アカウミガメの種の保存のカギを握る日本

大阪水・土壌研究会員

2009年11月08日 16:00

アカウミガメの種の保存のカギを握る日本



世界の生物多様性に影響を与える日本
アカウミガメ
日本の砂浜で産卵成長
日本のアカウミガメの回遊推定図(Bowen et al, 1995; Resendiz,1998; Iwamoto et al.,
1985; 亀崎他, 1997などより作図)
出典:生物多様性国家戦略の見直しに関する資料集
日本の砂浜が、北太平洋のアカウミガメの生存のカギ
http://www.biodic.go.jp/biodiversity/lib_slide/images/081018_biodiversity.pdf

アカウミガメ(Wikipedia)
分布
大西洋、太平洋、インド洋、地中海

 産卵地としてはアメリカ合衆国東部、オーストラリア北部、オマーン、ギリシャ、トルコ、日本、ブラジル、南アフリカ共和国などが確認されている。日本国内では年に100回以上の産卵例がある産卵地として日南海岸、屋久島などが確認されている。

 アメリカ合衆国で産卵する個体群はアゾレス諸島、日本で産卵する個体群はメキシコのカリフォルニア半島沖まで卵から孵化後に回遊し、少なくとも日本で産卵する個体群はさらに成長すると日本近海まで再び回遊するという説が発信機による調査やDNAの解析結果から確認・支持されている。

形態
 甲長65cm-100cm。体重70-180kg。背甲は扁平。項甲板と第1肋甲板は接する。肋甲板は左右に5枚ずつだが、4枚ずつの個体もいる。背甲には3つずつ筋状の盛り上がり(キール)があるが、成長に伴い消失する。背甲の色彩は赤褐色、褐色。下縁甲板は左右に3枚ずつで、小孔はない。腹甲の色彩は淡黄色。

頭部は大型。英名loggerheadは「馬鹿でかい頭、馬鹿頭」の意。オスの成体は前肢の爪が鉤状に湾曲し、尾が長い。

生態
 海洋の沿岸域に生息する。成体は底層、孵化直後の幼体は表層で生活する。食性は動物食の強い雑食で、貝類、甲殻類などを食べる。前肢を使って海底の砂泥を舞い上げ、出てきた獲物を捕食する。

 繁殖形態は卵生。産卵地の沖合で交尾を行う。春季から夏季(アメリカ合衆国や日本では5-8月)にかけて海岸の草原や砂浜に直径20cm、深さ60cmの穴を掘り1回に70-150個の卵を年に1-5回に分けて産む。主に隔年繁殖するが、毎年繁殖する個体もいる。卵は50-80日で孵化する。孵化した幼体は砂中の温度で夜間になったことを察知し、地表に現れ海中に入る。

人間との関係
 開発による産卵地の破壊、漁業による混獲、ビニールゴミの誤食、食用や剥製用の捕獲などにより生息数は減少していると考えられている。
 海洋に生息するため生息数の推移は不明だが産卵例に関しては日本国内で最大の産卵地とされる屋久島では1990年における産卵例は約1500、1997-1999年における産卵例は300-400と減少傾向にある。1967年に徳島県美波町(大浜海岸のウミガメおよびその産卵地)、1980年に静岡県御前崎市(御前崎のウミガメおよびその産卵地)産卵地や上陸個体が国の天然記念物に指定されている。

絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)

食の対象から観光資源へ
 日本では過去、肉、卵とも食用にされていたが、ワシントン条約の加盟と同時に禁止され今では食べられることは殆どない。肉の味は鶏肉に似たものがあるが、癖があるため食べられない人も多くいた。この為ワシントン条約の加盟に伴い、食用とされることは皆無となった。 近年ではメディアによる産卵風景や小亀の海に向かう様子が紹介され、アカウミガメの産卵する浜というだけで地域の知名度が高まり観光資源などなることで産卵地となった地域の商工業に収益をもたらすため、保護活動を行う地域も多くなっている。

卵の保護
 砂中に産まれた卵は孵化前に海水に触れると孵化しない。そのため満潮時でも海水が来ないように砂浜の奥まった位置に産卵する必要があるがゴミやテトラポッドなどに阻まれて所望の位置までたどり着けない場合など、満潮時には海水が届く位置に産卵するか、あるいは産卵を諦めて海に戻る習性がある。

 また、所望の産卵位置で産卵を行えた場合でも人の往来や砂浜を走るレジャー用のバイク、車などにより卵が踏みつぶされることも多かった。

 近年では保護活動を行っている団体が増え、海水の届く位置、人の往来が多い位置などに産み落とされた卵を安全な位置に埋め戻す活動を行っている。また、産卵をし易くするために浜の清掃活動を産卵時期、孵化時期に集中して行う取り組みも成されている。地域によっては、産卵時期にテトラポッドを移動し産卵場所を確保する試みも行われている。

 日本国生物多様性国家戦略の見直しに関する資料集におけるアカウミガメの回遊推定図によると、北太平洋のアカウミガメの多くは日本の砂浜で産卵成長し、日本の砂浜が、北太平洋のアカウミガメの生存のカギを握っている。

信仰の対象
 アカウミガメを模して饅頭化した「亀まんじゅう」(かめや本店)
かめや本店の「亀まんじゅう」。一般的な饅頭に比べるとかなり大きいアカウミガメは信仰の対象としてもしばしば用いられる。有名なところでは、浦島太郎などの童話にも見ることができる。

 また、地域により長寿の象徴、卵を多く産むため子宝の象徴としても信仰されている。地方によっては網の中にアカウミガメが迷い込んだとき、御神酒を掛け海に帰すという風習も残っている。

 静岡県御前崎市は「御前崎のウミガメおよびその産卵地」が国の天然記念物に指定されるなどアカウミガメとのかかわりの深い地域であるが、正月飾りにアカウミガメを模した大きな饅頭が使われていた。市内のパン屋「かめやパン店」の店主がアカウミガメを象った大きな饅頭を作り、縁起物として個人的に正月飾りにしたところ、それを見た市民らが模倣したのが始まりとされる[1]。現在でも、その巨大な饅頭は「亀まんじゅう」としてかめや本店にて販売されている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%83%A1



アカウミガメ 産卵 の検索結果
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