ATC中国環境ビジネスビジネスの成功に向けて

大阪水・土壌研究会員

2009年11月14日 22:04

おおさかATCグリーンエコプラザ ビジネス交流会

アジア環境ビジネス研究部会(第3回)
  中国環境ビジネスセミナー? 〜ビジネスの成功に向けて〜のご案内



 環境ビジネスに限らず、中国でのビジネスの展開は、ますます注目を浴びております。世界経済をリードすべく立場の経済力を誇る中国ではありますが、国民性などの違いにより、実際のビジネス展開は紆余曲折しております。
 今回のアジア環境ビジネス研究部会では、中国での環境ビジネスの問題点、実際のビジネスによる商習慣の違いなど、具体的な問題点を取り上げ、中国ビジネスのサクセスストーリーをシリーズ化してセミナーを開催し、講演終了後には懇親会において講師の先生方に参加して頂きますので、中国ビジネスにおける人脈作り及び中国ビジネスのトラブル解消の一環として、皆様のご参加をお待ちしております。

■開催日時■
2009年12月10日(木)
セミナー:  14:00 〜 16:30
交流会:   16:40 〜 18:00

■プログラム■
【講演1】中国の環境政策と環境ビジネス(14:05〜15:05
  講師:福井県立大学名誉教授
    (社)日中科学技術文化センター 理事長 凌 星光 氏
         http://www.jcst.or.jp/

【講演2】山東省沿海地域の環境ビジネス(予定)(15:20〜16:20)
  講師:ハルピン大学 教授
    威海ハイテク産業開発区 副主任 王 政玉 氏

【交流会】 質疑応答・名詞交換は交流会会場で行います。(16:40〜18:00)
       (会費3,000円/人)

■主    催■
おおさかATCグリーンエコプラザビジネス交流会 アジア環境ビジネス研究部会
  水・土壌汚染研究部会   循環型社会ビジネス研究部会
大阪環境産業振興センター(おおさかATCグリーンエコプラザ)実行委員会

■受 講 料■
 2000円/人  
(但し、行政担当者、おおさかATCグリーンエコプラザ出展企業、アジア環境ビジネス研究部会会員、
水・土壌汚染研究部会会員、循環型社会ビジネス研究部会会員は無料)

■会    場■
おおさかATCグリーンエコプラザビジネス ビオトープ・プラザ
(アジアトレードセンター ITM棟11F おおさかATCグリーンエコプラザ内)



■定   員■
80名(先着順 ※受付確認はセミナー開催約10日前迄にFAXまたはE-mailでお送りします。)

■お申し込み■
〒559-0034  
大阪市住之江区南港北2丁目1-10 ATCビル ITM棟11F

おおさかATCグリーンエコプラザビジネス交流会  アジア研究部会セミナー係 

 TEL06−6615−5887 FAX06−6614−1801  E-mail:asia@e-being.jp  

■交 流 会■
セミナー終了後、会場ビル6 階の「ピア6」で交流会を会費制で開催いたします。(3000 円/人)  

おおさかATCグリーンエコプラザの中国語↓
 http://www.ecoplaza.gr.jp/chinese/index.html

アジア太平洋トレードセンター株式会社↓
 http://www.atc-estate.com/language/chinese/index.htm










ATCグリーンエコプラザセミナーレポート 
エネルギー環境からみた日中協力の新たな可能性

講師
立命館大学 政策科学部 教授 周生

 日中関係は、協力か、競争か、それとも対立か。エネルギー・環境分野においては、協力できることが多々あると考えています。今日は日中比較を通じて、エネルギー・環境分野における日中協力の可能性と課題について、私が把握している範囲でお話します。

産業革命と社会システムの変化
 産業革命と社会システムの変化により、人類の歴史は三つの時代に分けることができます。まず、産業革命以前は、人間の生活活動や生産活動による環境に与える負荷が低く、人間が自然資源を採取する能力が低かった為、自然の力で循環できる社会を形成していました。これを「自然的循環型社会」といいます。しかし、18世紀末の第一次産業革命(石炭エネルギー,製鉄,鉄道など) 以来、第二次産業革命(19世紀末、プラスチックなどの新素材,石油,電気エネルギー,自動車,家電製品など )、第三次産業革命(20世紀末、近代産業社会、高度情報化社会、産業の情報化,電子化−デジタル革命など)を経て、技術革新が進み、我々人間が自然資源を採取する能力が飛躍的向上し、そして環境負荷が、遥かに自然の自浄能力を上回る状態となりました。その結果、資源の枯渇性問題や、公害などローカルな環境問題から地球温暖化などグローバルな環境問題まで顕在化してきたといえます。私はこれを「一方通行型社会」と呼んでおり、このような社会システムでは地球が持続不可能な状態になります。

 そうなると、今後は自然の力では循環ができない、なんらかの人為的な力で循環させるという「人為的循環型社会」、いわゆる第四次産業革命がくるのではと思っています。
 特にシンボルとなる技術としてIT,BT(バイオテクノロジー)、ET(エネルギー技術)、ET(環境回復・健康産業技術)、NT(ナノテクノロジー)という技術が挙げられ、その中でも、いかに資源・環境負荷を最小化するかという技術が、これからの社会で一番大きなポイントになるでしょう。これからの技術・産業は、循環型をキーワードとして対応していかなければいけないと考えます。すなわち、循環型技術システム、循環型産業システム、循環型経済システム、循環型社会システムの構築が求められています。

 私達が色々な環境問題に直面しているのは、以下のような重要な3原則を犯しているという根本的な問題からです。

これらは人類文明が持続可能であるための最低限の必要条件です。
(1)再生可能な資源の消費量<再生力(現在の砂漠化、森林減少はこの原則を犯している典型)
(2)非再生可能な資源の消費量<再生可能資源の開発力(現在は全くこの原則を無視)
(3)汚染物質の排出量<環境の吸収力(自浄能力)(大気中CO2濃度の増大はこの原則を犯している典型)。

 人為的に、技術やライフスタイルの変革によっていかに環境負荷を小さくしていくかが、今後の課題です。

中国が抱える問題
 ご存知のように、中国の経済は、1980年代から、世界のほとんどの予想を裏切って、20年余りをかけて、年平均9%を超える高成長を続けてきました。この急成長による中国のエネルギー消費量の急増も世界を驚かせています。例えば、ここ5年間のエネルギー消費量の増加は、1981〜2000年の20年間の総量を超え、少なくとも国際機関や中国国内エネルギー研究機関の予測より10年早まりました。

 さらに、中国は2000年のGDPを10年後に2倍、20年後に4倍に増やすという国家目標を発表しました。この目標は、21世紀の最初の20年間における年平均経済成長率を7%という高水準に維持することを意味しますが、この目標を達成するためには、経済活動を支えるエネルギーの安定供給が大前提となります。この膨大なエネルギー消費量をどこまで安定的に供給できるかの問題は、中国一国の問題のみならず、世界全体の経済発展とエネルギー安全保障にも大きなインパクトを与えるものなのです。

 その象徴的な事例としては以下の三つを挙げることができます。
(1)深刻な電力不足   
 近年、電力の不足は中国全土特に沿岸地域において深刻な問題となっており、例えば2003年の電力使用量は1兆9000億kwh、発電設備容量は3億8000万kw。電力不足は2000万kwとなりました。徐々に改善はしていますが、長期的にみれば、再び大きな問題となる可能性は高いでしょう。
 また、2010年に使用量が3兆5000億kwh、発電設備容量は6億7000万kw以上になります。2020年がそれぞれ4兆5000億kwhと9億5000万kwになり、03年の2倍余りになります。中国の電力需要は、世界の色々な機関が予測していますが、EIA(米エネルギー情報局)、IEA(国際エネルギー機関)などが発表していた値は全て大きくはずれています。実際のエネルギー消費量は予測値より10年も早まっています。

(2)原油輸入の急増   
 近年中国では環境制約等により自国の石炭消費を抑制する動きがある一方で、原油輸入が急増しており、エネルギー供給に関するリスクが高まっています。中国の石油消費量は2003年に2億6千万トンとなり、日本を抜きアメリカに次ぐ世界第2位となりました。中国統計局によると、2004年度の原油輸入量は1億2000万トン(2003年は9112万トン)に達しました。
 また中国の石油輸入の中東依存度は50%(日本は85%)に達しています。その輸入先の大半は日本と同じく中東に依存しているので、いかに中国のエネルギー消費量を削減するかという点においては、日中両国に共通な利益があり、協力できるポテンシャルも非常に高いと考えています。中国の原油輸入拡大は世界の原油市況にも大きな影響を及ぼしそうであると同時に原油価格の値上がりによる自国経済への影響も大きいものと見られています。

(3)環境負荷の増大   
 中国には今、公害の発生や河川の渇水、国土の広い範囲での砂漠化など深刻な環境問題に見舞われています。その中、周辺諸国及び地球環境や気候変動にもっとも深刻な影響を及ぼしているのはともにエネルギーの消費から排出する二酸化硫黄(SO2)による酸性雨の広範囲発生及び二酸化炭素(CO2)の大量排出等が挙げられます。中国の場合、国民一人当たりでみた環境負荷は決して大きくありません。1人当たりのCO2排出量は世界平均値の半分以下にすぎません。
 しかし、その大きな人口、急速な経済成長、石炭中心としたエネルギー消費構造のため、CO2排出量は急速に増加し、総量ではアメリカに次ぐ世界第2位となっています。この酸性雨越境汚染問題とCO2排出問題を解決するには、中国自身の努力はもちろんのこと、先進国とりわけ日本との協力は不可欠であると考えられます。

 また中国が抱える大きな環境問題としては、水の問題があります。現在の中国の水問題は、足りない・汚い・危ないという3つの言葉で表すことができます。中国の水消費量は先進国と比較して非常に多い状態にあり、GDP1000ドルあたりの水消費量は日本の10倍に及ぶため、日本が節水技術を提供できれば大きなビジネスになるでしょう。
それ以外に、新たなビジネスとしては、CO2排出削減技術があり、中国はすでに136のCDMプロジェクトが動いています。

中国の取り組み
 中国の第11次五ヵ年計画には二つの数値目標を掲げられました。ひとつは2010年のGDPを2000年の倍増、もう1つが省エネ目標、すなわち2010年のGDPあたりのエネルギー消費量を2006年時点の20%カットをする、ということです。実はこれは、かつてブッシュ政権が提示した、京都議定書の代替案と似たものなのです。エネルギー効率を上げるという国内での取り組みにおいて、結果として中国もCO2削減に取り組んでいると言えます。

中国の経済社会の特徴
 中国を分析するときは、先進地域(一人あたりGDP2000米ドル以上)・中進地域(一人あたりGDP800米ドル〜2000米ドル)・後進地域(一人当たりGDP800米ドル未満)の三つの地域にわけると、地域ごとに特徴が表れます。国土面積4%・人口19%の先進地域(東部沿岸部)に、GDPの約3割と、対外貿易8割、外国産業の6割が集中しています。一方、人口が中国全土の約5割を占める中進地域(東北・華北など)は、GDPは約4割、対外貿易、外国産業は先進地域に次ぐ値となっています。最後に国土面積の72%を占める後進地域の人口は約3割を占めますがGDPは17%程度しかありません。

 もうひとつのデータとして、中国には三大経済圏があります。ひとつは人口4億8千万人にのぼる都市部です。その規模は日米独三カ国人口のトータルに相当し、毎年10%の勢いで成長しています。それは広東省地域、上海市を中心とした長江デルタ地域、北京・天津を中心とする勃海湾地域です。

グローバルリサイクルシステム
 今、私達の研究室では、リサイクルのあり方として、グローバルリサイクルシステムを提唱しています。リサイクルには小循環・中循環・大循環があります。できれば廃棄物を工場内で処分・リサイクルできればいいのですが、できない場合は隣接地域などの広域で行い、さらに国内で無理な場合は国境を越えて行うというものです。資源廃棄物を生かしてビジネスにする静脈産業、これは、資源・エネルギー効率の最大化(投入・排出の最小化)、事業者・消費者・行政のパートナーシップ(社会全体としての便益の最大化)、新たな産業技術体系の確立(循環型技術体系の確立)、環境関連産業の発展(新規産業フロンティアの開拓、企業の競争力強化)を中心とした広域循環型経済システムであると考えています。実際、今までも多くの資源廃棄物を輸出入している会社はあり、資源の最大限利用と廃棄物排出の最小化を目指すものとして、静脈産業としてこれからはまだ大きな発展を達成していくことと思います。

 特に東北アジア地域は、世界で有数の流動性、多様性をもつ地域です。先進国の日本、そして北朝鮮や中国の僻地など最も貧しく遅れた地域が共存し、また韓国や上海など、人口、経済成長がめざましい地域もあります。このような富める国と貧しい国が隣り合って暮らす地域では、お互いが環境問題の重荷を共有し、その解決のため、地域間の協力が必要となります。互いにうまく協力できればWin-Winの関係になれると考えています。

中国で生まれた新しい言葉
 近年、中国には新しい言葉が生まれているので、少しご紹介しておきます。
鄧小平氏が言った「小康社会(しょうかんしゃかい)」とは、衣食を確保できる最低限度の生活レベルと、豊かな生活との間のステップを指し、経済水準だけではなく、社会・教育・文化などを含んだ幅広い概念を含んでいます。そして江沢民時代に言われた「全面小康社会」は、鄧小平時代の効率一辺倒の政策により、国民生活は改善された反面、経済格差などの不均衡が生まれたことから、よりゆとりのある生活だけでなく、より平等的な所得分配をも意味して名づけられました。

 そして、現在の「和諧社会」は、胡錦濤政権が定めた新しいスローガンで、和諧とは調和がとれているという意味です。都市と農村の発展の調和、地域の発展の調和、経済と社会の発展の調和、人と自然の調和ある発展、国内発展と対外開放の調和という5つの調和で構成されています。中国に戻ったときに、和諧社会のイメージとは何かを中国人に聞いてみると、皆わからないと答えます。しかし私は、社会制度・医療・保険・教育制度など色々な面で、日本にこの和諧社会のモデルがあると思っています。日本の社会制度をもっと研究すべきと考えられます。その他、韓国の農村建設なども大変良いモデルになると考えています。

中国のエコビジネス
 中国におけるエコビジネスの市場は非常に膨大です。さきほど述べた水問題に加え、都市部の廃棄物問題など、さまざまな環境問題を抱えており、第11次5ヵ年計画(2006〜2010年)期間中、環境保全関連の投資総額は、1兆3千億元(約18兆円)となる見込みです。その重点事業としては、火力発電所の脱硫装置や廃棄物処分など、技術面では日本が大幅にリードしている分野となっているため、日中間の環境ビジネスのさらなる商機拡大の局面を迎えているといえます。
 今までは脱硫により二割ほどコストがあがるため、多くの企業において脱硫装置はほとんど導入されていない状態でしたが、近年中国政府の規制も強化され、状況は徐々に改善されています。中国の市場においては、日本より効率が低くても、簡易で安価な脱硫装置を開発できれば大きな需要があると言えるでしょう。

 もうひとつの大きな市場として、廃棄物の問題があります。中国は今、産業廃棄物の問題に直面したばかりです。これはローテクで解決できる問題なので、多くの事例をもつ日本が中国に協力することでぜひビジネスチャンスに変えていただきたいと思います。
 また新ビジネスとして注目されているのは、大気ビジネス、酸性雨、公害物質に関するビジネスです。それに加え、中国の炭鉱ガスは潜在埋蔵量が多く、クリーンなエネルギーとして今後の開発が期待されています。
中国において申請受理したCDMプロジェクトの数は現在136で、風力、水力、炭鉱ガスの順に多くなっていますが、CO2削減の量でみるとHFC(代替フロン)がもっとも効果があります。しかし残念ながら、現在のところ省エネのCDMはほとんどありません。

 そんな中、今、我々が推進しているのはCDMとESCOを合併するということです。CDMの利益はCO2へ、ESCOの利益は省エネへ換算されます。CDMをするときは省エネの利益を換算せず、ESCOを行うときは、CO2の利益を無視するため、これら両方の利益を組み合わせると省エネの利益は更に大きくなり、取り組む企業が増えるのではないかと考えています。

中国の省エネポテンシャル
 中国の場合は省エネポテンシャルがたぶん非常に大きいと考えられています。GDP1000米ドルあたりで中国が消費するエネルギーは日本の約9.7倍(2004年ですが、しかしこれを購買力平価PPP換算すれば、およそ2倍程度の値となります。ですから中国の省エネのポテンシャルは、上限は日本の10倍、下限はその2倍程度だと思われます。また可能性としては、単位製品あたりの省エネ、またシステム的な省エネに効果があると思われます。我々の計算では、もし中国がGDPあたりの消費量を日本並みに達成できれば、エネルギー消費量を半減できることとなります。

今後の日中協力に向けて
 今後、日中協力のためには二つの視点があります。まず中国におけるエコビジネスを考えるときには、経済活動のグローバル化の中で生産基地として成長する中国を通して、どのように日本が循環型経済社会の形成を推進できるか。そして二つ目には、日本の十倍以上と言われる中国の経済市場の中で、どのように環境に配慮して生産活動を行い、将来的に循環型経済社会の構築に貢献できるかの二点です。
 中国等の発展途上国は、欧州諸国が産業革命以来200年余りをかけ、日本が100年余りをかけた工業化のステップを半世紀に満たない短期間に一挙に経験する道を歩んでいます。このため、経済の成熟した段階で徐々に環境問題に取組んできた先進国とはことなり、貧困問題、公害問題と地球環境問題の三方に同時に取り組まなければならない状態にあります。このため、途上国は「後発者利益」を十分に活かすのみならず、多様な経済発展レベルに応じた環境政策を組み込んだ新たな「持続可能な開発」モデルを考察しなければなりません。これを実現するためには、中国等の途上国自身における独自の技術開発と環境産業の育成が必要であることはいうまでもありませんが,世界各国との協力も必要としており,アジア最大の先進工業国である日本との協力はとりわけ重要です。
 今後,中国のエネルギー需要と環境負荷の増大をなだらかなものとしていくためには,先進国が,持続可能な循環社会実現に向けたビジョン作りに協力し,その実現の為に経済的・技術的協力を併せて行っていくことも重要でしょう。
 これらを配慮した上で、今後も日中での協力を進め、エコビジネスを推進していただければと思います。

ご清聴ありがとうございました。

http://www.ecoplaza.gr.jp/event/eco_seminar_report/report/190105/index.html


アジアとの循環型社会の構築と環境ビジネス、環境・CSR経営
■講師
おおさかATCグリーンエコプラザ顧問 同志社大学 経済学部教授
郡嶌 孝氏
はじめに
 ドイツの社会学者、ウルリッヒ・ベックは、今日の近代社会をリスク社会と呼んでいます。我々の社会は、現在、成功しているがゆえに新たな課題、リスクを生んでいます。今日は、私たちがこの新しい課題である環境危機に今後どう対応していくべきなのか、温暖化問題を含めてお話していきます。

21世紀の環境問題と各国の動き
 危機という漢字は、“危”険と“機”会が組み合わさっています。まさに環境危機とは、日本においてはリスクを伴いながら、一方ではビジネスチャンスになったりするのが特徴であるかもしれません。
21世紀の環境問題は、廃棄物および温暖化の問題がとりわけ大きくなってきました。そんな中、先進国の取組みは、温暖化よりも廃棄物問題への取組みの方が少し早かったようです。
 G8のサミットで初めて循環型社会について取り上げられたのは、2003年の、フランス、エビアンでのサミットです。エビアンでは循環型社会を実現する上での、先進国のマテリアルリサイクルについて話し合われました。その後、アメリカのシーアイランドでのサミットでは、小泉前総理の提唱により3Rイニシアチブが合意され、国際会議が行われるようになりました。
実はこれらの契機となったのは2002年のヨハネスブルグサミットです。1992年の地球サミットより10年が経過したこの年、持続可能な生産・開発を約束した「アジェンダ21」の進捗状況を確かめるとともに、次の「持続可能な生産・消費」に取り組む10年のフレームワークを策定することとなりました。
 
アジアとの循環型社会の構築
 昨年、エコプラザ前館長と共に、大阪市と上海の環境問題対話のために上海に行ったのですが、アジアで環境ビジネスを行うのは難しいことがわかりました。中国にとって日本は、再生資源の原料輸入国としてしか位置づけられていないようです。対話の中で、環境用語は、ほぼドイツ語に占められていたことからも、すでにドイツとの環境ビジネスが進んでいることは明らかです。ここに入り込むのは、なかなか容易ではないでしょう。
 では、当面、商売よりも日本の経験の中でどう環境と経済を両立するかということが重要となります。中国をはじめ、海外でも両立しなけれならないという意識はありますが、そのための技術や経験が不足しています。彼らが、技術・経験を身につけた後、開放的調整計画による協力関係が生まれると考えられます。しかしそのためには、まずトレーサビリティが最重要です。

 現在、日本のマテリアルフローは、とりわけ静脈産業におけるフローの把握が非常に弱い状況にあります。例えばどのように資源が回収され、資源化され、どう使われているのか。消えた資源は廃棄されたのか、海外に輸出されたのか。廃棄自動車の例を挙げると、多くは海外に輸出されていることはわかっていますが、その後、部品として使われているのか、車のままなのか、海外で何が起こっているのか、トレーサビリティが全く把握できていません。家電についても同様です。
 我々は環境の問題を“見える化”するためには、まずは数値化し、その実態をとらえられるようにしなければなりません。そしてグローバル化の中で循環経済圏を作ることはまだまだ難しい状態にありますが、日本の経験は必ず中国に役立つはずであり、必ずそこにビジネスチャンスはあると考えられます。

エコイノベーションとソーシャルイノベーション
 また、エコイノベーションという面から言うと、今後は次第に製品を売ることから、機能やサービスを売るプロダクトサービスシステム(サービスサイジング)への変換が必要になってきます。
我々が3年前に地球環境戦略機関で研究を始めて以来、経済産業省でもサービスサイジング事業推進委員会が作られ、少しずつサービスサイジングの流れが生まれています。これを大きな流れにするべく、主要産業におけるサービスサイジングの促進を進めていかなければなりません。
 これからは、まさに大企業の中で、サービスサイジングを動脈産業として変えていかねばなりません。

 また環境ビジネスとしては、中間組織の支援をしながら、さらに市民社会における環境への取組みを進めていく必要があります。日本の強みを生かし、環境重視、人間重視の、技術革新・社会革新の実現こそが、経済産業省が描いている環境大国へのビジョンです。まさに我々はエコイノベーションと同時に、ソーシャルイノベーションも伴わなくてはいけません。
その中で、環境をどう価値化するか。皆が見えないCO2をどう見えるようにするかが非常に重要です。まずは環境問題を経済的な価値として見えるようにして、キャップをはめることが大事なのです。
 たとえば社内では、部署ごとに排出権取引、環境税などで規制すれば良いでしょう。企業の中における評価を、売上高や経済価値だけでなく、環境の価値も“見える化”して評価対象にすれば、皆も取り組むようになるかもしれません。経験こそ重要な資産となるでしょう。
 それぞれに何ができるか、環境と経済の両立の中で、今日お話された他の企業の皆さんのお話も参考にして取り組んでいただければ、これも、開放的調整政策のひとつといえるでしょう。どうもありがとうございました。
http://www.ecoplaza.gr.jp/event/eco_seminar_report/report/190801/index.html

?施理念
通?培?和振??境商?,???更加美好的社会?献力量。
大气、水、噪音、?弃物、能源等与?境相?的各???正逐年?向??化,?于市民、企?和自治体而言是?尽快解决的??。大阪ATC?色?保广?正是在????境??的???得越来越重要的情况下?运而生的。其?立的目的是通?广泛地介?最新的?境商?,?求尚?于萌芽期的?境商?的活性化,??造循?型社会?献力量。ATC?年聚集900万人的市民,?日本首屈一指的集客?施,是作?大阪城市副中心而正在推?基??施建?的宇宙广?地区的中心?施。此外,以福利?主?的健康中心、??振?广?、?件??广?等?求新型??的培?与振?的基地也正在依次建?中。大阪ATC?色?保广?通??境商??解决?境???献力量,是大众的广?。以企??主,众多市民和自治体的共同思考和共同行?是必不可少的。我???大阪ATC?色?保广?将孕育市民、企?、行政??一体共同致力于?境??的理想的三角?系。
http://www.ecoplaza.gr.jp/chinese/index.html

Osaka ATC Green Eco Plaza seeks to achieve a better society through the cultivation and promotion of eco-business.
As they grow more complex with each passing year, environmental problems involving the atmosphere, water, noise, waste products, and energy demand quick movement on solutions by citizens, corporations, and local government. Osaka ATC Green Eco Plaza was conceived in the recognition that dealing with environmental problems such as these is becoming an increasingly critical imperative. The Plaza was founded to contribute to the realization of a sustainable, recycling-based society while stimulating the development of nascent eco-businesses by introducing a broad selection of cutting-edge, ecologically responsible business opportunities and practices.

A leading attraction visited by some 9 million citizens every year, ATC is one of the anchor facilities in the Cosmo Square zone, which is being developed as a new subcenter of Osaka. A growing number of facilities devoted to cultivating and promoting new industries are springing up in Cosmo Square, including the social welfare-based ATC Ageless Center, Osaka Design Promotion Plaza, and Software Industry Plaza. Osaka ATC Green Eco Plaza is a gathering place for citizens who are committed to contributing to the resolution of environmental problems through the pursuit of eco-businesses. It was founded in recognition of the need for corporations, citizens, and local government to think and act together, and in the hope that these groups will come together to form an “ideal triangle” of activism in addressing the environmental challenges facing our society.






?施概要
名称 大阪?境??振?中心[大阪ATC?色?保广?]
?置方 大阪市 ?洲太平洋?易中心株式会社
主? 大阪?境??振?中心?行委?会
?大阪市
??洲太平洋?易中心株式会社
?日本???社
会? ATC[?洲太平洋?易中心]?ITM大厦11楼西?
地址 大阪市住之江区南港北2丁目1-10
会?面? 4,500m2
???? 上午10?30分〜下午5?30分
休?日 星期一(星期六、日、?假日也?放)
?? 同志社大学 ??系教授 郡? 孝
后援 ????省 ?境省 大阪府
大阪工商会?所 ?西???合会 ?西??同友会
http://www.ecoplaza.gr.jp/chinese/profile.html
Overview
Name Osaka Center for the Promotion of Eco Industry
(Osaka ATC Green Eco Plaza)
Founded by Osaka City Asia Pacific Trade Center Corporation
Sponsors Osaka Center for the Promotion of Eco Industry Organizing Committee
・ Osaka City
・ Asia Pacific Trade Center Corporation
・ Nikkei Inc.
Location 11th Floor West, ITM Wing, ATC (Asia Pacific Trade Center)
Address 2-1-10 Nankokita, Suminoe-ku, Osaka City
Floor Space 4,500 m2
Hours 10:30 am to 5:30 pm
Closed Mondays (open Saturdays, Sundays, and national holidays)
Advisor Professor Takashi Gunjima, Faculty of Economics, Doshisha University
Support Ministry of Economy, Trade and Industry
Ministry of the Environment
Osaka Prefecture
Osaka Chamber of Commerce and Industry
Kansai Economic Federation (Keidanren)
Kansai Association of Corporate Executives

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