東京都 中央区 豊洲新市場予定地

大阪水・土壌研究会員

2009年11月29日 15:14

豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に係る築地市場移転問題に関する要望

 平成21年2月6日に東京都から、「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」の提言及び「豊洲新市場整備方針」等について発表されました。中央区では、これを受けて区長から下記のとおり、東京都知事宛て要望をいたしましたのでお知らせいたします。

平成21年2月26日

東京都知事 石原慎太郎様

中央区長  矢田美英

豊洲新市場予定地の土壌汚染対策に係る築地市場移転問題に関する要望について

 さて、本区にあります築地市場は、昭和10年2月の開場以来、「都民の台所」として都民の食生活を支えるとともに、全国規模の食材流通に欠かせない拠点であります。また、74年にも及ぶ歴史の中で、場外市場とともに日本の食文化を代表する「築地ブランド」を育んでまいりました。

 しかし、平成11年に豊洲への移転整備が打ち出されたことから、本区は、地域住民や市場関係者等の移転整備に伴うさまざまな疑問や不安を受けて東京都に対して繰り返し、質問や申入れなどを行ってまいりました。また、豊洲新市場基本計画が公表されるなど移転計画が具体化する中、仮に市場が移転した場合にあっても、築地市場地区が活気とにぎわいを持ち続けるためにどうあるべきかを、「築地市場地区の活気とにぎわいビジョン」の策定により明らかにしました。

 その後、かねてから不安を抱いていた新市場予定地の土壌汚染については、専門家会議が設置されたことから、その調査・検討状況を注視してまいりましたが、詳細調査で基準値を大幅に上回るベンゼンが検出されるなど、憂慮すべき状況が明らかとなったところであります。

 さらに、専門家会議の提言を受けて対策をとりまとめるにあたり、具体的な技術・工法の公募が実施され、その評価・検証のため技術会議が設置されたことから、これらの状況の推移を慎重に見守ってきたところであります。こうした経過の中、汚染物質や不透水層に関するデータの一部が遅れて公表されたことは、誠に遺憾であります。

 このような状況において、2月6日、技術会議の検討結果を踏まえた土壌汚染対策が発表されました。しかしながら、その内容は高度で専門的なものにもかかわらず、説明が不足しており、何よりも優先されるべき食の安全・安心が実際に確保され、将来にわたって人への健康被害を及ぼす危惧はないのか、技術会議の議事録、データ等の公開も含め、十分な説明がなされなければなりません。また、交通アクセスの問題、場外市場への対応など今後のまちづくりを進める上での課題についても、地域住民や市場関係者の抱く懸念や不安が、未だ完全に払拭されているとは言えないところであります。
つきましては、以下の事項について明確にしていただけるよう要望いたします。

1 土壌汚染の問題
  生鮮食品を取り扱う市場においては、科学的見地から食の安全・安心及び人の健康被害の防止の確保が図られることが何よりも重要であり、その取組みについて広く都民に理解され、信頼を得られることが不可欠である。
 そのため、高度で専門的な事項にわたる土壌汚染対策の内容について、すべて明らかにし、本区をはじめ市場関係者や広く都民に対し必要な説明を十分に行い、理解を得ること。

2 築地市場用地の扱い
移転方針のもとで売却するとしている築地市場用地について、土地利用計画が明らかとなっていない。そのため、用地の扱いについて地元区として大変懸念されることから、地域の将来像を踏まえた具体的な土地利用計画を都はどのように考えているのか明らかにすること。
 また本区と事前に協議を行い、市場関係者、地域住民等の意見を聴くとともに、幅広い議論を通じ英知を集め、都心に残された貴重な用地としてふさわしい活用がなされるよう十分に配慮すること。

3 場外市場の問題
これまで、場外市場は築地市場とともに一体となって「築地ブランド」を守り、育ててきた。「築地ブランド」は、今や、その名が世界にとどろき、日本屈指の観光スポットとなっている。
 日本の財産である「築地ブランド」を守り、店舗数が350にのぼる場外市場を活気とにぎわいのあるまちとして発展させていくために、築地市場地区のまちづくりを都はどのように考えているのか明らかにすること。

4 交通アクセス問題
  環状第二号線については、これまで豊洲新市場の開場する平成24年度時点で暫定開通、平成27年度までに供用開始するとしていた。しかし、開場時期の延期により、整備スケジュールや築地市場の営業に影響を与えることが考えられる。
 そこで、改めて供用開始までのスケジュールについて示し、築地市場の営業に支障をきたさぬよう環状第二号線の整備を図ること。

5 移転までの間の現市場の整備
  豊洲新市場の開場時期が延期したことを踏まえ、都民の台所として現在の機能を維持するための現市場の老朽化対策、安全対策、衛生対策等の計画について改めて都はどのように考えているのか明らかにすること。

 http://www.city.chuo.lg.jp/kusei/kuseizyoho/tukizisizyo/dojyoosenitennmonndaiyobo/index.html









築地市場再整備問題の経緯東京都中央区の取り組み

昭和57年3月
 第22回東京都卸売市場審議会答申「第3次卸売市場整備基本方針」(昭和56年3月)を受けて「第3次東京都卸売市場整備計画」策定(昭和56から65年度)

 青果市場:
 ・大田区及び品川区を中心とする地元消費の機能と築地・神田市場の過密解消を図るため、大井市場(仮称)を建設する。新市場の建設に伴って神田市場を廃止する。

 水産市場
 ・大田区及び品川区を中心とする地元消費の機能と築地市場の過密解消を図るため、大井市場(仮称)を建設し、築地市場及び足立市場と合わせて計3市場を配置する。

6月
 中央区議会が都知事・都議会へ「築地市場の大井移転反対の要請行動」を行い、決議書を渡す。

昭和61年1月
 東京都首脳部会議において、築地市場の現在地での再整備を決定

3月
 第31回東京都卸売市場審議会「第4次卸売市場整備基本方針」を答申「現在地において、立体化(1階部分を水産物部2階部分を青果部とするなど)を行い基幹市場としての機能を維持できるよう再整備の必要がある」

12月
 「第4次卸売市場整備基本方針」を受けて、「第4次東京都卸売市場整備計画」策定(昭和61から70年度)

昭和62年4月
 東京都と築地市場業界の協議機関として「築地市場再整備協議会(会長:市場長)」が設置される。

昭和63年11月
 「築地市場再整備基本計画」策定

平成2年6月
 「築地市場再整備基本設計」策定

平成3年1月
 仮設工事着工

2月
 第38回東京都卸売市場審議会「第5次卸売市場整備基本方針」を答申「築地市場再整備協議会」を「築地市場再整備推進協議会」に改組するなど、組織強化を図る。

11月
 「第5次東京都卸売市場整備計画」策定(平成3から12年度)
 [築地市場の再整備]現在地で営業しながら再整備を進める。また、可能な限り工期短縮に努める。

平成4年12月
 本格工事着工(築地川東支川埋立)

平成5年5月
 市場再整備の起工式が行われる。

平成8年4月
 第46回東京都卸売市場審議会「第6次卸売市場整備基本方針」を答申「健全な財政計画に基づき、1. 工期の短縮、2. 建設コストの縮減、3. 基幹市場としての機能を維持していくため、流通環境の変化に対応した効率的で使いやすい市場とする視点から見直しを行う必要がある。」

11月
 「第6次東京都卸売市場整備計画」策定(平成8から17年度)
 [基本計画の変更]

 1. 1階水産物部、2階青果部という立体的・一体的配置を改め、それぞれ分けて平面的に整備する。
 2. 建築年次の比較的新しい施設は、原則継続使用する。     など

平成9年10月
 築地市場再整備推進協議会において新しい計画についての協議を開始

平成10年2月
 区長が副知事に面談のうえ「築地市場再整備に関する要望書」を提出(26日)

3月
 都議会予算特別委員会において、中央卸売市場長が「全業界から一致して移転について調査、検討の要望があれば、(調査、検討を)行う」と答弁

 議長が「築地市場再整備に関する要望書」を提出(31日)

4月
 業界6団体が「臨海部に市場をつくることが可能かどうかについて調査・検討を早急かつ具体的に行い、当局の見解をだすよう」要望書を中央卸売市場長へ提出(2日)

5月
 中央区議会に「築地市場再整備対策特別委員会」を設置

6月
 業界6団体に対し東京都が回答(30日)
 1. 移転の可能性を判断するためには、市場業界全体の一致した意思と場外市場関係者並びに関係区の協力が前提となる。

 2. 市場業界各団体は一致した意思を明らかにするとともに場外市場関係者並びに関係区等の理解と協力を得るよう努力する必要がある。

 3. これらのことを確認できる文書を今年中に提出すること。

 中央区「中央区築地市場再整備対策本部」設置(30日)

7月
 区長、議長の連名で副知事に面談のうえ築地市場再整備に関し都の考えを質す「築地市場の再整備に関する確認について」を提出(6日)

10月
 中央区「築地市場に関するアンケート調査」実施(結果発表は翌年1月)

11月
 区長、議長の連名で「築地市場再整備に関する要請」を提出(25日)

12月
 市場業界各団体から東京都あて築地市場再整備に関する回答書を提出

 1. 東京都中央卸売市場買出人団体連合会:現在地再整備
 2. 東京魚市場卸協同組合:現在地再整備
 3. 東京都水産物卸売業者協会、東京魚市場買参協同組合、築地市場青果連合事業協会、築地市場関連事業者等協議会の4団体連名:豊洲移転で意思統一

平成11年1月
 中央区「築地市場に関するアンケート調査」調査結果を発表

2月
 築地市場再整備推進協議会再開

 東京都「築地市場整備問題検討会」を設置(8日)

3月
 区長、議長の連名で「『築地市場整備問題検討会』に関する要請」を提出(15日)

 第50回東京都卸売市場審議会開催(18日)

 築地市場再整備推進協議会において改定試案Aを発表

4月
 築地市場再整備推進協議会において改定試案B、Cを発表

 東京魚市場卸協同組合、新理事長を選任

6月
 築地市場再整備推進協議会において改定試案D、Eを発表。東京魚市場卸協同組合、独自案を提示「工期は13年」

7月
 築地市場移転推進協議会「豊洲新市場構想」を披露

9月
 都知事、築地市場を視察「古い、狭い、そして危ない」(1日)

 中央区議会「築地市場の現在地での再整備を求める意見書」を採択(30日)

10月
 区長、議長の連名で副知事に面談のうえ「築地市場再整備促進の要望について」を提出(6日)

 第51回東京都卸売市場審議会開催(8日)

11月
 第28回築地市場再整備推進協議会は移転整備の方向で検討をまとめる(9日)

 区長、議長の連名で副知事に面談のうえ「築地市場再整備に関する抗議」を提出(10日)

 行政、議会、町会、各種団体により築地市場移転反対運動を展開する「築地市場移転に断固反対する会」設立(29日)

 築地市場移転に断固反対する会、移転反対署名運動展開。106,032人の署名が集まる。(29日から12月10日)

12月
 築地市場移転に断固反対する会主催による「築地市場移転断固反対総決起大会」開催、中央会館ホールに900人が参加。その後、署名を添え副知事に面談のうえ「築地市場移転に断固反対する陳情」を提出(15日)

平成12年5月
 築地市場移転に断固反対する会、総勢27名で副知事と面談のうえ「築地市場再整備に関する申し入れ」を提出(22日)

6月
 東京ガスから副知事あて「弊社豊洲用地への築地市場移転に関わる御都のお考えについて(質問)」提出(2日)

 第53回東京都卸売市場審議会開催(7日)

10月
 中央区「築地市場現在地再整備促進基礎調査(中間報告)」公表「移転の場合は市場離れ6割」(25日)

11月
 区長、議長、反対する会代表の連名で東京都議会正副議長、6会派代表者あて「築地市場再整備に関する要望書」提出(7日)

12月
 都知事、都議会本会議で代表質問に対し「現在地での再整備はとても困難」と答弁(7日)

 中央区「築地市場現在地再整備促進基礎調査」公表(20日)

 第54回東京都卸売市場審議会開催、東京都卸売市場整備基本方針案(中間報告)了承。「(築地市場は)早急に、移転整備について検討する必要がある。」(22日)

平成13年1月
 東京ガス、自社用地の土壌調査の結果を公表。豊洲は基準値をはるかに超える汚染状況(25日)

2月
 東京都と東京ガス間で、用地問題等の本格的協議に入る覚書を締結(21日)

 都知事、都議会本会議施政方針表明にて移転候補地は豊洲と言明(21日)

 区長、議長の連名で都知事あて「築地市場再整備に関する知事施政方針への抗議」提出(28日)

4月
 第55回東京都卸売市場審議会開催、東京都卸売市場整備基本方針を知事あて答申「(築地市場は)早急に豊洲地区を候補地として移転整備に向けた検討を進めるべきである。」(18日)

 区長、議長の連名で都知事あて「築地市場再整備に関する要請」提出(19日)

5月
 魚市場同友会(東京魚市場卸協同組合有志組織)主催による「築地で出来るぞ市場再整備!築地市場と街づくりについてのシンポジウム」開催(26日)

7月
 東京都と東京ガス間で、市場の移転を織り込んだ豊洲のまちづくりを協力して進めることに合意。都知事定例記者会見で発表(6日)

 濱渦副知事が区長を訪問。移転について協力を要請するとともに、平成11年11月に中央区が東京都に質していた移転整備に係る"五つの疑問"について回答する。(12日)

8月
 築地市場移転に断固反対する会役員会を開催、「築地市場再整備に関する声明」を発表(3日)

9月
 有識者及び市場業者による東京都「第1回新市場基本コンセプト懇談会」開催、13年度内に10回開催し市場流通の現状と問題点をまとめ、新市場のコンセプトを作成する予定(10日)

12月
 第7次東京都卸売市場整備計画を発表、「現行の計画を改め、築地市場を豊洲地区に移転する」これに対し、区長・議長の連名で「東京都卸売市場整備計画についてのコメント」を発表(25日)

平成14年1月
 第56回東京都卸売市場審議会開催、第7次東京都卸売市場整備計画を報告(28日)

2月
 東京都「第34回築地市場再整備推進協議会」開催、第7次東京都卸売市場整備計画及び新市場基本コンセプト懇談会の検討状況を報告(15日)

3月
 東京都「第35回築地市場再整備推進協議会」開催、協議会を改組し、「新市場建設協議会」の設置を了承(29日)

4月
 築地市場移転に断固反対する会役員会を開催、交通アクセスや土壌汚染対策などの進捗状況を監視し、東京都に対し必要な働きかけを行うことを確認(4日)

5月
 東京都「第1回新市場建設協議会」開催、新市場基本コンセプト懇談会の検討結果を報告(21日)

6月
 東京都「第2回新市場建設協議会」開催、新市場予定地の概要及び基本構想協議の内容・方向性を報告(8日)

9月
 東京都「豊洲・晴海開発整備計画再改定(豊洲)案」を発表、「豊洲地区に新市場の整備計画を織り込む」これに対し、区長名で都知事あて「豊洲・晴海開発整備計画の再改定に対する抗議」提出(27日)

10月
 東京都「第3回新市場建設協議会」開催、豊洲・晴海開発整備計画再改定(豊洲)案及び新市場建設基本問題検討会の検討状況を報告(1日)

平成15年2月
 東京都「第4回新市場建設協議会」開催。新市場づくりの検討結果のまとめについて報告するとともに、新市場建設基本構想起草懇談会を設置(3日)

2月27日から3月20日
 東京都「新市場建設基本構想起草懇談会」を4回開催。各団体の意見を基に新市場の基本コンセプトについて検討

3月 
 東京都「第5回新市場建設協議会」開催。新市場建設基本構想起草懇談会における検討結果を報告し、新市場の基本コンセプト体系案及び新市場建設基本構想の起草について説明(27日)

5月
 第57回東京都卸売市場審議会開催。豊洲新市場基本構想を報告(13日)

 東京都「第6回新市場建設協議会」開催。豊洲新市場基本構想を報告(15日)

7月
 東京都「第7回新市場建設協議会」開催。豊洲新市場基本計画策定について報告(8日)

9月
 東京都「東京都市計画・都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)素案」に対し、区長名で意見書を提出(30日)

 中央区議会「東京都市計画区域マスタープラン素案について見直しを求める意見書」採択 (30日)

12月
 東京都「第8回新市場建設協議会」開催。流通ゾーンの機能配置に係る検討経過及び今後の検討課題について報告(15日)

平成16年2月
 東京都「環状第2号線の一部区間(晴海四丁目から築地五丁目)における道路構造形式を地下構造から平面構造(地上化)へ変更する」これに対し、区長、議長連名で都知事あて申し入れを行う。(19日)

4月
 第58回東京都卸売市場審議会開催。豊洲新市場基本計画策定について、現在までの検討経過を報告(14日)

 東京都「第9回新市場建設協議会」開催。豊洲新市場基本計画策定について、現在までの検討経過を報告(15日)

5月
 築地市場移転に断固反対する会総会を開催。
 「築地市場移転反対の姿勢は変わらないが、万が一東京都が移転を強行した場合に備えて、移転後の築地地区のあり方を主体的に検討していく築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会を設置し、そのビジョンをもって東京都に対し、必要な働きかけを行っていく」ことを議決した。(24日)

7月
 東京都「第10回新市場建設協議会」開催。豊洲新市場基本計画を発表。協議会の了承を得る。(21日)

 第59回東京都卸売市場審議会開催。豊洲新市場基本計画を報告(22日)


9月
 築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会
 5月から9月までの間6回開催

 築地市場移転に断固反対する会総会開催
 築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会中間まとめについて報告。
 今後の会の方向性について次のとおり確認した。
 「本年12月の最終報告に向けて、中央区がビジョンの中間まとめをもとに地域への説明にあたると同時に東京都と具体的な交渉に入ることになるので、東京都の対応を含め、具体的な成果が確認されるまでその推移を見守っていく。」(21日)

 築地市場の跡地について「築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会中間まとめ」をもとに、中央区及び地元と協議を行うよう区長名で都知事あて要望書を提出(21日)

10月から12月
 「築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会中間まとめ」について、各地区のまちづくり協議会をはじめとして、町会、自治会、関係団体等に対する説明会を開催

12月
 第7回築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会開催。中間まとめの地域への説明会等での意見を踏まえた「築地市場地区の活気とにぎわいビジョン」と今後の進め方について協議(7日)

 築地市場移転に断固反対する会総会開催
 中間まとめの地域・関係団体への説明状況について区事務局から報告。さらに、地域や関係団体の意見を踏まえ、ビジョンの最終まとめとして「築地地区の活気とにぎわいビジョン − 世界に誇れる都心のさらなる発展に向けて」を発表し、断固反対する会の了承を得た。
 今後の方向性について次のとおり確認した。「今後も引き続き、断固反対する会の意見を聴きながら、築地市場地区を核とした活気とにぎわいのあるまちづくりと、まちとの調和のとれた道路づくりに向けて、このビジョンを踏まえた都と区の真摯な協議への対応状況を注視していく。」(17日)

 都知事に対し、築地市場地区や環状第2号線沿線のまちづくりを進めていくにあたっては「築地市場地区の活気とにぎわいビジョン」をもとに、中央区と協議、検討を行うよう区長名で要望書を提出(17日)

平成17年3月
 農林水産省「中央卸売市場整備計画」を公表
 豊洲新市場が新設市場として位置付けられる。(31日)

4月
 第62回東京都卸売市場審議会開催
 第8次東京都卸売市場整備基本方針を答申
 豊洲新市場を中央卸売市場と位置付け、平成24年開場を目途に整備する方針が示された。(26日)

9月
 東京都「第11回新市場建設協議会」開催
 豊洲新市場実施計画のまとめ(案)を報告(15日)

11月
 第63回東京都卸売市場審議会開催
 第8次東京都卸売市場整備計画を報告。築地市場が豊洲地区へ移転し、豊洲新市場を平成24年度開場を目途に整備することとされた。
 豊洲新市場実施計画のまとめを報告(22日)

平成18年2月
 地元の懸念や不安を解消し、築地市場地区が今後とも活気ある地域として存続していくために、市場移転の前提となる7つの疑問(移転先の土地確保の問題、築地市場用地の扱い、交通アクセス問題、場外市場の問題、移転までの間の現市場の整備、土壌汚染の問題、財源確保の問題)について、都知事に対し再度回答を求めた。(9日)

 都知事より、7つの疑問について回答がなされる。(13日)

 築地市場移転に断固反対する会総会開催
 区事務局から7つの疑問に対する東京都からの回答及び場外市場地区の活性化に向けた取組について、「築地食のまちづくり協議会」会長にから当協議会設立について報告がなされた。
 これらの報告を受けて、今後の運動方針について協議が行われ、「築地市場移転に断固反対する会」としての活動を終了し、「新しい築地をつくる会」として市場移転後の活気とにぎわいのあるまちづくりに向けて、目標も新たに再出発することが決議された。(17日)

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                                  平成18年2月13日


中央区長 矢田 美英 様


                                東京都知事 石原 慎太郎 



               築地市場移転について


日頃より、東京都の事業運営にご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
さて、東京都は、昨年11月に「第8次東京都卸売市場整備計画」を策定し、築地市場を豊洲地区に移転して、平成24年度を目途に豊洲新市場を開場することといたしました。
豊洲新市場においては、21世紀の生鮮食料品流通の中核を担う拠点として、流通環境の変化に対応できる機能を取り入れるとともに、東京の新しい観光拠点となる千客万来のにぎわいゾーンを創出していきたいと考えております。
築地市場移転にあたっては、関係機関をはじめ広く都民のご意見も伺いながら進めていきたいと考えておりますので、貴区におかれましても、一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
また、平成18年2月9日付17中企企第95号については、別紙のとおりご説明申し上げます。


別紙

1 移転先の44ヘクタールの土地の確保問題
   豊洲新市場予定地の確保状況について

豊洲地区において新市場用地を確保するためには、民間地権者から土地を取得することは不可欠であり、平成14年7月の民間地権者と東京都が締結した「豊洲地区開発整備に係る合意」において、築地市場の豊洲地区への移転について合意を行っている。
豊洲新市場の購入予定用地37.5ヘクタールについては、既に16年度に一部先行取得している。今後は、24年度の市場開場が可能となるよう、土地区画整理事業の進捗に合わせ、保留地や仮換地後の地権者から順次取得していく。
なお、防潮護岸を含んだ総面積は、約44ヘクタールとなる。

2 築地市場用地の扱い
   築地市場用地の売却方針のもとでの跡地利用について

築地市場地域は、高い開発ポテンシャルとともに快適な水辺空間や豊かな緑の環境を有している。築地市場用地は、豊洲新市場移転に関わる費用等に充てるため売却するが、跡地利用については、この立地特性を十分活かし、都民全体の貴重な財産として東京のまちづくりに貢献するものとなるよう、今後、慎重に検討していきたい。

3 交通アクセス問題
   豊洲地区における市場の発生集中交通への対応及び幹線道路の整備スケジュールについて

豊洲新市場への交通アクセスとして、地区の南北及び東西の骨格となる晴海通り延伸部、環状第二号線及び補助第315号線の整備を着実に進める。
晴海通り延伸部については、平成18年度に全線開通する予定である。環状第二号線については、27年度までに全線開通する予定であるが、豊洲新市場が開場する24年度時点では暫定開通で対応する。なお、晴海から築地までの区間については、16年2月に都市計画変更素案説明会を行っており、19年度の都市計画変更及び事業認可取得に向け、引き続き、都市計画及びアセス手続を進める。補助第315号線のうち、新交通システム「ゆりかもめ」の豊洲延伸(有明〜豊洲間)に係る区間については、17年度末までに開通する。

4 場外市場の問題
   豊洲新市場へ移転を希望する場外市場業者への対応及び市場業者の築地市場移転に伴う負担増について

豊洲新市場におけるにぎわいを創出する千客万来施設は、民間事業者のノウハウを活用して整備することとしているが、整備にあたり、豊洲新市場へ移転を希望する場外市場業者の要望も視野に入れ、施設の内容、規模などの検討を行っていく。
豊洲新市場においても、市場業者の健全な経営が確保されることは重要である。市場施設の建設経費や運営費は原則として市場業者の使用料で賄うが、適正な施設規模や効率的な整備・運営手法など様々な角度から事業費の削減に取り組むことにより、市場業者の負担の抑制を図っていく。

5 移転までの間の現市場の整備
   築地市場における衛生対策及び防災対策について

豊洲新市場の開場までには相当期間を必要とし、この間も都民の台所としての現在の機能を維持するため、施設の再配置、売場の集約化や低温化など、物流の効率化、衛生対策、耐震改修工事等を行ってきた。
今後も、第8次東京都卸売市場整備計画に基づき、衛生対策、環境対策、老朽化施設の補修又は撤去、交通動線の改善等を行っていく。

6 土壌汚染の問題
   豊洲地区における土壌汚染対策について

新市場予定地の土壌汚染については、汚染原因者である東京ガスの責任により処理を行う。
東京ガスは、環境確保条例に定める土壌汚染処理基準の10倍を超える汚染土壌については、すべて処理基準以下となるよう処理をする。また、10倍以下の汚染土壌についても条例で定める土壌汚染対策指針に基づき用地全体を覆土し飛散を防止することとしていることから、安全性に問題はない。特に、市場は生鮮食料品を取り扱うものであり、安全をより一層確実なものとするため、少なくとも盛土後の地盤高から4.5mの深さまではすべて処理基準以下とする。処理基準以下となっているかについては、環境大臣が指定する指定調査機関が調査を行う。
処理が適切に行われているかについては、東京都が確認を行う。これらの処理は、仮換地として地権者に引き渡されるとき又は保留地として処分されるときまでに完了することとしている。その後、中央卸売市場は地権者から土地を取得する。

7 財源確保の問題(市場整備・幹線道路整備)
   豊洲新市場建設や幹線道路整備の財源について

豊洲新市場建設の財源については、築地市場跡地の売却費、企業債、国庫補助金等を充てる予定である。
環状第二号線や晴海通り延伸部、補助第315号線等の幹線道路は、公共負担と開発者負担により財源確保に努めながら整備を進める。

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3月
 築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり委員会を開催し、銀座・築地地区分科会および勝どき・豊海・晴海分科会での調査・検討を踏まえ、「築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり調査報告書(平成17年度)」を取りまとめた。(1日)

6月
 環状第2号線の地下から地上への都市計画変更案について東京都から全員協議会へ説明が行われる。(28日)

8月
 東京都より都市計画変更案への意見照会あり。(15日)

9月 
東京都「東京都市計画道路環状第2号線建設事業」について「東京都環境影響評価条例」に基づき、都知事(環境局)に環境影響評価書案を提出。(14日)

10月
 広く区民等へ都市計画変更案を周知し意見をもらうため、計画案の広告・縦覧を開始する。(11日〜25日)

東京都「第12回新市場建設協議会」開催。豊洲新市場の施設規模、配置などを取りまとめた基本設計相当が決定された。協議会の了承を得る。(13日)

11月
 第64回東京都卸売市場審議会開催。豊洲新市場の整備について、基本設計相当を取りまとめ、PFI手法を導入することを報告(20日)

12月
 「築地食のまちづくり協議会」が特定非営利活動法人(NPO法人)に認証され、法人格を取得した。(1日)

平成19年1月 
東京都「東京都市計画道路環状第2号線建設事業」について、環境影響評価書案に対して寄せられた都民等の意見に対する見解書を作成し、都知事(環境局)に提出。(19日)

東京都「豊洲新市場建設事業」について「東京都環境影響評価条例」に基づき、東京都知事(環境局)に環境影響評価書案を提出。(25日)

2月 
平成19年度「築地食のまちづくり協議会通常総会」開催。(19日)

3月 
築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり委員会を開催し、銀座・築地地区分科会および勝どき・豊海・晴海分科会での調査・検討を踏まえ、「築地市場地区を核とした活気とにぎわいづくり調査報告書(平成18年度)」を取りまとめた。(27日)

昭和57年3月
 第22回東京都卸売市場審議会答申「第3次卸売市場整備基本方針」(昭和56年3月)を受けて「第3次東京都卸売市場整備計画」策定(昭和56から65年度)

 青果市場:
 ・大田区及び品川区を中心とする地元消費の機能と築地・神田市場の過密解消を図るため、大井市場(仮称)を建設する。新市場の建設に伴って神田市場を廃止する。

 水産市場
 ・大田区及び品川区を中心とする地元消費の機能と築地市場の過密解消を図るため、大井市場(仮称)を建設し、築地市場及び足立市場と合わせて計3市場を配置する。

6月
 中央区議会が都知事・都議会へ「築地市場の大井移転反対の要請行動」を行い、決議書を渡す。

昭和61年1月
 東京都首脳部会議において、築地市場の現在地での再整備を決定

3月
 第31回東京都卸売市場審議会「第4次卸売市場整備基本方針」を答申「現在地において、立体化(1階部分を水産物部2階部分を青果部とするなど)を行い基幹市場としての機能を維持できるよう再整備の必要がある」

12月
 「第4次卸売市場整備基本方針」を受けて、「第4次東京都卸売市場整備計画」策定(昭和61から70年度)

昭和62年4月
 東京都と築地市場業界の協議機関として「築地市場再整備協議会(会長:市場長)」が設置される。

昭和63年11月
 「築地市場再整備基本計画」策定

平成2年6月
 「築地市場再整備基本設計」策定

平成3年1月
 仮設工事着工

2月
 第38回東京都卸売市場審議会「第5次卸売市場整備基本方針」を答申「築地市場再整備協議会」を「築地市場再整備推進協議会」に改組するなど、組織強化を図る。

11月
 「第5次東京都卸売市場整備計画」策定(平成3から12年度)
 [築地市場の再整備]現在地で営業しながら再整備を進める。また、可能な限り工期短縮に努める。

平成4年12月
 本格工事着工(築地川東支川埋立)

平成5年5月
 市場再整備の起工式が行われる。

平成8年4月
 第46回東京都卸売市場審議会「第6次卸売市場整備基本方針」を答申「健全な財政計画に基づき、1. 工期の短縮、2. 建設コストの縮減、3. 基幹市場としての機能を維持していくため、流通環境の変化に対応した効率的で使いやすい市場とする視点から見直しを行う必要がある。」

11月
 「第6次東京都卸売市場整備計画」策定(平成8から17年度)
 [基本計画の変更]

 1. 1階水産物部、2階青果部という立体的・一体的配置を改め、それぞれ分けて平面的に整備する。
 2. 建築年次の比較的新しい施設は、原則継続使用する。

 など

平成9年10月
 築地市場再整備推進協議会において新しい計画についての協議を開始

平成10年2月
 区長が副知事に面談のうえ「築地市場再整備に関する要望書」を提出(26日)

3月
 都議会予算特別委員会において、中央卸売市場長が「全業界から一致して移転について調査、検討の要望があれば、(調査、検討を)行う」と答弁

 議長が「築地市場再整備に関する要望書」を提出(31日)

4月
 業界6団体が「臨海部に市場をつくることが可能かどうかについて調査・検討を早急かつ具体的に行い、当局の見解をだすよう」要望書を中央卸売市場長へ提出(2日)

5月
 中央区議会に「築地市場再整備対策特別委員会」を設置

6月
 業界6団体に対し東京都が回答(30日)

 1. 移転の可能性を判断するためには、市場業界全体の一致した意思と場外市場関係者並びに関係区の協力が前提となる。
 2. 市場業界各団体は一致した意思を明らかにするとともに場外市場関係者並びに関係区等の理解と協力を得るよう努力する必要がある。
 3. これらのことを確認できる文書を今年中に提出すること。

 中央区「中央区築地市場再整備対策本部」設置(30日)

7月
 区長、議長の連名で副知事に面談のうえ築地市場再整備に関し都の考えを質す「築地市場の再整備に関する確認について」を提出(6日)

10月
 中央区「築地市場に関するアンケート調査」実施(結果発表は翌年1月)
http://www.city.chuo.lg.jp/kusei/kuseizyoho/tukizisizyo/tsukijikeiitorikumi19ikou/index.html

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