰したような、客観的な要素で説明できる状況変化がなければ、
発注のときにこの経費を変えることは難しい。それだけ重い数字になると認識してい
る。
(委 員) 業界も認識しているか。
(東京都) 今回は、技術力を問う公募であるので、提案者も経費に関しては安全率は見込んでいると思う。
Posted by ATCグリーンエコプラザ水・土壌研 at 2010年01月31日 13:04